平成18年9月26日
1.10月18日から20日までの日程でマニラ(フィリピン)において援助効果向上にかかるアジア地域フォーラムが開催されます。このフォーラムは、日本、英国、アジア開発銀行、世界銀行の4共催者が経済協力開発機構(OECD)・開発援助委員会(DAC)の協力のもとに開催するものです。
2. DACはわが国を含む主要なドナー(22ヶ国及びEU)が国際社会が直面する開発問題について議論する最も中心的な国際的な場です。DACにおいては、開発途上国の開発問題に関する課題だけでなく、より効果的な援助を実施するために必要なドナー間や国際機関との間の調整や援助協調といった課題も含む、ドナー、国際機関による今後の援助の方向性について議論する場です。DACでの議論は、主要ドナー、国際機関による援助の基本的な方向性を左右する重要性を持ち、日本の援助政策の立案や実施においてもその内容が反映されています。
3.2005年3月にパリで開催されたDACの援助効果向上のためのハイレベルフォーラム(パリHLF)は成果文書として「援助効果向上に関するパリ宣言」(「パリ宣言」) を採択しました。
◆◆◆パリ宣言とは◆◆◆ 国連ミレニアム開発目標(MDGs)をはじめとする国際社会共通の開発目標を達成するためには援助の質・量ともに向上することが不可欠であり、その中で、援助の質的な側面から援助効果を向上するために必要な措置について、ドナーとパートナー国(被援助国)双方の約束事項を取りまとめたもの。その約束事項は全64のパートナーシップ・コミットメントとして取りまとめられており、12のモニタリング指標が設定されて定期的にその実施状況がモニタリングされることとなっている。 現在、パリ宣言にはドナーとパートナー国を合わせて102ヶ国、24国際機関が参加しており、DACを中心にその実施促進のための取組が進められている。 |
わが国は、パリHLFにおいて「援助効果向上のための日本の行動計画」を発表し、パリ宣言で示されたコミットメントの着実な実施に向けて努力しています。その後もDACにおける議論において、パリ宣言の実施促進やモニタリングの実施方法等について積極的な提案をおこなってきています。また、各被援助国レベルで進む「パリ宣言」の具体的な実施の動きに関しては、他ドナーと共通の援助戦略の共有を進めることで調和化を促進するなど、積極的な貢献を行っています。国内的にはODA改革のための各種努力を通じて、限られたODA予算の中で援助効果を向上させるため、行動計画の実行に取り組んできました。
わが国は援助効果向上に向けたこのような取組の一環として、アジア地域における「パリ宣言」の普及促進を目的としたアジア地域フォーラムの開催を以下のとおり計画しています。(収容人数の限定上、一般の参加は認められていませんが、本フォーラムの内容についてはホームページ(末尾)で随時更新されますのでご参照下さい。)
1. 開催時期:2006年10月18日(水曜日)~20日(金曜日)
2. 開催場所:フィリピン(マニラ・アジア開発銀行本部)
3. フォーラムの目的:
(1) | アジア地域におけるパリ宣言(2005年3月採択)の実施状況の確認。援助効果向上に向けたアジア諸国の取組の中で、何が成果を上げ、何が制約要因となっているかを確認する。 |
(2) | アジアにおける我が国をはじめとする援助経験と成果を今後の援助効果向上の枠組み作りに反映させるために、アジアの優良事例やアジア諸国からの声を取りまとめ、援助効果向上の議論に反映させていく。 |
4. 主催:日本、英国、ADB、WBの4者による共催(協力機関:DAC)
5. 参加予定国・機関
(1) | アジア太平洋諸国(24ヶ国) アフガニスタン、バングラデシュ、ブータン、ネパール、パキスタン、スリランカ、インドネシア、フィリピン、カンボジア、ラオス、ベトナム、ブルネイ、キルギス、タジキスタン、モンゴル、フィジー、ソロモン、PNG、東チモール |
(2) | 新興ドナー:中国、韓国、マレーシア、タイ、インド、シンガポール |
(3) | ドナー:DAC加盟国、国際機関(DAC事務局、UNDP他) |
6. プログラム概要(予定):
1日目(10月18日) | |
9時00分~ 9時30分 | 開会セッション |
9時30分~12時30分 | 合同セッション:アジア大洋州地域におけるパリ宣言の実施状況 |
13時30分~16時00分 | 分科会セッション1:テーマ別ディスカッション 分科会1:パートナー国(被援助国)のリーダーシップ 分科会2:ドナーによる共通戦略策定 分科会3:成果主義に基づく計画策定 分科会4:評価と事業実施の関係性の強化 |
16時15分~18時30分 | 分科会セッション2:テーマ別ディスカッション 分科会1:パートナー国の制度の活用 分科会2:緊急支援における調和化 分科会3:説明責任を伴うパートナーシップ 分科会4:援助効果の評価手法 |
2日目(10月19日) | |
9時00分~10時45分 | 分科会セッション1、2からのフィードバック |
10時45分~13時00分 | 分科会セッション3 国別ディスカッション:各国における今後の援助効果向上の取組 |
14時30分~18時00分 | ラウンド・テーブル協議 「アジアにおけるパリ宣言の促進」 |
3日目(10月20日) | |
9時00分~ 9時30分 | 更なる援助効果向上に向けて(議長報告案発表) |
9時30分~10時30分 | 意見交換 |
10時45分~11時15分 | 閉会の辞 |
英語版概要は以下のサイトをご参照ください。
http://www.mofa.go.jp/policy/oda/category/coordinate/forum0610.html
本フォーラムの詳細については、下記のアジア開発(ADB:本フォーラムの共催者)作成のサイトをご参照ください。(英文)
http://www.adb.org/Documents/Events/2006/Aid-Effectiveness/default.asp