ODAとは? ODA改革

「ODA総合戦略会議」第18回会合・議事録

1.日時

 平成16年11月8日(月)9:30~11:30

2.場所

 外務省南庁舎 666号室

3 出席者

 町村外務大臣(ODA総合戦略会議議長)(冒頭挨拶)、ODA総合戦略会議委員が出席(大野委員は欠席)。外務省(事務局)より佐藤経済協力局長他が出席。関係府省、JICA(国際協力機構)及びJBIC(国際協力銀行)がオブザーバー参加。

4.議論の経過

(議事の概要)

(1)冒頭、渡辺議長代理より、内閣改造を受けたODA総合戦略会議のメンバーの一部交代(大臣、副大臣、大臣政務官)について説明。続いて、町村大臣がODA総合戦略会議の議長に就任して挨拶を行った。
(2)ODA中期政策について、兒玉(こだま)経済協力局審議官による事務局案の説明を受けて、意見交換を行った。
(3)対バングラデシュ国別援助計画について、山形(やまがた)主査(アジア経済開発研究所教授)より、作業方針に関する報告があった。
(4)事務局より、(イ)国際協力50周年、(ロ)イラク復興信託基金に関する東京会合について報告がなされた。


(渡辺議長代理) おはようございます。第18回目のODA総合戦略会議をただいまから開催いたします。
 ご案内のように、今日は三つのテーマがあります。第1はODA中期政策について、兒玉経済協力審議官より事務局案についての説明を受けた上で意見交換をいたします。ご承知のように、前回の戦略会議で論点整理がなされたわけです。事務局の方で、それに基づいて文案を作り、各省庁との調整を行いましたので、その事務局案について議論をしていただきたいと思います。
 第2は対バングラデシュ国別援助計画です。私の右隣に座っていらっしゃるアジア経済研究所の山形さんを主査として、対バングラデシュ国別援助計画を始めるわけですが、今日はその第1回目ですので、作業方針についてのご報告をいただきます。
 それから最後に3番目は事務局よりの報告です。一つは国際協力の50周年について、もう一つはイラク復興信託基金に関する東京会議についての報告です。
 議題に先立ちまして、メンバー構成について変更がありますので申し上げます。ご承知のように9月末に第二次小泉改造内閣が発足いたしました。これまでは、議長として川口大臣、それから逢沢副大臣、および田中大臣政務官がお名前を連ねてくださっていましたが、今回、内閣改造を受けまして、新たな議長として町村大臣、また引き続き逢沢副大臣、そして新たに河井大臣政務官をお迎えすることになりました。本日は町村大臣にお越しいただいておりますので、大臣より一言ご挨拶をいただけると大変ありがたいと思います。
(町村外務大臣) おはようございます。総合戦略会議の皆様方には、いつも大変熱心にご討議をいただいておりまして、心から感謝をいたします。平成14年の6月から開かれているということで、2年半近くの間に今日で18回というわけですから、2カ月に1回以上、1カ月半に1回ぐらいの大変なペースでお忙しい皆様方にご協力をいただいておりますのは大変ありがたいことで、心から感謝を申し上げます。
 私の前任である川口大臣が立ち上げたこの会議ですが、非常に重要な役割をこれまで担っていただいてきました。この会議では、ODA大綱、中期政策、更には国別援助計画についてご議論いただいております。このODAに関しては国民の期待が大きい反面、不満や注文などもあります。そのかなりの部分を皆様方の会議における作業によって、国民の期待により応えられる、そういうODAを展開できるようになることは大変にありがたいことです。渡辺議長代理はじめ、皆様方のお力によるところは大変大きいと心から感謝をし、また今後とも、引き続きよろしくお願い申し上げたいと存じております。
 私自身、昭和44年に通産省に入りまして、最初の2年間は経済協力も担当しておりました。そのころはまだ通産省は外務省と対抗意識で、「経済協力白書」と言ってはいけないということで、「経済協力の現状と問題点」という名称で、たぶん外務省の白書を凌ぐいいものを書いていたと、そのときは思っていたわけですが、そのとき私が外務大臣になるとは夢にも思っておりませんでした。
 私は書き手で、一生懸命に何十ページも書いて、それを読んだ当時の外務省経済協力局長の沢木局長から、これは素晴らしくよくできているとお褒めをいただいた白書のある部分を書いた記憶がありますものですから、それ以降、いろいろな機会に海外に行き、青年協力隊の方に会ったり、あるいはシニアボランティアの方に会ったり、あるいはODAを活用したいろいろなプロジェクトの現場を見にいったりすることを、国会議員になってからも、この20年余、心掛けてまいりました。それだけに、うまくいっているもの、失敗しているもの、いろいろなケースがあることも私なりに体験上わかっているつもりです。
 どうぞ皆様方にはさらに大所高所に立って、立派な中期政策を作り、国別援助計画を作る上で、また、いろいろな個々の案件についても貴重なご意見をいただければありがたいと考えているところです。
 そうは言っても毎回出席というわけにはいかないかもしれませんので、渡辺議長代理には引き続き代理をお願いしたいと思っております。
 なお今日はバングラデシュと中期政策ということで、実はこの会議に出るまで私はまだ中期政策の案を見ておりませんが、今日は兒玉さんが素晴らしい説明をしてくれると思いますから、どうぞひとつゆっくりとご議論をいただきたい。あと2~3回、議論の機会があるのでしょうか。そういう意味では、まだまだこれからよりよいものにつくりあげていくプロセスの始まりだと思います。私自身も一委員として、一生懸命に読んで、兒玉さんに多少注文をつけるかもしれませんが、そのときはよろしくどうぞお願いいたします。
 いずれにしても、わが省の佐藤局長以下、一生懸命に国民の期待に応えられるような経済協力を展開していく努力をしてきたわけですし、これからもまたそうしたいと思っておりますので、ご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
 なお今日は逢沢副大臣、それから河井政務官、それぞれ所用で出席できませんが、次回以降また改めてご挨拶をさせていただくことになろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
(渡辺議長代理) どうもありがとうございました。昨年ODA大綱が閣議決定されて、次いで中期政策を全面的に改訂されることになり、日本の援助の方向もかつてに比べていよいよ充実していく時期にあります。
 「平和の構築」や「人間の安全保障」等、今までの日本のODAのコンセプトの中では、率直に言って想像さえもされなかったようなテーマが急浮上してきているわけで そういう意味で新しいコンセプトを貫いていくには、いろいろな政治的摩擦等が発生しかねないと思っておりますが、大臣の強力なリーダーシップでODA総合戦略会議の方針を政策化していくためのご助力いただければ大変ありがたいと思います。
 就任早々出てきていただきまして、ご挨拶をいただきました。本当にありがとうございました。
 今も大臣の方からご指名いただいたのですが、大臣は国事多端の折、役不足でありますが、私が議長代理のほうをしばらく務めさせていただきます。
(町村外務大臣) よろしくお願いいたします。
(渡辺議長代理) もう一つ、人事の交替になりますが、古田経済協力局長の後任として、10月1日付をもちまして、経済協力局長に佐藤重和さんが新たに就任されましたので、一言ご挨拶をいただければと思います。佐藤さん、よろしくお願いします。
(佐藤経済協力局長) おはようございます。この10月から経済協力局に参りました佐藤と申します。この戦略会議の皆様には、先程大臣からもお話がございましたとおり、ODA大綱の改正、国別援助計画の策定等、重要な問題について貴重な議論を重ねてきていただいておりますが、今後とも新たな中期政策の策定と、多くの国について国別援助計画の作成をお願いしたいと考えております。
 先程渡辺先生からもお話がありましたが、ODAはいろいろな意味での転換期、また新しい問題を抱えておりますし、明年はODAに係わる問題に非常に大きな焦点があたるという時期でもありますので、先生方にはODAを巡る重要な問題について、引き続き貴重なご議論をいただきたいと考えております。どなたも本当にお忙しい先生方ですが、引き続きよろしくお願いいたします。
(渡辺議長代理) どうもありがとうございました。それでは冒頭に申し上げました三つの課題についての審議に入っていきます。まず第1にODA中期政策についてです。この点については、兒玉審議官から外務省案の説明をいただき、その後、議論をしたいと思います。
(兒玉経済協力審議官) ご紹介いただきました外務省の経済協力審議官の兒玉です。それではお手元にお配りしております資料の中の資料2、中期政策(案)の骨子(資料2-1)、それから本文(資料2-2)をご覧いただきながら、ご説明をさせていただきます。お手元の11月8日付の中期政策の事務局(案)ですが、ODA総合戦略会議における議論の結果や、タスクフォースでの論点整理を踏まえまして今日まで、関係府省と協議をした結果の案文です。
 この案文作成にあたりましては、ODA大綱を更に具体化し、また、我が国独自の考え方や取り組みを簡潔かつ分かりやすく記述するように努めました。簡潔かつ分かりやすくという中には、国民一人ひとりの皆様、そしてまたシビルソサエティ、NGO関係者、更には諸外国の政府あるいは相手国の関係者等を念頭に置いて、かつ説明可能な中身にするように努めたつもりです。
 こうした観点から重点課題に関する記述として、アプローチと具体的取り組みを一緒に取り上げました。言い換えますと、中期政策案のドラフティングに際しては、その中身の構成要素として3点を設定したということです。すなわち大綱による基本方針や重点課題をどう理解するべきかという観点から、考え方を明らかにするということ、その上で如何なるアプローチをとるかと明示し、更に具体的取り組みも明らかにしたものです。
 それでは資料2-1の1ページの「1.中期政策の位置付け」ですが、その中で(2)にはミレニアム開発目標という2000年に採択をされ、2015年に達成することが期待されている努力目標ですが、その問題や地球的規模の問題をはじめとする開発課題、平和の構築、更には経済連携などを通じた持続的成長のために、戦略的かつ効率的なODAの活用を通じて、我が国の地位にふさわしい役割を果たす考えであることを記述しております。
