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カンボジア王国
コンポンチャム州サンボーミエ小学校施設整備計画

笑顔の生徒たち 式典に参列する生徒たち
 首都プノンペン市から車で2時間半ほど北上した農村部にサンボーミエ村があります。今回、日本政府の草の根無償資金協力による資金援助で日本のNGO団体、カンボジアに学校を贈る会(ASAC)がコンクリート製の5教室校舎2棟を新しく建設し、また以前からあった3教室校舎1棟も改修工事を行い、深刻な教室不足と危険な教育環境の改善に取り組みました。その結果、授業を午前と午後の2部制で行えるようになると同時に、職員室や図書室、多目的会議室の使用も可能となり、生徒達が安心してのびのびと学校生活を送れる環境が整えられました。
建設された5教室校舎
 新しい校舎が建てられる前に使っていた校舎は、シロアリの被害などで傷みが激しく、屋根や壁が崩れ落ちる可能性がありとても危険でした。そのため、雨が降ると授業が中断されることもあり、生徒達は安心して授業に集中できませんでした。このような環境の中で、進級できない生徒も多く、留年する生徒のために新しく入学するはずの子供達が後回しにされてきました。
 また、改修された校舎は、ポル・ポト時代に壁に囚人をつるすための牢屋として使用され、子供たちは過去のいまわしい出来事の面影が残る教室で勉強しなければなりませんでした。その中で、今回のプロジェクトは物理的な効果だけでなく、精神的な面でも、子供達はもちろんのこと、村の人たちにも復興と発展という希望の光を与えることができました。 
 開校式典に出席した在カンボジア日本大使、ハオ上級大臣兼外務国際協力大臣及び、ASAC代表らは、この日を心待ちにしていた村の人たち総出の歓迎を受けました。スピーチでは、「カンボジアの宝はアンコールワット遺跡だけではありません。ここにいる生徒の皆さんもこの国の宝であり、この国の将来を背負って立つのです。」(ASAC代表)、また在カンボジア日本大使が、「皆さんが新しい校舎で勉強し、21世紀の地域・国造りの担い手となることを期待します。」と述べ、子供達に力強い励ましの言葉を贈りました。そして、村の人たちの「カンボジアと日本の友好万歳!」と言う歓呼の中、テープカットが行われ、校舎の完成が祝われました。このサンボーミエ小学校の校庭で、開校された3棟の校舎は、村の人たちや子供達のより良い明日に向けた希望の笑顔と地域の発展を見守ってくれることでしょう。

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