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姉妹都市交流が生み出した新たな友好のシンボル
ペルー・ミラフローレス区に「渋谷公園」が開園
渋谷区産業観光文化部文化振興課
1 海を越えて誕生した「渋谷公園」
2026年8月4日、ペルー共和国の首都リマ市にあるミラフローレス区にて、「渋谷公園(Parque Shibuya)」の開園式典が行われました。東京都の渋谷区からは長谷部健区長、一柳直宏区議会議長をはじめとする訪問団が参加し、ミラフローレス区のカルロス・カナレス区長、山元毅駐ペルー駐箚特命全権大使や関係者とともに、新しい公園の完成を祝いました。
日本とペルーは遠く離れていますが、この公園には、両区がこれまで育んできた友情と交流を次の世代へつないでいきたいという願いが込められています。式典は、両区が姉妹都市提携を交わした後の歩みを振り返り、これからの連携を確認する機会となりました。
「渋谷公園」の記念碑前で記念撮影する長谷部健区長とカルロス・カナレス区長
2 交流のきっかけは区内の駐日ペルー大使館
渋谷区とミラフローレス区は、相互理解と協力をさらに深めるため、2024年6月26日に「姉妹都市提携に関する覚書」を締結しました。
交流のきっかけの一つとなったのは、駐日ペルー共和国大使館が渋谷区内に所在していることです。渋谷区と大使館は、民芸品制作のワークショップやアート展などを共催し、ペルーの文化を区民に紹介する機会を設けてきました。
また、ミラフローレス区は、リマ市を代表する観光地です。国内外から多くの人が訪れる点など、渋谷区との共通点もあります。こうしたつながりを基礎として、駐日ペルー共和国大使館の支援のもと、両区の首長や議会が対話を重ね、姉妹都市提携が実現しました。覚書では、文化や教育、観光、スポーツ、環境、科学技術、イノベーションなど、幅広い分野での連携を掲げています。
3 給食や学生派遣を通じて広がる交流
姉妹都市提携後、交流は学校教育や文化事業へと広がりました。2024年11月26日には、広尾小学校で駐日ペルー共和国大使館による文化紹介などを含む給食交流を行い、同年度に区内各校でもペルー料理の給食が提供されました。同年12月20日から25日には、渋谷区役所でペルー人日本移住35周年記念写真展を開催しました。
2025年には、2月12日から21日、9月10日から18日の2回にわたり、ペルーへの学生派遣訪問を実施しました。このほか、駐日ペルー共和国大使館での研修会、写真展「Andinos」、ペルー映画上映会、ペルーフェストなど、区民がペルーの文化に触れる機会も広がりました。毎年代々木公園で開催している、渋谷区最大級の区民参加型イベント「くみんの広場」では、駐日ペルー共和国大使館などによる出店や出演も行われました。
2026年2月2日には、渋谷本町学園でペルー人学生との交流を実施しました。翌3日には、千駄谷小学校でペルー料理の給食を提供し、給食交流を行い、その後区内の小中学校で同料理が提供されました。さらに、6月29日に千駄谷小学校の5年生を対象としてペルー給食交流を実施しました。駐日ペルー共和国大使館の協力のもと、ペルーの文化や暮らしを紹介する授業や児童参加型のクイズを行ったほか、千原児童遊園地の再整備についても紹介しました。授業後には、フランシスコ・テンヤ・ハセガワ駐日ペルー共和国大使や長谷部区長らが児童とともに、アロス・コン・ポーヨなどのペルー料理を取り入れた給食を味わいました。このメニューは、2026年12月までに区立の各小中学校でも提供される予定です。給食や授業、学生派遣などを通して、子どもや若者が相手国の文化や暮らしを身近に知る機会を広げています。
姉妹都市提携をきっかけに、スタートアップ支援の分野でも連携が進んでいます。渋谷区は、JICAペルー事務所と連携し、中南米のスタートアップが持つ新たなアイデアや技術を活用して日本国内に存在する社会課題の解決を目指すアクセラレーションプログラム「イノベーション還流事業/BAILA」におけるShibuyaコースの実施や、ミラフローレス区のスタートアップ支援担当者との情報交換、現地の大学内にあるインキュベーション施設の視察も行ってきました。今後も、両区のスタートアップや支援機関をつなぎ、地域課題の解決や新たな事業機会の創出につながる連携を目指します。
4 現地訪問で深まった人と人とのつながり
行政間の交流も進んでいます。2026年7月29日から8月6日にかけて、長谷部区長をはじめとする渋谷区訪問団がペルーを訪問しました。ミラフローレス区庁舎では、両区がそれぞれのまちづくりの取組を紹介し、公園整備、観光・産業振興、環境政策など、共通して関心を持つテーマについて意見を交わしました。
訪問団は、ペルー日系人協会(APJ)も訪れました。日本人移住の歴史や日系社会の歩みに触れるとともに、渋谷区で開催を予定している日系移民展への協力を依頼しました。
さらに、AELU(ラ・ウニオン運動場協会)の施設では、子どもや若者が活動する様子を視察し、区内の児童・生徒との授業連携など、今後の交流機会をさらに充実させることについて意見を交わしました。
5 ハチ公が見守る友好の公園
こうした交流の積み重ねが、目に見える形となったものが「渋谷公園」です。同公園は、ミラフローレス区の海岸沿いにあるマレコン・デ・ラ・マリーナ(Malecón de la Marina)内に整備されました。園内には、渋谷のシンボルであるハチ公をモチーフにした像と、日本語で「渋谷」「ミラフローレス」と記された記念碑が設置されています。
ペルーでは、映画などを通じてハチ公の物語が広く知られています。ハチ公像は、日本から訪れる観光客だけでなく、現地の市民や日本以外の海外からの観光客にも親しまれる、新たな交流スポットになることが期待されています。
開園式典では、カルロス・カナレス区長が、公園の開園が日本からの観光客の増加だけでなく、両国の企業交流のきっかけになることへの期待を述べました。長谷部区長は、ハチ公をモチーフにした像が多くの人に愛されることにより、渋谷区とミラフローレス区の友好関係がさらに発展することを願う旨を挨拶しました。
「渋谷公園」開園式典の様子
6 両区の公園を新たな交流の出発点に
渋谷区でも現在、ミラフローレス区の景観やモチーフを取り入れた千原児童遊園地の再整備を進めており、12月に開園予定です。遠く離れた両区に、相手のまちを身近に感じられる公園が整備されることになります。公園を訪れることで、子どもから大人まで、姉妹都市の存在や相手都市の文化に自然に触れることができます。
渋谷区内に完成予定のミラフローレス区をモチーフとした公園イメージ図
二つの公園は、姉妹都市提携の成果を区民と共有する場所であるとともに、新しい交流を生み出す出発点でもあります。今後も両区は、公園を友好のシンボルとして活用しながら、学校や若者を中心とする教育・文化交流を継続していきます。また、観光、スポーツ、環境、科学技術、イノベーションなど、より幅広い分野での連携も進めていきます。
「渋谷公園」の開園は、これまで重ねてきた交流が、誰もが目にすることのできる形として実を結んだ成果であり、両区のさらなる友好関係に向けた、新しい一歩でもあります。