 (3)では、国別援助計画の策定にあたって、ODA大綱に加え中期政策を併せて踏まえること、そして新中期政策は向こう3~5年を念頭に置いて、それ以前にも必要に応じて実施状況を評価した上で改定するという趣旨を盛り込んでおります。更に(4)では、「透明性」、「ODAに関する広報」、「援助活動への国民参加の促進」ということを明記しております。
 「2.「人間の安全保障」の視点について」は、ODA大綱で新たに盛り込まれた基本方針ですが、開発援助全体に亘って踏まえるべき視点ということで位置付けております。その上でODAを実施する際に重視すべきアプローチについてお示ししております。
 具体的には次の1ページ~3ページに書いてありますが、人々を中心に据え、人々に確実に届く援助、あるいは地球社会を強化する援助、あるいは人々の能力強化を重視する援助、更には脅威にさらされている人々への裨益を重視する援助、また文化の多様性を尊重する援助、そして様々な専門知識を活用した分野横断的な援助ということを列挙しております。具体的取り組みについては、各重点課題に関する記述の中に盛り込んでおりますので、この項では取り上げておりません。
 また人間の安全保障をより具体的に理解できるように二つの事例を掲載しております。セネガルの事例を3ページの冒頭に書いておりますが、我が国が供与した給水施設の管理のために住民の組織化を支援することによって、住民が自らの力で養鶏事業や衛生教育などを行うようになったということを記述しております。カンボジアの例は、港の改修という円借款のインフラ案件ですが、そうした場合にも人間の安全保障の視点が重要であるということを示しております。
 続きまして「3.重点課題について」ですが、まず全般的なご説明をいたします。柱書きでは重点課題に取り組むにあたって、ODA大綱の六つの基本方針を踏まえることを再確認しております。特にジェンダーについては、7カ所で言及し重視しております。またNGOとの連携についても、関連の箇所、10カ所で言及しております。
 重点課題に関する記述では、考え方、アプローチ、具体的取り組みを説明することになっておりましたが、これは紙面の制約上、アプローチと具体的取り組みは併せて取り上げることとして、我が国独自のアプローチを示すことを重視し具体的取り組みの全てを列挙することは避けております。他方、具体的取り組みに明示されていないからといって、これを実施しないというわけではありません。
 それでは重点課題のそれぞれについてのポイントですが、貧困削減につきましては、ミレニアム開発目標の達成に向け、我が国として積極的に貢献することを明記した上で、分野横断的な支援、貧困層を対象とした直接的な支援、成長を通じた貧困削減のための支援、制度・政策に関する支援を行うことなどを明記し、貧困削減に向けたわが国の包括的な取り組みを示しております。
 これを順番にどこまで意味づけをするかということはありますが、いずれにしても来年はアフリカの年でもありますし、貧困削減という課題に正面から取り組むということを、3の(1)に持ってきたという意味はあると思います。
 続きまして持続的な成長ですが、これは東アジアの開発経験を踏まえて、途上国の持続的成長にとって民間セクターの活動が鍵になるということを想起しながら、インフラの整備、政策立案、制度整備、人造り支援を行うことを記述しております。
 また経済連携を強化し、その効果を一層引き出すために貿易投資環境や経済基盤の整備を支援するためのODAを戦略的に活用していく旨を記述しました。これはアフリカも当然関係しますが、さらにアジアにおいて、例えばインドやパキスタン、あるいは中央アジアといったところ、いろいろな意味で民間セクターの活動が鍵になるということも念頭に置いて、こういう記述になっています。
 それから3番目の地球的規模の問題への対応については、7ページの後段からです。先程申しましたように、大綱では環境問題、感染症、人口、食糧、エネルギー、災害、テロ、麻薬、国際組織犯罪等、非常に多岐にわたって、引き続き積極的に貢献するとした上で、先般の論点整理の結果も受けて、特に貧困削減と持続的成長の達成に密接かつ包括的に関係する環境問題を集中的に取り上げております。環境と開発の両立を図り、持続可能な開発を進めるため、地球温暖化対策、環境汚染対策、自然環境保全に重点化した援助を実施するとしております。
 そしてこの重点課題の最後ですが、平和の構築については平和と安定が開発の前提条件であるという認識があります。この中で例えばODAによる雇用創出事業や病院、学校の復旧事業を通じ、人々が生計を立て、保健・教育サービスを受けられるようになる。その結果、人々は平和の配当を実感し、社会の平和と安定につながるという言い方で、わかりやすく説明をし、平和と安定は開発の前提条件であるとの認識を示した上で、段階に応じた支援、一貫性のある支援、迅速かつ効果的な援助や社会的弱者への配慮を行うことを記述しております。
 この項につきましては、むしろ実態が先行しており、これまで東ティモール、アフガン、あるいはイラク、それぞれの国において平和構築という取り組みを日本政府として、あるいは国を挙げてやってきているわけですが、その中からこれまでのやり方を整理し、そこから還元されてくるものを整理し、そして課題を明らかにしたということです。
 最後に効率的・効果的援助の実施に向けた方策、これはまさに援助の現場における改革の取り組みの中身だと位置付けてよろしいかと思います。効率的・効果的援助の実施に向けた方策としては政策立案、実施体制の強化、一貫性のある援助の実施等が急務かつ重要であり、体制の整備強化、特に現地機能の強化が必須であるとして、そのための具体的な取り組みを示しました。
 これは既に在外公館、JICA、JBIC事務所を取り込むかたちでのODA現地タスクフォースが活動しておりまして、それを政府の政策文書の中で、初めて明確に位置づけるという意味もありますが、このタスクフォースが援助政策の立案・検討、援助候補案件の形成や選定などにおいて、今まで以上に積極的な提言を行い、東京サイドはそれを尊重するということを明記しております。この心はまさに大綱における現地の主導的な役割ということを受けて、具体的な現地機能強化の方向性、中身を明らかにしたものです。そしてまた体制整備の一環として、適切な人員配置と人材育成といったことを盛り込んでおります。
 以上が、現在の案のポイントです。本日ご議論いただき、その結果を踏まえて、改定をしまして、それを次回の戦略会議にお諮りすることとしたいと思っております。
 さらにそれを経て、パブリックコメントに付すということになります。また本日お配りした案は、この戦略会議終了後、外務省ホームページに掲載をいたしまして、パブリックコメントの対象となる案文そのままではありませんが、その原型となるものをパブリックコメントの前にもご覧いただくことを可能にいたします。
 論点整理の結果を可能な限り尊重しつつ、また関係省庁の関心事項も盛り込みながら、真にオペレーショナルな指針としての中期政策にするべく最大限の努力を行ってきたつもりですが、こうした点を念頭に置いていただいて、本日ご議論をいただき、また今後の作業につなげていきたいと思っております。
(渡辺議長代理) どうもありがとうございました。事前に紙が配られておりますので、お読みいただいていたはずです。実にコンパクトな説明をいただきました。ご発言のある方はどうぞ挙手ください。
(青山委員) 大変コンパクトに、きちんとご説明いただき、ありがとうございます。5点ほど意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず1点目は言葉の使い方についてです。例えば2ページの真ん中あたり、「(ロ)地域社会を強化する援助」のところに、「欠乏や恐怖から」とあります。これは、英語のdeprivation といった言葉を翻訳したのではないかと思いますが、前に説明があるとはいえ、欠乏、恐怖という言葉は日本語として捉えにくいのではないかと思います。直訳ではない、何か適切な言葉にするべきではないかと思いました。
 その他、4ページの「i基礎社会サービスの提供」の段落の後ろの部分、それから6ページの2段落目の「(b) 国際貿易の恩恵・・・」のところなど、少し文章を整理した方がよいと思いました。
2点目は、社会セクターに関する記述の仕方についてです。例えば貧困層を対象とした直接的支援や緊急人道支援のところに社会セクターに関する記述がありますが、その書き方からは、上から下に与えてやるだけというような印象を受けました。4ページの「(i)基礎社会サービスの提供」のところと、それから9ページの緊急人道支援のところで、社会セクターに関して、インフラをつくるとかサービスを提供するとか、何か弱者に与えるという感じの書き方がしてあると思います。しかし、社会セクターにおいても、人づくりが非常に重要であり、緊急人道支援から復興開発へと切れ目ない援助をするにも、早い時期からのいろいろな人材養成が必要になってくると思います。したがって社会セクターの記述に関しても、ただ何か与えるというだけでなく、貧困者自身も潜在能力があるわけですから、その中から人材養成をしていく、エンパワーメントをしていくという視点を、もう少しわかりやすく盛り込んだらいかがかと思います。
 3点目は、現地主導についてです。現地主導とするのは大変よいことで基本的に賛成です。ただ、一般に現地の方は3-4年くらいで交代することが多いのではないかと思います。そうしますと、現地主導でいろいろな援助事業を作った場合、長期的な責任体制はどうなるのか、アカウンタビリティーはどこにあるのか、そこのところがはっきりしなくなる可能性があります。やはり現地にいらっしゃる方は目の前のことに大変一生懸命なので、長期的なインパクトを考えるということが弱くなるのではないかという懸念があります。そういった責任体制についても書いていただけるとありがたいと思います。
 4点目は、2ページのところの「(ホ)文化の多様性」です。これも基本的には賛成です。ただ、この文化の名の下に基本的な人権が侵害されたこともあった点に留意しなければなりません。例えばタリバンなどが女性の人権侵害をしたことに対して自分達の文化としていたわけですから、そういった文化の名の下での人権侵害がないよう、配慮が必要なのではないかと思います。
