ODAとは? ODA改革

ODA改革に関する主な論点

(注)以下は、これまでの議論において提起された主な意見を、とりあえずキーワード的に列挙したもの。

平成13年7月11日

1.目指すべき改革の方向性

(1)ODAの理念・目的

  • 「日本はODAによって何を達成したいか」、「ODAによって実現すべき国益とは何か」を明確にする。
  • 国益とは、生存・繁栄・価値の追求。複雑な因果関係の連鎖の中に存在。
  • ODAとは、近代化の陰の部分(敗者)に勝者が光を当てるもの。
  • 世界から尊敬され、評価されることが、広い意味での長期的な「開かれた国益」。
  • 国際益の実現を通じた国益の実現。
  • ODAをより能動的に国益に直結させる。
  • アジアを中心とする世界との共生は、日本の構造的宿命(平和と繁栄の基盤)。
  • 国民が自覚的になるためにも、ODAで出来ること、出来ないことを整理する。


(2)国民参加

  • 日本社会全体の国際化・活性化に資するODAの実施。
  • 閉塞社会に風穴を。若者に夢と希望を。
  • ODAは政府、企業、NGO、地方自治体等all Japanで実施。
  • NGO、企業、地方自治体との連携による活力ある社会の実現。
  • NGO、企業、地方自治体、教育機関等の活力を活用する、開かれた創造的パートナーシップの構築。
  • ODAの政策策定及び実施プロセスへの幅広い主体の参画。
  • 生活環境の中で国民が参加しやすい場を提供。
  • 国民の参加意欲をODAとシステマティックに結び付ける。
  • 政府、NGO、企業、地方自治体それぞれの比較優位についての分析が重要。
  • NGOの自助努力を基本とする抜本的なNGO強化。
  • NGOも開かれる必要。

  • 企業の比較優位(技術、人材、研究開発能力、資金力等)を最大限活用。
  • 企業が参加し易いインセンティヴの付与(企業の援助疲れと低い受注率。特別円借款の恒久化等。)。

  • 国民の理解と支持を得るために、より開かれた透明なODA
  • 評価、モニタリング(無駄なものは即刻やめる勇気)
  • 政策の立案から実施、評価に至る一連のプロセスを分かり易い形で情報公開
  • ODAホームページ、タウン・ミーティング


(3)ODAの実施方法・実施体制の見直し

  • ODAの実施に際しては、日本がやるべき分野、日本の比較優位が生かせる分野を明確化。
  • 日本独自の革新的な国際貢献のできる重点分野を明確化。
  • 途上国のニーズや重点分野の変化・多様化への効果的な対応。
  • 主体的かつ戦略的なODA政策の策定(国別援助計画、決定プロセスの透明化、外務省が調整機能を発揮)

  • ODAスキームは、目的ではなく手段。課題を明確にして、各スキームを有機的に活用。
  • ODA大量生産から戦略的高品質化へ(「2スクラップ&1ビルド」により資金を集中投入。個別の要請へのバラバラの対応ではなく、国別援助計画によるダウンストリーム化。)。
  • ODAスキームの弾力的運用(予算執行の弾力化、円借款の供与条件の弾力化等)。
  • 官ベースの“安上がり思想”に基づく技術協力を改善し、外部委託を拡充(「国民参加・連携型」実施)。
  • 援助手続きの迅速化、合理化、簡素化。
  • 日本の国益・援助理念に即したマルチ援助の活用。
  • 金融資源よりも人的資源重視にシフト。

  • 実施機関及び現場への権限委譲。
  • 援助要員増の必要。
  • 援助の担い手の育成(大学院教育の充実:NPOマネジメント教育、開発実務の単位化等)。
  • 新たな分野、政策立案に対応できる人材の確保(NGO・国際機関を含む人的循環)。
  • 現地スタッフ・NGOの積極的活用による現地事務所の機能強化(途上国の人材成にも寄与)。
  • 途上国自身が援助の主体となる南南協力の促進。


(4)国際的な連携の強化(⇒第5回会合(7月17日(火))で議論予定。)

2.ODA予算関連

  • 日本にとって、アジアを中心とする世界との共生は構造的な宿命であり、永遠の課題。共生なくして、日本の経済的・産業的基盤は存在し得ない。
  • 日本社会の閉塞感の打破、活性化。若者に夢と希望を。

  • 現在の財政状況の下で抑制せざるを得ないとしても、必要な水準は確保されるべし。
  • 削減の数字を云々する前に、ODA予算を1%削減することが、日本の援助にどのような影響があるのかを分かりやすく説明することが必要。
  • 一貫して最大の援助国である日本の援助が細ると、世界全体が暗いものにならざるを得ない。

  • 予算配分にメリハリをつけ、効率的配分を行うべし。
  • 無駄なものは即刻やめる勇気。
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