ODAとは?

OECD開発援助委員会(DAC)対日援助審査:概要と評価

平成15年12月17日


1. 日程 12月12日(金曜日)10時00分より計6時間半(於:パリOECD本部)

2. 参加者 DAC加盟国およびオブザーバー。日本代表団長は吉川外務省経済協力局審議官。
審査国は米およびEC。議長はマニングDAC議長。

3. 援助審査の概要

(1)援助審査とは、DACメンバー国が、DACにより、援助政策や実施状況を定期的に審査されるもので、DACの主要活動の一つ。今次対日援助審査は99年以来のもの。
(2)審査団(審査国及びDAC事務局)は、タンザニア(3月)、ベトナム(7月)を訪れ、日本の援助実施状況を現場で調査した他、7月には東京を訪れ、外務省他関係各省、JICA、JBICの他、学識経験者、NGO等からヒアリングを行う本国調査を実施した。

4. 意義と評価

(1)本年8月のODA大綱の改定等、各種ODA改革が進む中で行われた今次対日援助審査では、我が国のODAを更に効果的に実施していくための建設的な意見が表明されるとともに、我が国の援助に対するDACメンバー諸国の理解を深めることができた。
(2)引き続き厳しい経済・財政状況の中で日本が行っている様々な努力(ODA改革、アフガニスタンやイラク支援、TICAD III開催等に代表される各種イニシアティブ等)はDAC諸国から高い評価を受け、今次援助審査は、我が国のみならず、他のDAC諸国にとっても有意義なものとなったと思われる。

5. 議論の概要(会合の結果発出されたプレスリリース及び勧告

(1)ODA改革:今次会合では、これまで日本が進めてきた援助体制の改革、ODA大綱の改定等のODA改革に対する高い評価がなされた。また貧困削減をはじめとする横断的テーマの位置づけの強化が求められた。
(2)ODA増額:ODA改革や厳しい経済・財政事情の中で、ODAに対する支持を獲得するための努力を含め、引き続きODAの質・量の向上のための努力を続けることが強く慫慂された。
(3)借款:日本の援助に占める借款の高い割合につき議論が及び、我が国からは、借款の意義・役割につき発言した結果、これまでの借款供与から得られた教訓を改めて踏まえつつ、無償と有償の長所を活かした両者の組み合わせを追求していくことが慫慂された。
(4)政策一貫性:農業問題を含めた、省庁横断的な途上国開発のための政策一貫性向上の必要性について指摘がなされた。
(5)現場での取り組み:審査団が現地調査で訪れたタンザニア、ベトナムで行われている取り組み(ODAタスクチーム、他ドナーとの協調(タンザニアにおける援助協調への積極的参加、ベトナムでの日・世銀・ADB協力や日英協力等)に対して高い評価が与えられ、こうした試みを広げていくことが慫慂された。
(6)体制の強化:DAC諸国の中でも最も少ない援助要員であることが指摘される中で、質及び量双方の観点から、援助体制の強化を行うことが慫慂された。

6. 今後の予定

 今次会合での議論、現地調査、東京での本国審査等の内容を纏めた対日援助審査報告書全文は、来年(具体的時期は未定)発表される予定。
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