 最後は、4ページ2段落目のHIV/エイズに関する記述についてです。ここには人身売買や麻薬の問題なども含め随分詳しく書き込まれています。しかし、これらすべてを日本のODAでできるとは考えにくいので、ここまで詳しく書く必要はないのではないかと思います。
(渡辺議長代理) どうもありがとうございました。砂川さん、どうぞ。
(砂川委員) 中期政策は大綱の次にあって、より具体的な方向を占めすものだと理解して、兒玉さんからご説明があった方針の理解とアプローチ、具体化というのは非常にいいアプローチだと思います。そこで2点コメントしたいと思います。
 1点はいわゆる民間との関係です。途上国では、いわゆる民営化が非常に大きなかたちで動いております。ここでも民営化という言葉、あるいは市場経済化を育成するという言葉、あるいはPPPをいう言葉も具体的に使われております。更には、民間の参画へ、あるいは民間の主導ということで、政府としていろいろな形で対応するとされているのですが、政府はODAにおいて途上国の民営化の動きに対してどう対応するのかという基本的な方針、姿勢が見えない。
 例えば、ODAで民営化が決まっているプロジェクトに対してODAの供与はしないというのが、今のところ決まった原則であると思いますが、この原則との整合性をどのように理解すればいいのか。具体的なプロジェクトとして民営化が決まっているなら原則通りに円借なり、無償なりは出せないのか。そうではなくてODAも出して民間と一体化してやっていくのかというところが見えない。
(渡辺議長代理) これに関する砂川さんご自身のご意見はいかがですか。
(砂川委員) 私は民間の資金やノウハウ等とODAをなるべく連携させておこなっていくべきだろうと思います。例えば水道などで民営化されると言ったとき、それに対するODA支援をどうしていくのかという具体的な対応を考えていくべきだろうと思います。
 ODAと民間との協力を具体的にやっていく必要がある。殆どの欧米諸国でのODAの現在の動きは民間と一体化しています。日本はこの点において、やや立ち遅れています。
 それから2点目は、ODAの効果・効率を向上するための方策に関することです。この点について2つ申し上げます。
 1つは援助形態間の連携です。援助の形態は大きく分けて、贈与(グラント)、無償、円借款、技術協力がありますが、技術協力と円借、技術協力と贈与というのは、それぞれの形態の性質上、連携がやりやすいし、実際にやられております。ところが円借と無償の連携、即ち1つのプロジェクトにグラントと円借が同時に供与されるというのはなかな実現していないというのが実態だろうと思います。これはそれぞれの形態が別個のものとして認識され、適用されてきたからだと思います。この制度上の制約を改めて連携を進めてはどうかということです。円借の許容基準というものを弾力的に考えていく必要もあるだろうし、グラントも、今は殆どのグラントがキャッシュグラントではなくて、現物の供与ということになっていますが、キャッシュグラントということも当然考えていく必要があるのではないでしょうか。そういう円借款及びグラントの形態の制度上の見直し、そういった改革と共にその間の連携というものをもっと考えていく必要があると思います。
 途上国のインフラ・プロジェクトなどで民間金融機関が推進しているプロジェクトファイナンスの世界には、ODAは入らないという認識がありますが、プロジェクトファイナンスとODAを連携・連動させていくことは、今後は当然ありうる、むしろあるべき姿ではないかと思います。
 それから効果・効率向上のための2つ目ですが、現地主導で開発ニーズを把握しようということには大賛成ですが、その開発ニーズを具体的に効率的なプロジェクトに形成するところがものすごく重要になってきます。
 開発ニーズを具体的なプロジェクトに仕立てるときに、もっと民間を活用すべきと思います。民の知恵無しでは、なかなかいいプロジェクト、持続性のあるプロジェクトはできなということが言えると思います。通常、ODAでインフラの施設をつくる場合、施設が完工したところで終了するというのが、日本のODAの1つの形態だろうと思いますが、運営まで考えると、プロジェクト形成の段階から民間の参画は必須になってくると思います。こういった意味から、開発ニーズをいかに具体化して形成するかという点についても、もっと具体化した記述が必要ではないかと思います。
 最後に、先程セネガルとカンボジアの例を挙げられましたが、これは何のために、どういう経緯で挙げられたのか、非常に唐突が感じがいたします。そこで、こういう努力をした結果、非常にうまくいったから、この事例を挙げました、という言い方をする必要があるのではないかと思います。例えば、ドナー間でこういう連携をして、いいプロジェクトを見つけたとか、具体化の過程で、こういう工夫をした結果、このプロジェクトは非常に成功したという形で、プロジェクトが紹介される必要があるのではないかと思います。
(渡辺議長代理) 砂川さん、どうもありがとうございました。
(町村外務大臣) 大変恐縮ですが他の日程があり、ここで失礼させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
(渡辺議長代理) 意見をひとわたり伺ってみたいのですが、牟田さん、どうぞ。
(牟田委員) 「4.効率的・効果的な援助の実施に向けた方策について」は、効率的・効果的に援助を行うために、どういう取り組みをすればいいかということが書かれていると思います。ここに書いてあることについて、特に批判をするつもりはありませんし、大変結構なことだと思いますが、やはり取り組みとか、心構えと同時に、どうやったら効率的・効果的な援助が保証できるかということも大事なのではないかと思うわけです。そして効率的・効果的な援助を保証する仕組みというのは評価の制度だろうと思います。よく読みますと、評価のことが少しずつ散りばめてあると見受けられますが、もう少し評価の仕組みをきちんとすることによって、この効率的・効果的な援助というものを保証していく、そういった立場の文言がもう少し入ると良いなということです。
 先程砂川さんから、どうやって案件を形成するかというようなお話がありました。例えば評価というと、援助したことを評価するだけと思われがちですが、今の援助の考え方として、事前・中間・事後の一貫した評価ということが大事だと言われているわけです。
 つまり案件を形成するときに、事後にそれを評価するのと同じような目で見て、事前に評価をするということが大事です。今では大きな案件については、事前評価表をつくって、この案件を実施することによってどのような効果が期待できるのか、その効果はどういったような指標で量るのか、そういうことを予め、例えばホームページ等で公表する。そして実際に案件をやってみて、何年か経って、そこで予め設定された指標に基づいて、目標が達成されたかどうかを量ります。そういう仕組みをすべての案件について作っていくことが大事です。
 どんなにこれはいいだろうと見込んでも、うまくいかないものも当然あるわけです。だいたい評価をやって、うまくいかなかった案件というのは、そもそものつくりが悪かったということだと思います。ですから案件をつくるときに、それを上手につくっていくということがやはり一番大事だと思います。それにはやはり事前評価といったような手順とかを公表して実施するといった仕組み等がないとできないかと思います。
 ですから例えば案件の形成・選定のところでもよろしいのですが、事前に評価をすることの重要性とか、あるいはそれを徹底させるというようなことについて、もう少し書いていただければ、効率的・効果的な援助を保証するというようなことに少し近づくのかなと考えます。
(渡辺議長代理) 今、牟田さんのおっしゃったところは、12ページの(ハ)ならびに(ヘ)ですか。
(牟田委員) たとえば(ハ)の(a)、(b)とありますが、この下に事前評価の徹底というようなことで1項目入れば、案件形成に関してはいいかなという感じがします。
(渡辺議長代理) ここには事前とか、中間とか、事後という言葉は入っていなかったでしょうか。
(牟田委員) どこにも入っていません。
(渡辺議長代理) 貴重なご意見をありがとうございました。それでは関山さん、伊藤さん、磯田さんとまいります。
(関山委員) 全般的によく書かれていると思いますが、二つばかりコメントさせてください。11ページの「4.効率的・効果的な援助の実施に向けた方策について」のところで、(1)の援助政策の立案および実施体制の強化の考え方に書いてあることは基本的には問題ありません。ただ例えば開発のニーズ、現地の実態の把握ということであれば、その前にPPPが書いてありましたが、PPPの構築重視という考え方からも、現地の日本人会とか、商工会議所などを通して、民間企業との意見交換をもっと活発に行ってもいいのかと思います。
 また現地の実施体制強化のためには、例えば経団連などを通して人材登用などを民間企業に求めてもいいかと思います。即ちオールジャパンによる支援体制の構築ということが必要ではないかと思いますので、反映していただければと思います。
 それから6ページ目、「(イ)持続的成長の考え方」の(d)は、非常によく書かれていますが、特に東アジア地域をはじめ各国云々ということが出てきて、アジアでも経済格差が非常に大きい。即ち是正が必要だと思いますので、東アジア、特にASEANとの経済連携を強化するために、例えばミャンマー、カンボジア、ラオスといった後発のASEAN国とマレーシアなどとの経済格差を是正することも必要だと思います。従って経済格差是正のためのODAの活用ということも盛り込んでいただきたいと思います。
(渡辺議長代理) ありがとうございました。伊藤さん、お願いします。
(伊藤委員) このODA中期政策(外務省案)は個人的には非常によく書かれていると思います。基本的に支持するものですが、2点について提案そして内容を確認したいと思います。
