
第4回アジア開発フォーラム(概要)
平成25年3月15日
外務省国際協力局開発協力企画室
3月13~14日,インドネシアのジャカルタにおいて第4回アジア開発フォーラムが開催され,「ポスト2015年開発アジェンダおよびポスト釜山グローバル・パートナーシップに向けたアジアのインプット」とのテーマで議論が行われたところ,概要以下のとおり(我が国からは,中尾財務省財務官,和田外務省国際協力局参事官,渡邉国際協力機構理事他が出席。インドネシア作成議長サマリー(英語):別添(PDF)
)。
- 総論
- (1)アジア開発フォーラムは,開発におけるアジア諸国の役割をハイレベル実務者間で議論することを目的に我が国の発案で立ち上がり,2010年より毎年開催されている(第1回は韓国,第2回は日本,第3回はタイが主催)。本年の第4回会合には,アジア10カ国の政府関係者,アジア開発銀行,世界銀行,国連開発計画などの国際機関,民間企業関係者を含め約60人が参加した。
- (2)本会合は,多様化する地球規模課題や新興国や民間セクター等の開発における影響力の拡大を踏まえ,国際社会においてポスト2015開発目標やポスト釜山グローバル・パートナーシップの議論が進められている中,これらの開発に関する新たな国際的な枠組みにアジアの声を反映させることを目指し,我が国からの働きかけを受けて開催が実現したもの。
- (3)本会合の議論の結果は,ポスト2015年開発目標に関するハイレベル・パネルとポスト釜山グローバル・パートナーシップ運営委員会の両方で共同議長を務めるインドネシアを通じて,同ハイレベル・パネル第3回会合及び運営委員会第2回会合に報告される。
- 議論の内容
- (1)第1セッション(開発の衡平性と包摂性,雇用創出と経済成長の達成)
黒田アジア開発銀行総裁のキーノート・スピーチ(ビデオ)の後,中尾財務官よりアジアの経験を踏まえ,特にマクロ経済の安定,人口動態の変化への対応,インフラ整備,地域協力の重要性について発言した。また,開発の衡平性・包摂性を確保する上で経済成長は不可欠であり,基礎インフラ整備は成長に資すると同時に,雇用の創出,人々の教育・保健等のサービスへのアクセス向上,グローバル市場への統合促進等が格差是正にも繋がることが共有された。
- (2)第2セッション(経済の拡大,強じんな社会,環境保護及び持続可能な開発)
アジア各国より,現在国内で実施されている気候変動対策やグリーン成長戦略が紹介され,途上国の開発戦略の中に環境への影響を統合することの重要性が確認された。また,気候変動問題や資源の有限性を考慮した持続可能性は,ポスト2015年開発目標の不可欠の要素であることが共有された。
- (3)第3セッション(自然災害等の外的ショックに対する強じん性の向上)
渡邉JICA理事の議事進行の下,自然災害の事前対策が人命保護と経済コスト両面で有効であり,昨年10月の仙台宣言 ,ジョグジャカルタ宣言 を踏まえた,開発における防災の主流化の重要性を再確認した。また,災害に関する知見,技術やデータの共有を進めるべきとの指摘や,防災には個人・所帯ベースでの能力強化が重要であり,人間の安全保障の理念とも通じるとの指摘がなされた。
- (4)第4セッション(アジアの開発協力のダイナミクス,ポスト2015年開発アジェンダに取り組むためのポスト釜山グローバル・パートナーシップへの支援)
和田外務省参事官より,ポスト釜山グローバル・パートナーシップの最大の特徴は幅広い関係者の参加を得たことであり,特に新興国とのパートナーシップ強化として我が国が実施してきた三角協力や知見の共有の強化の必要性を主張し,また包摂性を確保するには人間の安全保障の理念に基づき,一人一人の能力開発を重視すべきと説明した。これに対し,各国からは,民間セクターの関与の重要性や,各国の異なる状況に応じた知見の共有,能力開発を重視した支援が有効であることが指摘された。
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