ラオス人民民主共和国
「ビエン・トン灌漑施設」
「ビエン・トン小学校建設計画」
「フアン・ムアン小学校建設計画」
完成・引渡式(平成10年9月9日)
ファパン県ビエン・トン郡はラオスの首都ビエンチャンから北東に約250キロの所にある農村地帯です。土地がやせていているうえに、灌漑施設が不十分なため、これまで農作物の生産性が上がらず、この地域の人々は食糧の確保に苦労していました。それで人々は麻薬の原料となるケシを栽培して、生計を補っていたのです。
これまでの灌漑施設は、木造の堰で、半年から1年で修復しなければなりませんでしたが、今回、日本の資金援助を受けて、恒久的に使用できる蛇籠方式(*)に交換・整備しました。灌漑施設の建設作業には、地域の人々が自ら加わりました。
完成・引渡式はラオス教育省において、ファパン県副知事、在ラオス米国大使、在ラオス日本大使ほか出席のもと、盛大に行われました。
完成式典では「同地域における麻薬生産撲滅に果たす日本の役割は大きい」(在ラオス米国大使)、また同地域に建設された2つの小学校の完成については「ケシ栽培に駆り出されていた子供たちが仕事から開放され、初めて学ぶ喜びを得た」(ファパン県副知事)と、感謝の声が寄せられました。
(*)蛇籠方式・・・砕岩を金網で囲ったものをブロック状に積み重ねる方式
案件概要:平成9年度草の根無償資金協力
この資金援助は、米国大使館、UNDCP(国連薬物統制計画)、およびラオス・米国協力委員会(ラオス・米国両政府の合意により設立された組織。この地域のケシに替わる農作物栽培への転換、医療・給水・給電施設の改善等、地域住民の生活向上を通して、麻薬撲滅に取り組んでいる。)に日本政府が協調したものです。