ODAとは? ODAちょっといい話

日本国民の皆様へ ありがとう!

カンボジア王国
「マチャムワン小学校建設計画」
完成式 (平成10年4月27日)


 首都プノンペン市より国道1号線沿いに13km程走ったところにあるマチャムワン寺の境内に、新たな小学校が誕生しました。メコン河に面したこの寺の境内には、元々1954年に建設された小学校があったのですが、ポル・ポト政権時代に一時閉鎖され、その後再開されはしたものの、半世紀近くを経た学校の老朽化は激しく、とても安心して勉強できる環境ではありませんでした。
 そこで、カンボジアで難民や子供達の健全な成長と自立を目指した支援活動を行っている日本のNGO「幼い難民を考える会(CYK)」が、日本の無償資金協力を得て、今回の旧校舎の建て替えとなったわけです。
 この日を楽しみに待っていた大勢の村人達が見守る中、僧侶の読経から始まった完成式には、CYKプノンペン事務所長、日本大使館員を始め、チェイ・チャープ教育省副長官、イム・ルン女性問題省副長官等が参列しました。特に、イム・ルン女史は、子供の学費を削るときにはまず女の子が真っ先に学校へ行かせてもらえなくなってしまうこと、また、弟や妹の面倒を見たり、親の手伝いのために女の子を学校に通わせずに家に残しておくことなどから、女子の就学が男子に比べて低くなっている現実に触れ、女子の就学を強く訴えるスピーチを行いました。女史の「教育こそがすべて」との力のこもったスピーチには、女子に将来の道を切り開くべく教育の機会を提供しようとする熱意と、日本への最大限の感謝が感じられました。
 一連のスピーチの後に校舎のテープカットが行われると、待ちうけていた大勢の観衆からは一斉に大きな拍手がわき起こりました。その後、来賓全員がテレビカメラと共に新校舎に足を踏み入れて、頑丈で立派な柱やいかにも丁寧に作られた教室内を満足そうに見て回り、きっと生徒や先生方に大事に使ってもらえるだろうとの確信を胸に抱きながら、式典は無事終了しました。

(*)案件概要:平成9年度 草の根無償協力
 マチャムワン小学校のあるカンダール州クバルカウ村は、プノンペン市の中心より車で約30分ほどの郊外にあります。
 今回の協力は、近い将来起こることが予想される教室不足の問題を解決し、子供たちが安心して就学できる環境を整えるために、老朽化が進み危険な状態にあった校舎1棟を立て替え、机、椅子等の必要な施設備品を供給し、併せて、トイレを新しく設置し、衛生環境の向上を図るものです。


このページのトップへ戻る
目次へ戻る