フィリピン共和国
世界の若者の手で児童の商業的性的搾取の根絶を
~子どもに対する商業的性的搾取に関する国際会議開催支援計画
子どもの商業的性的搾取はフィリピンにおいて重要な人権問題となってきています。小学生くらいの子ども(男女とも)が買春の対象とされたり、子どものポルノ写真やビデオの撮影が行われたりと、その内容は深刻さを増しています。
このような子どもの人権の問題を、若者の視点で討議し根絶の途を探ろうと、2000年5月21日~26日まで、フィリピンのマリキナ市にて国際会議「エクパット-IYPP」が開催され、これに対して在フィリピン日本大使館では、草の根無償資金協力にて会議開催費を支援しました。
この国際会議を主催したのは、子どもの商業的性的搾取の問題に取り組む国際NGO
「エクパット」で、オブザーバーも含めると、世界31ヶ国から192人が集まり、各国での子どもの商業的性的搾取の現状や活動についての報告、エイズについての討議、子どもの商業的性的虐待を取り上げた芝居などが連日行われました。日本からもエクパットで活躍する青年が参加しています。
このエクパット-IYPPは、1996年にスウェーデンで開催された「児童の性的商業的搾取に反対する世界会議」にて採択された行動計画に沿って企画されたものです。そのためこの会議では、子どもの商業的性的搾取の問題解決に、若者の存在は極めて重要であるという認識が貫かれ、会議の中心もやはり主として14歳から21歳の若者でした。
フィリピンでは、子どもの性的商業的搾取にのみならず、子どもへの性的虐待、ストリートチルドレン、孤児など、さまざまな子どもの人権問題が発生しています。在フィリピン大使館では1999年度、この会議を含め8件の子どもを対象とした草の根無償資金協力プロジェクトを実施しました。