ODAとは? ODA評価

第1章 概要

1-1 国別評価セミナー実施の意義

 外務省が実施する「国別評価」は、我が国の政府開発援助(ODA)の主要受け取り国を対象として、国全体や主要援助分野・地域単位で援助の実績を分析・検証し、対象国に対するわが国援助の効果や妥当性等について総合的に評価するとともに、総合的・横断的な教訓を導き出し、国別援助計画の策定や見直しに資するという役割を担っている。

 外務省委託により2001年度にベトナムを対象として実施した国別評価調査では、日本がこれまで実施した対ベトナムODAの効果を総合的に分析するとともに、今後の対ベトナムODAのさらなる改善のための提言を行っている。

 国別評価セミナーは、上述の評価調査の結果を現地の関係者にフィードバックし、ベトナムにおけるわが国ODAに対する理解を深めるとともに自助努力を促し、より効果的・効率的な援助の実施に資することを目的として実施された。

1-2 国別評価セミナーの開催

 国別評価セミナーは、2003年3月10日、在ベトナム日本大使館の主催によりハノイ・ベトナム・ダエウホテルで開催され、ベトナム政府関係者や現他の援助関係者等約50名が出席した。

 セミナーでは、評価調査の概要、ベトナム企業家に対するアンケート調査の結果、援助効果の定量分析の結果、各重点分野(人造り・制度作り(市場経済化移行支援)、インフラ整備(電力、運輸等)、農業・農村開発、教育、保健・医療、環境)における調査結果と提言、援助の実施体制に関する提言が評価調査団から報告された。

 この報告を受けて、大使館より、本件評価調査から1年近く経っており、提言のうちいくつかの点ですでにフォローアップが行われているとして、援助協調には積極的に取り組んでいること(CPRGS拡大への関与、アジア地域調和化準備ワークショップの共催等)、更に、国別援助計画の見直しが現地のイニシアティブによって行われていることを紹介した。

 ベトナム側は、わが国の協力に対する謝意と更なる協力に対する期待を表明するとともに、評価調査の結果及び提言を共有するとした上で、援助手続きの調和化の重要性を強調した。

 外務省評価室からは、ODA評価の重要性、外務省によるODA評価の取り組みについて説明し、本評価調査による各援助分野における提言については、その採用の可否を見直し後の国別援助計画に照らして検討することになっていると報告した。

ベトナムODA国別評価セミナー・プログラム
2003年3月10日 ハノイ・ダエウ・ホテル



09:00
~09:10
オープニング・スピーチ 在ベトナム日本大使館
 藤原浩昭 参事官 

09:10
~10:30
ヴィエトナム国別評価調査結果報告
・総合評価
・定量的分析
・人造り・制度作り
・経済インフラ整備
・農業・農村開発
・教育
・保健医療
・環境
・総合的な提言
調査団
(財)国際開発センター 
 佐々木亮 研究員 (団長)
東京大学大学院医学系研究科国際地域保健学
 若井 晋 教授 
一橋大学経済学大学院
 神事 直人 専任講師 

10:30
~10:45
日本外務省のODA評価への取り組み 外務省経済協力局評価室
 山本英昭 事務官

10:45~
11:15
コーヒーブレイク   

11:15~
12:00
評価結果に対するコメント等
・計画投資省対外経済関係局ホー・クアン・ミン局次長
・ベトナム電力公社(EVN)ラム・ズー・ソン副社長
・労働・傷病兵・社会問題省国際関係局チャン・フィー・トォック次長
・郵政通信省国際関係局クアン・ズイ・グアン・ハー次長
・教育訓練省国際関係局ブイ・コン・トー次長
・農業農村開発省国際関係局ダオ・チ・ロック専門官

12:00~
12:35
質疑応答

12:35~
12:50
クロージング・スピーチ 計画投資省対外経済関係局ホー・クアン・ミン局次長

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