 1点は、内容はよく書かれているのですが、実施には、どういう形で実施されるのかという点が非常に気になります。例えば貧困削減のために、人間の安全保障・草の根無償資金制度が最近導入されましたが、今年、東南アジアを回っていまして、その資金を受けるNGO、その他の団体の人たちから聞くところによると、使いづらいということでした。まだ基本的にハードが中心になっているということを耳にするわけです。こういった制度が本当に現地のNGOとパートナーシップを結ぶ形で実施されようとするならば、相手国のNGO等のニーズに応え、真に使いやすくする必要があるのではないでしょうか。
 そうしたパートナーシップを保障する文言を中期政策案に探したのですが見当たりません。2ページの「(2)「人間の安全保障」の実現に向けた援助のアプローチ」のところの「(イ)、人々を中心に据え、人々に確実に届く援助」、その1行目に「支援の対象となっている地域の住民のニーズを的確に把握し、ODAの案件形成、案件実施、モニタリング」云々とあります。また次の(ハ)のところに、「人々の能力強化を重視する援助、人々を援助の対象とするのみならず、自らの社会の開発の担い手と捉える」とあります。それから三つ目、4ページ目のちょうど中段、「(b)貧困層を対象とした直接的な支援」というところで、「貧困削減を図る上で貧困層に焦点をあてた直接的な支援は重要な意義がある。」そこから3行目に、「特に草の根レベルで多様なニーズに応じた対応が可能なNGO等と協働していく」とあります。
 このような考え方には何の異論もなく全面的に支持しますが、先程ご紹介しましたように、実際には、現地NGO等の間では、日本の資金は使いづらいという声がよく聞かれます。そうした状況を改善し、真のパートナーとしての関係を築くためにも、現地NGO等のニーズに即した支援ができるよう、そうした考えを政策の中に盛り込めないでしょうか。 例えば2ページ目の「(イ)人々を中心に据え、人々に確実に届く援助」の2行目、「評価に至る過程でできる限り住民を含む関係者との対話を行うことにあり」とありますが、対話だけではなく、「対話を行い、柔軟な対応、実施体制を確立する」とか、そういった表現を盛り込んだらどうでしょうか。そうした政策の導入により、現地NGO等が、必要な人件費等の支援を受けて活動できるようにならないかと考えています。
 二つ目のコメントですが、貧困削減のために経済成長を推進するという政策で、それについては私も異論はありません。ただ5ページ目の「(c)成長を通じた貧困削減のための支援」の「(i)雇用創出」のところで、「特に労働集約的な中小零細企業を支援する。また企業活動の基盤となる経済インフラ整備、零細企業の参入、国内外からの投資を拡大するための制度」云々とありますが、ここでの経済インフラとはどのレベルの企業を念頭に置いているのかを確認したいと思います。
 即ち、「貧困削減のために中小零細企業を育成するための経済インフラ」なのか、あるいはこれまでのように、大企業、外資系企業を念頭に置いたインフラづくりなのか、その点を確認したいと思います。
(渡辺議長代理) どうもありがとうございました。磯田さん。
(磯田委員) 6点ありますので簡潔に言います。
 一つ目は3ページの人間の安全保障の具体的取り組みの例ですが、中期政策の政策文書の中にこれが入るというのは、ちょっと違和感があります。例えば広報用の資料の後ろに付けるとかにして、本体からは削除したほうがよろしいと思います。
 2点目は、外務省のご苦労の跡はわかるのですが、前回の戦略会議で出た論点整理の紙と比べますと、論点が少し変わったというか、若干失望した部分もありました。特にそれは貧困削減の部分にあるのですが、同じく3ページ「(イ)貧困削減の考え方」のところの(b)です。文章としては、経済面、社会面の両方を包括的にとらえる必要がある。両方の面から貧困削減の達成を目指す必要があるということで書かれているのですが、MDGs(ミレニアム開発目標)が提示された背景、そのエッセンスの部分というのは、要するに経済指標では貧困層の民生の向上にはならないという反省から出ているわけで、人間の安全保障にしろ、中期政策そのものがMDGsを重視し、しかも重点課題の最初の(a)のところにはそれが書いてある。そういう意味ではこの(b)の文章が、MDGsのコンセプトをないがしろにする書きぶりなので、この書き方を変えていただきたいと思います。
 どのように変えたらいいのかはわかりませんが、3行目、MDGsの多くは教育、保健といった社会セクターに関する目標であるがという表現は、どちらかというと、これを否定している。これは日本語のニュアンスなのかもしれませんが、MDGsはむしろそこが重要だと言っているわけで、この貧困削減という重点課題の中では経済的な向上というのは手段であります。その位置付けがこの書きぶりでは倒置のようになっているのが不満な部分です。
 そのことが同じように、貧困削減の項目の中の5ページ目の「(c)成長を通じた貧困削減のための支援」ということで、こういうことが書かれることに反対しているわけではないのですが、むしろ前回の論点整理で明確に書かれていた経済成長が貧困層にきちんと届くように、それも同時にではなくて、むしろこちらがメインであるということ、しかも経済発展によって、今まで貧困層は不利益を被ってきた、恩恵を受けず、逆にしわ寄せがいくといった問題に至らないようにすることが必要であると前回の論点整理に書かれていたものの論調が全く変わってしまっている。つまりこれはどちらかというと、経済成長という次の重点課題と同じように思いますので、そこは是非直していただきたいと思います。
 それから同じく5ページ目の(c)の(ii)、これもやはり前回の論点整理の話の中で、都市部の人口集中について、変なかたちで都市につなぐことによって、都市部の開発をすることによって、あるいは基幹産業を育成することによって、しかもそこにインフラを整備することによって、逆に都市貧困層の増大を招きかねない懸念があるということが指摘されているわけですから、この(ii)の書き方も配慮が必要ではないかと思いました。
 それから3点目は持続的成長の項目の6ページ目のところ、考え方の(d)です。前回の戦略会議で出た持続的成長の考え方の重要なポイントとして、途上国の発展段階に応じた取り組みが重要であるということが書かれてあったかと思います。そういう意味で、そういったことがこの項目の中にはあまりなくて、それはむしろ貧困削減のほうに入ってしまっている。つまりODAを使った経済成長を行うターゲットの国と、もう既にそこから卒業した国の選別がそこには全然無いかたちで書かれているということに懸念があります。それはどういう国に対してのODAなのか、そこがやはり選別されるべきだと思っています。そのことの指摘がちょっと足りないのではないかと思いました。
 それから4点目、同じことを何回も言いますが、前回の戦略会議で出た論点整理のペーパーの中に、同じ経済成長でも、特に貧困国の経済成長においては基幹産業だけではなくて、裾野産業や中小企業、あるいは地場産業、地方の産業、こういったものの振興というものが重要ではないか。あるいは農業を核にした国が多いので、その部分の振興も重要ではないかという話があって、それが具体的な取り組みの柱の中にあったかと思いますが、それが今回は書き方としては7ページ目の上から2段目の段落の中に、「また、地場産業や裾野産業の振興を支援する」と書いてあっても、項目としては(b)の政策立案、制度整備という中に入ってしまっているので、それは不十分と思いました。
 それから5点目は10ページ、平和の構築の中に入っていますが、10ページのところの具体的取り組みの(c)「迅速かつ効果的な支援」という中にNGOとの連携ということが書かれてあって、それは歓迎するのですが、(c)の1段落目の最後に、「特に、国民参加のODAや顔の見える援助を推進する観点から、わが国NGOとの一層の連携を図る」という書き方は、NGOとしてはちょっと認めることはできません。
 つまり日本のNGOといっても、インターナショナルスタッフもいるわけです。NGOとしては国を背負っていないという部分があるわけで、特に顔の見える援助を推進する観点からNGOとの連携を図るということは、ちょっといかがなものかということです。
 それから最後の6点目ですが、「効率的・効果的な援助の実施に向けた方策について」という11ページ目、12ページ目のところです。現地タスクなり、一番現場に近いところに任せるということについては賛成の部分もありますし、先生方からもご意見がいろいろ出ている。もちろんそれには人材の強化が必要だと思いますが、そのときにここに書かれているのは、タスクが意見を聴取する相手は、ほとんどが日本の関係者か援助機関だけです。
 最初の中期政策の方針、あるいは人間の安全保障の中には、できるだけ現地の住民のニーズを把握すると書いてあるわけですが、そのことが現地タスクの役割の中で全く言及されていないということで、この住民の参加とか、住民からのニーズの把握、あるいは場合によっては異議申立制度のようなものも、もし現地にある程度の役割を期待するのであれば、特に現地のニーズをきちんと把握するうえでの役割を期待するのであれば、そういった部分を是非書き込んでいただきたいということです。
(渡辺議長代理) ありがとうございました。それでは千野さん、草野さん、米山さんとまいります。
(千野委員) どうもありがとうございます。私はこの順序も中身も基本的に非常によろしいのではないかなと思いました。問題点もはっきりしていますし、基本的には賛成ですが、その上で敢えて申し上げます。
 この「1.中期政策の位置づけ」というところの主として書きぶりですが、中期政策が発表されれば、これがどのように受け止められるかということが極めて重要なことだと思います。その場合に、日本のODAは以前よりずっと顔がはっきりしてきましたし、何を目指すかということも明らかになりつつあると思います。ここの(1)、(2)、(3)の書きぶりの中で、(2)はわが国の地位にふさわしい役割を果たす考えであるという積極的な意見表明になっています。
 ちょっと変えていただいたほうがいいかなと思うのは、(2)の2段落目の前の「新ODA中期政策では」という部分です。前段ではそのように、日本はこういうことを果たすというような積極的な表明があって、以上を踏まえて、新ODA中期政策はこういうことを特に掲げてやるのだということだと思います。ですからここは受け身的に書かないほうがいいのではないかという印象です。
 これから中期政策でやっていくことに必要であるから、これを掲げるのだという、ちょっとした意識の転換でもう少しアピール性の高いものになるのではないかという印象を持ちました。
