
(仮訳)
軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)第3回外相会合
共同ステートメント
平成23年9月21日
(英語版(PDF)
)
- 1年前,豪州,カナダ,チリ,ドイツ,日本,メキシコ,オランダ,ポーランド,トルコ及びアラブ首長国連邦の10か国は,2010年NPT運用検討会議の成果を前進させるため,現在,「軍縮・不拡散イニシアティブ(NPDI)」として知られるイニシアティブを立ち上げた。
- 過去12か月間にわたり,我々は核軍縮の報告における透明性の向上に努め,軍縮会議(CD)の長引く行き詰まりを打開する必要性を強調してきた。
- 2011年4月30日のベルリンでの第2回会合で,我々はNPT運用検討会議最終文書のアクション21に則って,核兵器国間の議論に貢献するため標準化された核軍縮の報告フォームの作成に取り組んだ。我々は現在,報告フォームを5核兵器国に提示し共有している。この問題における前進を後押しするための我々の努力の一環として,核軍縮の透明性向上に一層の貢献を行っていきたい。
- ベルリン会合において,我々は,NPT運用検討会議最終文書のアクション15で求められている兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT)の交渉開始に,CDが繰り返し失敗していることに深い懸念を表明した。また,我々は,CDが2011年の会期でFMCT交渉の開始に合意できない場合,国連総会に対し,「交渉開始のために前進する方途について検討する」こと求めると述べた。CDの2011年会期は先週,合意なく終了した。今後の方向性を検討するに当たり,NPDIは,カナダが,FMCTの即時交渉開始を求める国連総会決議を長年リードしてきたことを想起する。カナダは本年再度,同様の決議を国連総会に提出する。現状を吟味し,CDの行き詰まり打開に向けて現在進められている努力を支援し,事態を進展させる方策を提示する決議案を我々は強く支持し,他国も支持することを促す。
- 我々各国は,CDが主要事項についての作業を開始するよう,引き続き強く求める。
- 我々は,保障措置協定及び追加議定書が,各国の保障措置に係るコミットメントの効果的な検認の基準であると認識する。NPT運用検討会議最終文書のアクション28及び29に従い,我々は,追加議定書の締結及び実施における我々の経験を共有すべく,IAEA事務局長,及び追加議定書が未発効のIAEA加盟国に宛てた書簡を送付しようとしている。我々は引き続き,IAEAとの間で追加議定書を未締結のすべての国に対し,できる限り早期の追加議定書締結を要請する。
- NPT運用検討会議は,各国における輸出管理が果たす不拡散上の重要な役割に留意し,各国の輸出管理制度を強化し補強するための具体的な措置を承認した。我々は,これらの措置を支援するため,実践的な提案について作業することを決定した。
- 我々は,当該地域の関係国家間で自発的に達成された取り決めに基づく非核兵器地帯の設置促進に向けた努力を,そのような非核兵器地帯それ自体が目的ではなく,むしろグローバルな不拡散体制の強化及び核軍縮への貢献のための手段であることを考慮しつつ,強く支持する。核兵器の全面的廃絶までの間,国際的に承認された非核兵器地帯は,当該地帯内の非核兵器国に対し法的拘束力を持った消極的安全保証の拡大という重要な実質的手段を提供するものである。我々は,国連事務総長及び他の関係主体による,中東非大量破壊兵器地帯設置に関する国際会議の開催に向けた努力を支持し,すべての域内国に対し,この目的に向け建設的に協力することを要請する。
- 我々は,「核兵器のない世界」の実現に向け,核兵器使用の惨禍の実相を風化させないため,被爆者の実体験を若い世代に伝えていくことが特に重要であることを認識し,軍縮・不拡散教育を精力的に推進する。
- 最後に,我々はCTBTの普遍化及び発効促進における我々のコミットメントを再確認する。この目標に向けて取り組む一方で,我々は,国際監視制度を含むCTBT検証システムの安全と民生上の利益を認識する。NPDIメンバーは,外交的機会を活用して未署名国及び未批准国に対する働きかけを継続する。
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