平成22年12月17日
地球規模課題総括課
昨日より2日間にわたり議長国として「開発のための革新的資金調達に関するリーディング・グループ」第8回総会を開催し,新たな参加国を数多く得て,各国・機関と有意義な議論を行えたことを非常に喜ばしく思います。特にアジア太平洋地域からの参加国が大きく増加したという点において,また,我が国はアジアの議長国として,革新的資金調達の議論を拡大する上で相応の任務を果たせたのではないかと思います。
今次会合では,保健分野における多くの革新的資金調達メカニズムに関するプレゼンテーションが行われました。これらのプレゼンテーションは,保健分野において達成された顕著な成果を強調するとともに,それらメカニズムの付加価値を証明したものと考えます。
また,開発のための国際金融取引に関する革新的資金調達については,その潜在能力の大きさが示されました。MDGs国連首脳会合のサイドイベントで,日,仏,ベルギー,スペイン,ノルウェー及びブラジルが提案,支持した宣言は,将来の行動のための前向きな姿勢を示すものとなりました。
さらに,教育のための革新的資金調達に関するタスクフォースの執筆委員会による報告書を含む教育分野における革新的資金調達についても有意義な議論が行われ,報告書を作成した委員会による努力が歓迎されました。
加えて,不正な資金の流れが開発に与える負の影響や不正な資金に対する国際的な取組を認識し,移民からの送金のコスト引き下げの必要性を再確認し,気候変動及び貧困・食料安全保障のための資金メカニズムのアイデアを共有しました。
そして,私は9月のサイドイベントにおいて,革新的資金調達に関する議論の原則として,
(1) まず,これまでにない新たな手段による資金調達であること
(2) 次に,既存資金に対して追加的な資金の調達であること
(3) 最後に,安定した資金動員に必要な持続性と予測可能性を備えていること
の3点を主張しましたが,今次総会での議論においても,こうした原則に基づき積極的な議論が行われたことを嬉しく思います。我が国は,こうした原則を踏まえ,今後各国がそれぞれ可能な形で,革新的資金調達に関する検討を進めていくことを期待しています。
今次総会には,今まで以上に多くの国が参加し,立場を越えて議論の輪に加わりました。我が国は2011年1月をもってリーディング・グループの議長国をマリに引き継ぐこととなりました。我が国が議長国を務めた半年間における各国の協力,特に新たに議論に加わった国々に心より感謝申し上げます。我が国は,次期議長国であるマリを支え,今後ともリーディング・グループにおける議論のさらなる進展に積極的に貢献していく考えです。
リーディング・グループにおける議論がより一層発展し,国際的な「連帯」が広がることを,祈念しております。
皆様,ありがとうございました。