 そしてこの基本方針を人間の安全保障の視点、それから重点課題をこのように掲げるというのはもっともなことで、よろしいと思います。
 それからちょっと細かいことですが、「(4)平和の構築」というところの8ページ、まず(a)で「冷戦後の国際社会では」という書き方をしています。だいたい、こういう文章では、冷戦後の国際社会では、と始まります。しかしもう冷戦後というのはやめてもよろしいのではないか。つまり冷戦後の後になってきているという状況があるのではないでしょうか。イラクとか、アフガニスタンの状況というのは、やはり冷戦後の後の状況になりつつあるという感じがいたします。
 また磯田さんが仰いましたセネガルの例が果たして適当かどうかということは、私もわからないのですが、具体例を入れることは必ずしも悪くはない。そのように思います。
(渡辺議長代理) ありがとうございました。米山さん、小島さんといきますか。それから浅沼先生。
(米山委員) 全体としては非常にうまくできていると思います。先程もあったように、貧困削減ということは結構ですが、インフラ整備がやはり大事だと思います。セネガルとか、カンボジアとか、ああいう一つの事例をもって、それは貧困削減の事例かもしれないけれども、それが全体のODAの施策だという印象を与えることには反対です。これが1点です。
 それから二つ目は、国別の格差があるわけですから、やはり国力のアップ、要するに国の経済力、インフラ整備をやらなければ、いくらモグラ叩きをしても、貧困はなくなりません。確かにセネガルでの例は、マスコミからはプラスの評価を受けるでしょうが、本当にそれが長期的な観点からの貧困対策になったのかというと、違うと思います。古典的なものかもしれませんが、やはりインフラ整備をしていくということを前面に打ち出すべきだと思います。
 新鮮味がないからマスコミ受けはしませんが、やはり本当の意味で貧困対策をするのであれば、そういうところから手を着けなければ無理です。
 それから3点目、効率化と迅速化と書いてありますが、これをもっと大々的に言ってほしい。やはり受け入れる側が本当に評価しない限り意味がありません。だからこちら側の覚悟も含めて、先方のニーズ等、オペレーションレベルのものも非常に大事だと思いますので、それをはっきりと明示していただきたい。
(渡辺議長代理) 10ページの(c)ですか。
(米山委員) そうです。それから最後にちょっと言わせていただきますと、さっきのインフラ整備ということで、6ページに「持続的成長」と書いてあって、7ページに「経済連携のための支援」と書いてあります。本当にインフラ整備をするのであれば、マスコミ受けしないかもしれないけども、これがなかったら本物ではないと思います。あまり奇をてらう必要はないと思います。
(渡辺議長代理) 米山さん、ありがとうございました。草野さん。
(草野委員) 外務省の方々のご苦労ぶりが偲ばれます。また今の議論を聞いていて、これから大変だなと思います。基本的に米山さんの考え方というのは、私は個人的には同感するところがありますが、今日はちょっと違う意見を言ってみたいと思います。
 それは私がこの論点整理のお手伝いをしたということもありますが、このプロセス、歴史を辿ってみますと、そもそも重点課題には確か成長を通じた貧困削減と、平和の構築と、人間の安全保障があったと思います。それが論点整理の最後の段階で各方面から注文がついて、「貧困削減」、「持続的成長」、「地球的規模の問題への取り組み」、「平和の構築」の四つになった。
 今日拝見すると、確かに前回ここで最終的に報告した論点整理の骨子は残っているのですが、全体としては米山さんのご指摘にもかかわらず、やはり民間のODAの分野における協力の側面について、かなりドライブがかかった書き方になっているのではないかと思います。個人的にはまったく異論はないのですが、今までのプロセスからすると、そのようなコメントができるという感じがします。
 さはさりながら、今日は矛盾したことを申し上げたいのですが、どなたかのご指摘で、最初の青山さんでしたか、全体として弱者に対して上から何かものを言っている感じがするというご指摘がありました。そこに関しては工夫をされて書かれていると思っています。 実は細かな話になりますが、こんなところで弱者の政治参加というのは繰り返しいわれていると思います。そもそもこれは具体的に申し上げる必要もないとは思いますが、貧困削減の考え方のところで、例えば4ページの貧困層を対象とした直接的な支援、ここは伊藤さんが確か引用されておっしゃっていましたが、自らの生活に影響を与える援助政策の策定やプロジェクトの計画や実施段階において貧困層が参加できるようにすることが必要であるとか、考え方のところでもそれをきちんと述べているので、それほどご指摘のような感じはしないと思いました。
 それから最後になりますが、私は個人的にこの現場を見ているということもあって、非常に思い出深いカンボジアのシアヌークビルのHIVの話については問題提起をしましたが、この書きぶりだと非常に中途半端ですじゃないか。ですから磯田さんのご指摘のように、セネガルも含めて外したほうがいいという話になる。両方に言えるのは、言葉は適当じゃないですが、これではちょっと舌足らずかなという感じがあります。もしきちんと書くのであれば、アペンディクスみたいなかたちでもう少し詳しく書いたほうがいい。
 特にカンボジアのケースにおいては、なぜ円借款とHIV対策なのかというのがうまく繋がらない。スキームが書かれていない。セネガルに関しては、技術協力、無償資金協力ということで、資金の担い手が出てくるのですが、カンボジアに関しては資金がどのようになっているのか、実は私が見たときも、こういう対策をやるとしたら、一体どこからファイナンスするのかという話になりました。それが具体的にどのようになったのかということも、どうせ書くのであれば書いていただきたい。
(渡辺議長代理) それでは小島さん。
(小島委員) 簡単に申し上げます。これまでの委員の先生方のご意見を入れると、中期政策が倍ぐらいに増えそうな感じがしてならないのですが、これを読ませていただいて、やはり最初の印象は非常に長いということです。確かに今日のご意見は尊重しなければいけないでしょうが、できるだけコンパクトにしていただきたいと思います。
 それではどうしたらコンパクトにできるのかというと、具体的な事例の重複があるという感じがしてなりません。磯田さん、草野先生から出ていた具体的な取り組み事例について、ある程度コンパクトにやるということであれば、もう省いてしまってもいいかと思います。それはアペンディクスというかたちがあるでしょうし、HIV、エイズ対策というところはかなり詳しく書かれているわけですが、これももう少しコンパクトにすることができるのではないでしょうか。
 援助の仕方についても、例えば5ページ目、「(ii)均衡のとれた発展」のところで、生産技術の普及および研究開発というのがありますが、これこそアペンディクスを付けないといけないのではないかというようなものもありますので、そういったところを少しずつ省略していくと、随分コンパクトになっていくのではないかというのが第1点です。
 それから第2点目ですが、持続的成長の考え方というところについて、この持続的成長と貧困削減、これは連関性が必要ではなかろうかと思います。今回の中期政策の一つの目玉はヒューマン・セキュリティーの視点と貧困削減で、こういったところに絞っています。確かにODA大綱の中で重点課題としてその他の点も取り上げられていますが、中期政策においては一つの重要な課題として貧困削減に絞っておりますので、その文脈の中で後の持続的成長も整理されて書かれるべきではないかと思っています。
 それから、その中で南南協力というのが冒頭のところでも出てきていますが、南南協力あるいは第三国支援が持続的成長というところで敷延されていけば、これで十分なのではないかと思っております。
(渡辺議長代理) ありがとうございました。荒木さん、浅沼さん、お願いします。
(荒木委員) 私もタスクのほうで議論させていただきましたが、事務局のご苦労がよくわかります。時間とともに行数も増えてくるし、言葉も加わってくるので、これは各省との協議でそうなったと想像しています。
 それはそうとして、基本的には今度の中期政策は人間の安全保障という基本方針の中で、貧困削減と平和構築が大きな柱で、議論としては貧困削減をどうやって行っていくのかという話の中で、当然成長を通じた貧困削減というコンセプトがありました。貧困削減の中で、それも含めて全部書き込んでいったらどうかという議論もあって、貧困削減と持続的成長をくっつけてしまったらどうかという話もありましたが、「貧困削減で成長にくっつけて貧困者に対する支援が行き届かない。一部金持ちを助けるだけじゃないのか」という意見もあって、インフラと貧困削減問題もくっつかないという議論があったと思います。
 これは全体の話ですが、ここで問題になったのは、例えば発展段階に応じて考えていけばいいではないかと。一様にその国を見るのではなくて発展段階に応じてどのようなインフラをやればいいか、或いは場合によっては貧困削減も発展段階によってどの程度の貧困削減をやっていくかという基本的なトーンが無くなりつつあります。
 恐らく発展段階に関係なく、ITでも何でもやるときはインフラをやってしまえという発想があったのではないかと想像しています。それが非常に残念でならないということと、この質問の中に地域間経済格差についての是正という問題もありましたが、これも無くなっていると。
 最後に3ページの(1)貧困削減の(イ)貧困削減の考え方の(b)について。ここの「たしかにMDGsは多くが保健局といった社会セクターに関する目標であるが、東アジアにおける開発の経験が示すとおり、持続的な経済成長は貧困削減のために」云々というのは日本の特徴を出そうとしています。
 つまり日本のODAの経験上、東アジアがそれなりに一番成功していますから、そこをもって日本の特徴を出そうとしたわけです。やはりこれは日本の中期政策ですから、日本の顔が見えるとか、こういうものが出てこないと日本の中期政策にならないのではないかと感じております。
(渡辺議長代理) ありがとうございました。それでは最後になりましたが、浅沼さん、お願いします。
