カンボジア王国
「カンボジア選挙支援(投票箱及び投票所資機材等)」
供与式 (平成10年7月7日)
7月26日、カンボジアで総選挙が行われました。今回の選挙は、新生カンボジアで、カンボジア人自身による初めての選挙であるため、国際社会からも非常に注目されたものでした。日本は、カンボジアへの民主化支援のために、国家選挙管理委員会(NEC)に対して、投票箱や投票キット、開票キット等の引き渡しを行いました。
この日の式典には、投票箱は選挙の象徴ということもあり、各国外交団や国際機関、国内外のメディアの高い関心を集めました。日本が供与した投票箱は、耐久性のあるジュラルミン製であり、恒久的平和の思いが込められています。挨拶に立った大使は、「戦場での戦いから投票箱での戦いへ」と述べ、カンボジア国民のために、この投票箱が平和な戦いの戦場となり、充分役割を果たすことを期待する旨を述べました。そして、NECスタッフの手で組み立てられた投票箱が壇上に据えられると、チェン・ポン委員長と大使、ウッ・キムオン長官とヌー・カシーNEC副委員長が2つある投票口から投票用紙を入れるデモンストレーションを行い、自由かつ公正な選挙の成功を祈願しました。
続いてカンボジア側代表としてスピーチを行ったヌー・カシーNEC副委員長は、日本の支援内容を次々と読み上げていき、カンボジア国民のために日本が支援国の中で最も多く支援を行ってくれたこと、そして、カンボジアの復興と平和の達成のための支援に対して深く感謝していることを述べました。
本日の式典の模様は、テレビ・ラジオを始め、各紙に大々的に報道されました。
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(*)支援概要
わが国は、総選挙支援のために国連開発計画(UNDP)に対して計600万ドル、国連に対して25万ドルをそれぞれ供与。これらの資金は日本製投票箱・投票機材の調達・輸送費、モニタリング経費、車両リース費、投開票時のスタッフ手当等に充当されました。
更に、カンボジア選挙監視委員会は、過去にわが国が供与したノンプロジェクト無償の見返り資金(約300万ドル)を活用して、総選挙の実施に必要な車両・通信機器・事務機器等を購入。
人的協力としては、わが国は32名の選挙監視員(公募26名及び政府関係者6名)の派遣に加え、選挙実施に向けての連絡支援等を行うJICA専門家1名を派遣しました。
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