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インドネシア共和国
「バラン・チャッディ島漁村電化計画」
引き渡し式 (平成9年5月19日)

 引き渡し式には、島の全住民が集まり、熱気と喧噪でごった返していました。2年前、日本が贈った舟(**)により、この島の住民の所得は10倍、20倍にも向上した経緯があり、「あの日本が再び援助をしてくれた」というわけで、引き渡し式は、彼らにとって、参加せずにいられないセレモニーでした。
 式では、発電機の周りに住民が集まり、市長のスイッチ押下に一斉に拍手が湧き起こりました。中には、自宅に戻って電気が通ったことを確かめる人もいました。「ランプがこうこうとついた時には涙がこぼれた」と言う住民もおり、電力を待ちわびていた島民の率直な喜びを表すものでした。今後、電力は、日常生活の他に、家内工業、大型冷凍庫の共同購入・流通体系の確立にまで波及して利用範囲を広めていきます。
 『 5月21日付 現地紙 スアラ・プンバルアン紙 ―バラン・チャッディ島民、ついに電力エネルギーを享受 ― 「以前は1日3時間だけの小さな発電機しかなかったので、この電化プロジェクトには非常に感激しています(島民談)。」「以前は夕方のお祈りが終わると数時間で電気が消えたが、今では国営放送の「世界のニュース」も見ることができます(島民談)。」』

(*) 案件概要:平成8年度草の根無償資金協力
 ウジュン・パンダン市西方沖5kmに位置する同島の漁村に発電装置を設置するとともに、送配電線網を整備することによって電化が陸地と比べて極端に遅れている漁村255世帯に電力を供給し、地域住民の生活環境の向上をはかるもの。被供与団体は、漁村啓蒙活動に携わっている優良ローカルNGO「村落・沿岸及び社会研究所」(LP3M)。

(**)平成7年度草の根無償資金協力「南スラウェシ州農漁民所得向上計画」
 漁民を組織化(10人から20人の3グループ化)することにより全員に船外機付小船を貸与し、零細漁民の所得向上を目指す計画。漁民は水揚げ額の一部をLP3Mに収めることにより、将来、小船を自己所有することも可能です。伝統的な方法では現金収入が乏しく、ダイナマイトを使用して水揚げを増やす漁民も中にはおり、珊瑚礁などの環境破壊も深刻な問題でした。

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