(浅沼委員) ごく簡単に3点ばかり言います。この中期政策はたぶん二つの役割を持っています。一つはもともとODAのお金をつくってくれるタックス・ペイヤーに対する説明責任で、もう一つはこれを指針にして国別の援助計画をつくっていくことです。その二つの役割を持っていますが、私は後者のほうから、国別の援助計画をつくっていくときにこれがいい指針だろうかと考えたうえで3点あります。
 一つはジェンダーです。青山さんがジェンダーに言及なさいましたし、冒頭にも5カ所ばかりジェンダーが挙がっているという話ですが、これを政策とかプロジェクトに落としていくのは大変ですね。現実には、たしかにリプロダクティブ・ヘルスとかガールズ・エデュケーション、それからHIVなどの問題、トラフィキングの問題と落とせることは落とせますが、そうではなく、これは考え方の一部だと思います。もともとの人間の安全保障の報告書にジェンダーが取り上げられていたかわかりませんが、むしろジェンダーは最初の「人間の安全保障」のところに入れてしまったらどうだろうというのが第1の意見です。
 第2点は、援助形態間の連携については常に言われていますが、本当にオペレーショナライズされているかというと、ちょっと不安なところがあります。特に全体で強調されている例えば開発戦略造り、開発政策造り、それから制度の構築で途上国と協力するということになると、今まで援助形態間の連携がうまく働いていたとは思えない。
 そういうことで私の具体的なサジェッションとして、ここにJICAとJBICにやっていただきたいようなものを、「たとえばするなどして」と明言して入れてはどうでしょうか。
 一つの考え方としては、今まで連携というとFSはJICAが無償でつくって、それをプロジェクト化してJBICが引き受けるということが主眼でしたが、他の援助機関のように、例えば一つのパワー・プロジェクトのようなものを借款でやるとすれば、その中にパワー・セクター全体の計画造り等何でもいいですし、もしくは経営体の改善でもいいですが、そういうものを組み込んでいく。そのことに途上国が「ローンでやるのは困る」と反対するのであれば、そこに無償を入れていく。
 例えば、一つのパワー・プロジェクトがあれば、必ずそこにその金額の何パーセントかの無償をピギーバックするようなことをやってしまってもいいと思います。そういう例をここで挙げることによって、両機関の今後の連携を刺激してはどうでしょうか。
 第3点です。これは隠しておいてもいいですが、どこかに我々の卒業政策を入れておかなければいけないのではないかと思います。どこに入れたらいいかは、よくわかりませんが、卒業製作を、今後3~5年ぐらいのことを考えて、今の対象国を考えたときに卒業国に対する指針になるようなセンテンスを一つか二つ、どこかに入れておく必要はないでしょうか。
(渡辺議長代理) ありがとうございました。青山さん、簡単にお願いします。
(青山委員) 浅沼先生のご意見の中でジェンダーについて誤解があったようなので、それだけ訂正させていただきたいと思います。ジェンダーに配慮するということは、女性を対象とした特定のプロジェクトをすることだと誤解されているようですが、そういうことではなく、社会活動・経済活動など、あらゆる面で、女性の参画とジェンダーの平等を図ることなのです。たとえば、マイクロファイナンスなら女性も男性と同等に参加できるようにする、あるいは、従来は男性が主体とみなされてきた農業や林業などのプロジェクトにおいても、女性の役割を認識して女性の参画を確保するということです。その点を、訂正させていただきたいと思います。
(浅沼委員) だからこそ「人間の安全保障」に入れる方がいいのではないかということです。
(青山委員) 持続的成長のところも、ジェンダーに配慮することが必要となります。
(渡辺議長代理) ありがとうございました。さすが戦略会議の優れたメンバーらしい優れた見解を表明していただきました。今の段階になってこれだけの豊富なコメントをいただいて、大変ありがたいと同時に弱ったなという感じもしないではありません。タイムスケジュールがあります。これをベースにして、外務省で今日の意見を斟酌しながら修文を行い、さらにそれを他省庁と調整して次回会合でこれをファイナライズするというスケジュールを守らなければなりません。
 私も今日存分に意見を聞かせていただきましたが、議長代理というのはつまらないもので、自分の意見は何も言えません。
 書き振りに関して、少々強者が弱者に何かを言うというスタイルになっていることが気になるというご意見。民間との関係をもっと明示的に書くべきであるというご意見。あるいは評価について事前、中間、事後、非常に重要なポイントが必ずしも入っていないところがあるという意見。さらにはASEAN連携のところで後発ASEANの問題をどうするか。もう少し具体的に書いたらどうかというご意見。
 インフラのことが強調されているけれども、これは中小、零細、貧困者に向けられるような救済型のインフラにもう少し力点を置いた方がいいのではないかというご意見。さらに全体的にイン・ジェネラルに書かれていて、それぞれの国が置かれている発展段階への言及がもう少し欲しいのではないかというご意見。
 あるいは日本の中期政策であるから「日本としてこうする」というもっとポジティブな書き方が必要だというご意見。さらには先ほどの意見とは非常に違って、もっと経済的なインフラを徹底してやるという日本の従来の方針を続けることによって貧困削減が可能だという力強いメッセージが必要だというご意見。あるいは長すぎる。重複を避けて、もっとコンパクトにまとめたらどうかというご意見。持続的成長と貧困削減を結びつけたのは日本の経験によるものであって、この経験に根差して日本の中期政策が出されるべきだからこれでよろしいというご意見。さらには援助形態間のコーディネーションについて、もっと踏み込んだ提言が必要であるということ。あるいは卒業政策について、場所の特定はできないけれども、どこかで言ったらどうかというご意見。
 さっと1~2分でまとめると、今日はこのようなご意見が出ています。さて、これをどう料理するかというのは、ご想像のように大変難しい問題ですが、先程申し上げたタイムスケジュールがありますので、議長代理、事務局に以下はお任せしていただきたい。最後に自分の意見が入っていない、と言われると困りますが、議長代理としては総合戦略会議のメンバーの意見の彩りをできるだけ正確に反映するような努力をやろうと思っています。
 更に意見があることは当然予想できますが、今日のこの場での意見は以上で打ち切らせていただきます。さらに細かい点で言い足りなかったことがあれば、事務局のほうに出していただければ考慮の対象にするのはもちろんのことです。
 今日新しいゲストとして登場していただいている山形さんを待たせていることも気になっておりますので、次の議題に移らなければなりません。
(磯田委員) 内容ではなくてプロセスのことです。これをすぐにでもホームページにアップしてくださるというのは非常にありがたいと思いますが、それはまた意見の書き込みができるようになっているのかどうか。その場合に、それに対する取りまとめというか、最終的にこう対応しましたというものを出してくださるのかどうかということを確認したいと思います。
(渡辺議長代理) どうでしょうか。
(兒玉経協局審議官) 今の段階ではとにかく議事録を掲載するということと、プロセスの関係で透明性をシェアするということで出すのであって、パブリック・コメントとは一応扱いは別だと考えております。今、そこで書き込みを受けつけるということにはならないと思います。
(渡辺議長代理) どうもありがとうございました。山形さんをずいぶん長いことお待たせしましたが、新しいバングラデラシュの国別計画の策定が始まります。今日のお手元の資料にすでに出されておりますが、この資料に従いまして、ご計画をお話しいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
(山形主査) ただいまご紹介にあずかりましたアジア経済研究所の山形です。どうぞよろしくお願いいたします。本日お配りしている資料は2種類ございます。改定作業の方針と骨子案です。この順番で説明させていただきたいと思います。
 私は東京タスクフォースの主査ですが、たまたま先月別件でバングラデシュに行く機会がありまして、既に立ち上がっている現地ODAタスクフォースの皆さんと何回かお話しする機会がございました。その中である程度現地のタスクフォースの皆さんとも意見のすり合わせをして、その後はEメールでのやり取りになりますが、先週第1回の東京タスクフォースの委員会を開いています。浅沼先生にもアドバイザーになっていただいておりまして、その議論を踏まえた改定作業の方針と骨子案です。
 まず1番目の基本認識というところで2点あります。先回、国別援助計画が策定されていますが、その後にいろいろな変化があるということで、PRSPの動きとか、教育・保健についてある程度の進捗を見ております。それから債務削減方式も、前は完全にキャンセルというかたちではなかったと思います。援助で充当するかたちだったと思いますが、それを変更したということです。
 それから社会経済の状況としては、治安の悪化に代表されるようなガバナンスの問題が深刻化していることと、またあとで少し詳しくお話しさせていただきますが、その一方でマクロ経済自体は安定して、なおかつ経済成長率は最貧国の中では比較的高いということです。
 基本認識の第2点ですが、現地ODAタスクフォースが立ち上がって活発に活動しております。中心は政府関係機関の間でということですが、メーリングリストのレベルでは一般の方もどんどん取り込んで連絡を密にしています。その中でセクターごとの分析とか、国別援助計画を策定するに際して東京と現地ODAタスクフォースの連絡も密に取れるようになっているということとか、他のドナー、NGO、これは日本のNGO、現地のNGO、国際NGOと3種類ありますが、その連携も以前よりは取るようになっているということです。
 2番目の意義とねらいです。バングラデシュは現地ODAタスクフォースが非常に活発です。それから一方で、現地ではドナー間のコーディネーションとか現地政府との間の連絡がある程度活発にされています。また、そこに日本もかかわっていけるという状況ですので、国別援助計画を新しく策定するということで、最初に考えたのは、是非この計画を積極的に活用していこうということです。この計画が策定されて、これをただ日本語にしておくだけではなくて、英語にして現地の方々と、政府、市民社会、現地の他のドナーの皆さんと議論する際に見せるものにしたいということです。
