ODAとは?

第48回経済協力開発機構開発援助委員会(OECD・DAC)ハイレベル会合(概要)

平成24年12月5日


 12月4日,5日,英国(ロンドン)において「第48回経済協力開発機構開発援助委員会(OECD・DAC)ハイレベル会合」がグリーニング英国際開発大臣とアトウッドDAC議長の共催の下に開催されました。今次会合には,開発協力を担当する各国閣僚級や援助機関の長らが出席し,我が国からは,田中JICA理事長(今次会議には,外務省参与の発令を受けて参加),梅田外務省国際協力局長らが出席しました。会議では,以下3の事項について議論を行い,最終日にはコミュニケが採択されました(英文コミュニケ(PDF)及び仮訳(PDF)別添)。

  1. 日程・会場 12月4日13時15分~5日13時30分 ロンドン(Marlborough House
  2. 参加国・機関 DAC加盟国・機関(24)の他,17か国及び国際機関
     近年,途上国の開発には,DAC加盟国以外の国・機関も大きな役割を果たしていることから,今次DACハイレベル会合には,DAC非加盟国やOECD非加盟国も招待され,チリ,チェコ,ポーランド,スロバキア,スロベニア,トルコ,ロシア,インドネシア,ブラジル,南ア,インド,中国等の代表もオブザーバーとして参加しました。
  3. 議論のポイント
     現行のMDGsの達成期限を2015年に控え,ポスト2015年開発目標が視野に置かれていること,新興ドナー国や民間主体の開発協力における存在感が増していること等を背景に,以下3つの点につき議論を行いました。

    • (1)ポスト2015年開発目標(ポストMDGs)に対するDACとしての貢献
       国連主導で行われているポストMDGsについて,専門性を活かしたDACとしての貢献につき議論しました。参加者からは,ポストMDGs目標として貧困撲滅を中心にすることの重要性が強調されたほか,中低所得国における格差の解消,現行のMDGsの達成も引き続き重要であるなどの意見が出されました。コミュニケにおいては,DACとして国連のポスト2015年開発目標枠組の検討プロセスを支持することを表明したほか,我が国の働きかけもあり,ポストMDGsの設定に際しては,人間の安全保障を考慮すべきということが盛り込まれました。
    • (2)効果的な開発協力のためのグローバル・パートナーシップ(GP)
       効果的な開発協力のためのグローバル・パートナーシップ(GP)の共同議長を務めるアルミダ・インドネシア国家開発企画庁長官から,GP運営員会の準備状況や議題などにつき説明がありました。参加者からはGPに対し,ポストMDGsを実施・フォローする上での貢献や,新興ドナー国や民間主体との意見交換,知識共有を醸成する場としての期待などが表明されました。また,新興ドナー国との有効な協力手段として三角協力が重要であるとの認識が共有され,我が国の実施している三角協力を評価する発言もありました。
    • (3)2015年以降の開発に関連する資金の捕捉について
       途上国の資金フローにおいて,伝統的ODA以外の資金の割合が増大していることに鑑み,現行よりも幅広く開発関連資金を捕捉する必要性を支持することで一致しました。この他,様々な基金等を活用した革新的な開発資金調達の重要性や,徴税が開発資金確保に及ぼす効果についても指摘されました。コミュニケにおいては,DACがその知見と専門性を発揮し,ポスト2015年開発目標に係る議論も踏まえつつ,伝統的なODAの概念にとらわれない開発関連資金の新たな測定方法の可能性を探求し,次期ハイレベル会合に1回目の報告を行うことが盛りこまれました。
  4. その他(DAC議長の交代)
     2011年から議長を務め,本年末を持って退任するアトウッド議長に対し,会場から謝意が述べられました。また,来年初頭から新議長を務めるエリック・ソールハイム前ノルウェー環境兼開発援助大臣は開発と環境を切り離して考えることは出来ないなど両課題への包括的なアプローチの必要性を主張し,また政治レベルの指導力や民間との協力の重要性について言及しました。

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