 そのためには、全体は完璧に書くと長くなる。そして全部を読んでくださる方はそんなにいらっしゃらないとすれば、インパクトの持たせ方を考えなければならないだろう。だから包括的かつ簡潔なアピールを念頭に置くというのが意義とねらいの第1点です。
 第2点、第3点は先ほどの説明の少々繰り返しになりますが、この国別援助計画に現地ODAタスクフォースの力を十分に活用するということと、バングラデシュの開発にかかわるバングラデシュ政府の動き、他のドナーの動き、それから当然ミレニアム・ディベロップメント・ゴールとの整合性を取るということです。4番目に日本の独自性が出せるのであれば出したいという4点が意義とねらいです。
 作業体制ですが、現地ODAタスクフォースと東京国別援助計画タスクフォースで原案を作成したいと考えております。タスクフォースのメンバーとしては、アドバイザーは浅沼先生をはじめ、シャプラニールそれから恵泉女学園大学教授の大橋先生、アジア経済研究所の村山真弓にお願いしております。事務局は外務省、JICA及びJBICの皆さんにご協力をお願いしています。それに現地ODAタスクフォースの皆さんです。
 次に日程ですが、先週東京タスクフォースを開催したということを申し上げました。そして基本的に可能であれば、来年6月に最終案を提出する方向でつくっていきたいということです。ここまでが改定作業方針案です。
 具体的中身として何を書き込むかというのが骨子案ですが、これにつきましては、正直言ってまだまだ議論の途中で、両タスクフォース、現地、東京タスクフォースの双方でまだいろいろ意見を言い合っているところです。今回このかたちでまとめるにも議論があったので、まずは本当に骨子案のまた案ということでご理解いただきたいと思います。
 最初に「はじめに」というところを設定しましたが、「はじめに」のところで効果的かつ簡潔なアピールをしたいということです。趣旨としては、バングラデシュの現状を我々がどう捉えているのか、その現状に対して日本のみならず様々なアクターが開発にかかわりますが、どういうものがバングラデシュの短中期的な理想なのか、それに日本がどうかかわっていけるのかという段階で考えていきたいわけです。まず「はじめに」のところでは、特にバングラデシュの現状と、短中期的にバングラデシュがどうなってほしいのかをわかりやすいかたちで書きたいということです。
 最初の現状認識ですが、バングラデシュの現状を二面的に理解したいということです。一つは最貧国の中ではある程度安定した高率の成長をしています。経済成長率で言って4~6%の間の成長率をここ10年ぐらい維持しています。この間September11thをはじめ、いろいろなことがありましたが、その中でもある程度安定した成長率を保っています。そういう意味で幾分バングラデシュの方々が自信を深めているところがあるので、それを考慮すべきであろうと思います。
 その一方でこれは本当に当然のことですが、まだまだ問題が山積しています。個々の所得の面での貧困もそうですが、先ほど来指摘されているように、初等教育はある程度改善されたけれども中等教育をはじめとする教育の面もあります。スラム、都市の貧困も多いです。
 それからこれはプロジェクトにどう結びつけるかという話が出てくると思いますが、人権の問題、暴力の問題、最近だとテロリズムの問題もあって、まだまだ最貧国として改善しなければいけない余地があります。その二面があって、バングラデシュはその二面に両方とも応えていく段階にあるという現状認識です。
 ただただ貧しい国、洪水の国、サイクロンの国とだけとらえるのではバングラデシュの方も満足しない。一方成長もまだ確固たるものではないので、それを支持し、雇用成長、貧困削減につなげていかなければいけない。成長と、まだまだ最貧国であるということをどう文章表現するかは固まっていなくて、人間の安全保障という言い方であったり、社会開発という言い方であったり、そこのところはまだ議論の余地がありますが、この両面を見ていく。
 ただこの際に、これは一人日本だけがやってできることではない。特にバングラデシュ政府のコミットメント、ガバナンスの改善が必要だということを強調したい。ただしバングラデシュは、一番有名なトランスペアレンシー・インターナショナルというドイツのNGOのガバナンス指標では今年も最下位です。
 バングラデシュのガバナンスはいつも悪いと言われていて、「それがうまくいかないと援助しない」と他のドナーは幾分嫌気がさしているところがあって、日本もそれに同調するかたちでガバナンスが駄目だから出さないというのではバングラデシュ政府あるいは国民の理解もなかなか得られないだろう。日本も一緒になってガバナンスを改善する、成長の面でも、人間の安全保障、社会開発の面でも一緒になって改善するのだという姿勢を出すことが必要ではないかという現状認識であり、日本の援助の姿勢は、こういったかたちで出せないかというのが「はじめに」のところです。
 「1.」もタイトルをどうつけるか、まだはっきりしていないところがありますが、理念、目的、またバングラデシュ、日本という書き方になっています。日本にとってバングラデシュはどう位置づけられるのか。日本は他の国と比べてバングラデシュにどういう協力をするかということを考える際には、この面が重要になってくるだろう。それについての現状認識についても書いておきたいということで、日本と友好関係にあるアジア最大の最貧国であることとか、穏健なイスラム国であり潜在的な貿易投資先であるということも書いておく。
 「2.バングラデシュの開発をめぐる状況」は、社会経済の現状、援助の現状プラスこれまでの経緯となります。この部分では現状もそうですが、今までの開発への取り組み、日本についてこれまでの経緯、評価を踏まえて書きたいということです。
 「3.援助方針」は、具体的なものを積み上げるかたちで形成しなければいけないところです。基本方針としては自助努力支援と開発パートナーシップ推進です。次の重点目標のセクターは、幾つかのセクターの項目が例示されていると思います。ここのところはまだ検討中です。重点目標のイメージとしては、これも用語が確定しておりませんが、成長と人間安全保障又は社会開発、それからガバナンスという「はじめに」のところで強調する点が自ずと重点目標になっていくのではないかということですが、これについてもまだ少し練りたいということです。
 最後に配慮すべき事項としまして、目標、セクター別の政策立案実施体制を取ることとか、モニタリング評価体制についても配慮したいということです。現状では以上のところです。どうぞよろしくお願いいたします。
(渡辺議長代理) ありがとうございました。来年の6月完成ということで、それまで大変お忙しい仕事をお願いすることになって恐縮に存じますが、よろしくお願いいたします。今日は第1回目の骨子案の説明がありましたが、今の段階でコメントがあればどうぞお願いします。
(草野委員) 私はバングラデシュに過去十数年間の間に3度ほど行って、一番直近では2年前でしょうか。地方も含めて確実に発展して、ダッカで花屋さんを見つけて非常に印象的でしたが、部分的ですけど確実に所得が上がっているということを確認しました。
 さはさりながら、今日のご説明の中にもありましたが、2点ぜひ念頭に置いていただければと思います。やはり最貧国でアジアということで、援助のショーウィンドウ化していて各国の援助がたくさん入っている結果、先程のドイツのどこかの団体の指標ではありませんが、援助慣れをしているのではないかという感じが非常にします。
 これは各国共通して自助努力ということを促していますが、そこを一歩踏み込んで、先ほどの援助ショーウィンドウ化ということで、バングラデシュの特殊性を踏まえていただきたいということです。
 2点目のほうは、これも繰り返し山形さんがおっしゃいましたが、各国ドナーとの協調を具体的に援助計画の中にどう担保するかというところをぜひ苦心していただければという注文です。
(渡辺議長代理) 大変もっともなコメントだと思います。砂川さん、どうぞ。
(砂川委員) バングラのことはあまりわかりませんが、最近非常に関心がある点があります。それはマイクロファイナンスでグラミンバンクが大きな成果を上げたということと、プロプア・インフラでPPPのかたちが結構成功している例があるということです。
 具体的には電力とか通信セクターでプロプアのインフラにおける民間参画がバングラという最貧国において意外に進んでいるという点は、どういう与件があったからそうなったのか。これをどのようにしたら、成功例として他国に裨益できるのか。そこに触れていただけると非常に参考になるかと思います。
(渡辺議長代理) 浅沼さん、どうぞ。
(浅沼委員) たぶんバングラと言ったときに、草野さんがおっしゃったように援助のショーウィンドウ化しているものですから、特に最近は最貧国ということで社会的な発展、貧困削減プロジェクトが非常にプレーアップされていますが、バングラの場合に絶対忘れてはいけないと思いますのは、今、バングラの経済成長が相当順調に行っているのは、だいたい三つぐらいの要因だと考えています。一つはイースト・パキスタンの時代から、水をどうするのかと考えてきたことです。これはただ単に災害予防というだけではなくて、農業についてもどうするのかということをずっと考えてきて、その政策がある程度成功しています。具体的にはシャローチューブウェルとポンプの併用ですが、それでグリーン・レボリューションが達成できています。特に乾期の農業生産はこれが一つの原動力になっていますが、もうそろそろ限界に近づいているので、将来どうするかということを考えておかなければいけません。
 それからもう一つは、アメリカの繊維市場がインド人によってどんどんと占められた結果、バングラデシュとして非常にエンターし易くなって繊維関係の輸出がものすごい勢いで伸びてきています。これが第2の要因です。これでマルチ・ファイバー・アグリーメントが廃止になったときには、バングラデシュはたぶん被害をこうむる国の一つだろうということを考えておかなければいけない。だから、あそこの工業、製造業をどうやってアップグレードするかということが非常に大きな課題になっています。
 第3は、この間1998年に天災がありましたが、1980年代程の天災が無い時期なのですね。だから第3の要因は運だったと私は思います。それまでにも治水関係でいろいろと努力はしてきましたし、特にFAP(ファップ)というフラッド・アクション・プログラムを1980年代の末につくって、日本もそれに入って十分やってきて、その効果もありましたが、やはりラックという要素が非常に大きい。例えば今度この三つがネガティブに出てくれば、いまバングラデシュが享受している堅実なる成長はすぐに壊れてしまう。
 山形さんは二つの柱を置かれましたが、その第1の成長という柱に、十分認識した上で進めていかなければならないと思います。
(渡辺議長代理) ありがとうございました。時間が押してきておりますが、山形さんから、簡単にリプライをお願いします。いまはまだリプライする段階ではないとは思いますが。
(山形主査) ありがとうございます。まず草野先生のコメントですが、自助努力と言い続けていかないといけないというのは、特に現地ODAタスクフォースの皆さんから指摘されていることです。これを正面に書き込むということではありますが、ドナー協調の際の担保とおっしゃいましたが、ドナー協調については数値目標までイメージすることはできないものですね。
 ドナー協調、現地政府との対話も、すでに現地ODAタスクフォースで活発にやっているようですが、うまい担保をするかたちでの書き込み方に少し頭をひねらせていただきたいと思います。
 砂川さんがお話しなったインフラ関係の民間の参加ということですが、バングラデシュの場合これが非常に特殊だと思っておりますのは、民間の中にNGO的なグラミンなどが入っていることです。NGOを基にしたグループが、携帯電話もインターネットのプロバイダーもやっているということです。
 この背景を考えた場合、これは恐らくということでしかないのですが、政府のガバナンスが問題にされる中で、外国の資金がバングラデシュに入ってくるときにどこに一番入れたかったかというとNGOであった。その際にドナーはインターネットを使っており、電話を使っており、そういう技術が自ずとNGOに伝わったかなという印象です。
 これは一つのNGOのみならず、複数の大きなNGOが、少なくともインターネットのプロバイダーまではみんな持っています。そのようなことから考えると、政府がうまく管理できなかったがゆえに政府部門あるいはプロフィット・オリエンテッドな完全な民間の資本ではなくてNGOに最先端の通信技術が入ってしまった。「入ってしまった」という言い方は変ですが、入る結果になったという理解でおります。そういう意味では民間でインフラをする際に、相手がNGOであるという場合も出てくると思います。
 浅沼先生のご指摘の成長がまだまだ確固たる基盤を持ったものではないというのは本当にそのとおりです。先生が2番目におっしゃったとおり、特に輸出の観点で言いますと、衣類が75%ぐらいを占めています。もし2005年1月にMFA(マルチ・ファイバー・アレンジメント)撤廃のおかげで衣類が中国に全部食われてしまったら、実際に縫製業で働いている貧困層の女性はどうなるのかという議論があり、たとえばEUはすでにバングラデシュをはじめとする国々には輸入の優遇措置を続けると表明しています。
 それは政策面での支持です。インフラ面での支持についても、バングラデシュの場合はチッタゴンという港しかないと言っていいぐらいだと思いますが、そことダッカをつなぐ道路も、われわれが素人目に見ても「これではなあ」と思うようなところです。この繊維輸出で、そこに雇用されている人々の雇用を減らさないで、むしろ拡大させるように、また縫製業だけではなくて産業基盤を広げられるように、そういうところに貧困層も雇用されるようにという方向で援助できるのであれば、素晴らしいのではないかと思います。
(渡辺議長代理) どうもありがとうございました。既に若干の議論は始まっているようですが、12月に現地タスクフォースで1次案が作成され、2月にはこの総合戦略会議で中間報告の1次案を出していただき、6月には最終案を出していただけると。他の仕事も兼ねて大変お忙しいと思いますが、何分よろしくご協力をお願いします。今日は本当にありがとうございました。以上でバングラデシュについての報告並びに議論は終わります。
 これは議論の対象ではありませんが、お手元に対モンゴル国別援助計画が入っていると思います。ご承知のように、これは前回の戦略会議でご了承いただいたものです。その後戦略会議員のコメント等がありましたので、それを踏まえながら必要な修文を加えたものです。これが資料4です。モンゴル国別援助計画につきましては、インドネシアの国別援助計画と同じで、今後対外経済協力関係の閣僚会議での決定を最後に得なければなりませんが、そのための手続きを外務省が中心になって進めているというご連絡を申し上げております。これは念のためにお渡ししてあります。機会があればさらに詳読していただければありがたいと思います。
 事務局から二つの報告があります。一つが国際協力50周年について、2がイラク復興信託基金に関する東京会議の日程についてです。まず前者につきまして、上村経済協力局政策課長からご報告をいただきたいと思います。上村さん、よろしくお願いします。
(上村政策課長) 政策課長の上村です。お手元に資料5がございます。国際協力フェスティバル2004の紙です。3点ご報告します。今年は2日目の天候が悪かったにもかかわらず、合計4万5000人の老若男女がお越しになりました。一番下の参考ですが、特に初日は小泉内閣のタウンミーティングで、草野先生にもパネリストとして出ていただきまして、実質上町村大臣の一番初めのプレスあるいは国民との対話の機会になりました。たとえば対中援助を今後どうするかとか、非常に厳しい意見も出た会合です。フェスティバルそのものは10月2日、3日に、2.にあるような幾つかの主要なプログラムで行うことができました。
 二つ目に主管課長としてのこのフェスティバルの印象です。会場に来られた特に若い方を中心に、大変ODAに対する熱意といいますか、アイデアがいろいろ表明されて非常に心強く思ったのですが、他方でタウンミーティングとか、そういう場ではODAに対して大変厳しい見方が表明されています。特に国会議員の方々の中にもODAに対して厳しい見方をされている向きも多い。その二つのギャップ、二つの両極端のものをどうやって結びつけていくかが私のこれからの仕事だと思いました。一つは当然広報も必要だと思います。二つ目にいいプログラムをやっていくことも必要だと思います。ただ、今の霞ヶ関のルールで言いますと、国民の税金を使うことはすべからく会計検査にかかります。皆様ご承知ではないと思いますが、この会計検査の手続きは大変なものです。ですからODAを迅速に、かつ効率的にやっていきたいという若い人たちの気持ちと、実際のわれわれの行政のルールがかなり乖離してきているというのが私の率直な感想です。何か知恵を絞っていきたいと思います。
 3点目の報告はこの色刷りのパンフレットで、国際協力50周年という国連大学、JICAと共催でやらせていただくプログラムです。50周年は11月までひと月の期間がありまして、11月15日に国連大学で途上国から見た日本の援助というODAのスペシャルタウンミーティングをやります。ご参考までにお知らせ申し上げます。
(渡辺議長代理) ありがとうございました。それでは引き続いて、イラク復興信託基金についてです。佐渡島経済協力参事官からご報告をお願いいたします。
(佐渡島参事官) ご報告いたします。時間が押し迫っておりますので、一番重要な点だけご報告します。今回の会議は暫定政府ができて初めての会合でした。先方は副首相以下計画大臣、電力大臣、保健大臣等の代表団を送ってこられて、初めて国レベルでの発展計画をドナーに提示した会議でした。イラク側からの根本のところのメッセージは、タイミング良い援助をなるべく早く現場にデリバーしてくださいというもので、今までいろいろ言われてきたけれども政治プロセスは何としてでもスケジュールを外さないように頑張っていきたいというのが彼らから出たメッセージです。
 それに対してドナー側はいろいろな意見がありましたが、突き詰めて申し上げますと、やはり治安情勢を改善してもらいたいという、1にも2にも3にもその要求があったということです。
 残念ながら今朝のニュースで伝わってきましたが、選挙を目指して非常事態宣言を2カ月半かけるようです。私どももこういう中で、イラクをかつてのレバノン化させないように、どうやっていくかということがあります。ただ幸いなことに、ドナー側でも認識をあらためてしたと思いますが、基盤のところがすべてひっくりかえっているわけではありません。
 たとえばフード・デリバリーも、あるいは電力も一部でインフラは壊れていますが組織は残っているという状況です。何とかドナー側の希望がなるべく早くかなって、より早くサービスがデリバリーできるようになることを、私どもとしても祈っている状況です。
 最後に一言、今回の会議からドイツ、フランス等も本国から代表団を送ってきました。イランも1000万ドルのコミットをしてやってきました。ドイツも事前には新たなコミットがあるという情報がありましたが、会計的な手続きが間に合わなかったということで来年以降、次回以降のミーティングで、またあらためて資金アップを議論していくことになると思います。
(渡辺議長代理) 佐渡島さん、どうもありがとうございました。もう時間がほとんどなくなってきましたが、1~2点、いまの二つの外務省事務局側からの報告についてご質問はございますか。
(草野委員) 佐渡島さん、ディスバースはどのくらいですか。
(佐渡島参事官) これは国連の数字とか世銀の数字とか定義があってなかなか難しいですが、あえて申し上げると、全体としてまだ5%~10%ぐらいかなと思います。日本も含めて、どこも大体そのようなところです。アメリカがそれよりちょっと多いぐらいかもしれませんが、目の子としてそんな感じです。
(渡辺議長代理) どうもご協力ありがとうございました。次回会合は決まっておりまして、12月3日金曜日です。別途ご案内を差し上げるということです。以上をもちまして今日の会合を終了いたしました。ありがとうございました。
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