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歴史的景観保存とおもてなしの心でつながる姉妹都市
提携15周年を迎えて
愛媛県内子町
皆さんはローテンブルク・オプ・デア・タウバー市をご存知でしょうか?ドイツのロマンチック街道に位置し、中世の都市そのままの美しい景観から「中世の宝石箱」と呼ばれる世界的な観光地です。では、その世界的に有名な街の姉妹都市が日本にあることをご存知でしょうか?
1 ローテンブルク市と内子町の出会い
内子町は愛媛県南予地方に所在する人口14,000人ほどの町です。この決して大規模とはいえない町の国際交流の歴史は、1986年に遡ります。
当時、町並み保存運動を進めていた内子町は、世界的な街並み保存の先進地であるドイツ・ローテンブルク市より市長を招き、「町並み保存とまちづくり」をテーマにシンポジウムを開催しました。木造の芝居小屋である内子座での講演に加え、当時の町長宅に宿泊し内子のおもてなしを体験した市長は、帰国後に「たびたび日本を訪れたが、内子町で初めて日本の文化に触れた」と語られました。これが内子町とローテンブルク市の交流の原点です。
その後、当町で開催された「国際交流シンポジウム’93」を経て国際交流の機運が高まり、町民レベルでの国際交流を進める母体となる「(財)内子町国際交流協会」が設立されました。財団法人としては愛媛県、松山市に次ぎ県下で3番目、町単位としては初めてのことでした。
設立後は、協会を核として、青少年海外派遣事業をはじめとする町民の熱心な交流が続いた結果、内子町とローテンブルク市は2001年に友好都市提携、更に2011年には姉妹都市提携に至りました。そして、2026年に姉妹都市提携15周年を迎えました。
お茶体験を通じた交流の模様
2 ローテンブルク市での記念式典に参加
6月25日、小野植町長を団長とする29名の訪問団はローテンブルク市での姉妹都市提携15周年記念式典に参加するため内子町を出発しました。ドイツは湿度が低く夏でもエアコンがいらないと聞いていましたが、訪問団の来訪とともに歴史的にも類を見ない熱波が押し寄せ、ローテンブルク市の気温は38度を超えていました。訪問団の一人が「内子町が熱い気持ちを運んで来たよ」と伝えるほど、私たちの来訪にあわせたような気温上昇でした。
滞在中には、ローテンブルク博物館の中庭でお茶体験を行いました。内子町で作られる和菓子とともに和装で抹茶を提供しました。黒豆にはちみつをからませた豆菓子を「ゲブランテ・マンデルン(焼きアーモンド)のようでしょう?」と紹介すると、訪れた市民の方は「なるほど!」と笑顔を見せてくれました。お茶体験を提供したチームは暑さを忘れておもてなしに尽力しました。
同日の夕方、市庁舎のカイザーザール(皇帝の間)にて在ミュンヘン日本国総領事館の協力のもと15周年記念式典が開催されました。レッシュ市長、小野植町長の挨拶のほか、在ミュンヘン日本国総領事館の別所総領事よりご挨拶をいただきました。15周年記念を契機として、将来に向けた交流を一層深めていこうと確認書を交わし、両市町のこれからの交流に向けた想いを共有しました。
式典の後には記念事業として「内子こども狂言くらぶ」による狂言作品「かみあそび」が披露されました。「かみあそび」は内子町の魅力を盛り込み、特産の和紙で作った衣装をまとって演じるオリジナルの作品です。この狂言には、ローテンブルク市の劇場「トップラー・シアター」に所属する5名の子どもたちが参加するというサプライズ演出がありました。事前にオンラインでの対面や動画の共有などはしていたものの、対面での練習は限られた数時間のみでした。
公演が始まると、狂言くらぶの子どもたちの堂々たる声がホールいっぱいに響きました。言葉が伝わらない環境に臆することなく、訪問団の一員としてローテンブルク市の皆さんに内子町の魅力を伝えたい、狂言の面白さを伝えたいという気持ちがひしひしと感じられ胸が熱くなりました。そして、トップラー・シアターの子どもたちが登場しました。狂言独特の難しい動き、日本語でのセリフがとても上手に表現されていました。一緒に良い舞台を作り上げたいという共通の想いが両市町の子どもたちから伝わるとともに、この大舞台での演技を楽しんでいる様子もとても印象的でした。この子どもたちこそが、未来に向けて共に歩んでいく両市町の交流の礎となることを確信する記念事業となりました。記念式典が開催された27日は、最高気温42度を超える暑さでした。きっと私たちの熱い想いが気温をさらに押し上げたのだと思います。
堂々と狂言を披露する内子町とローテンブルク市の子どもたち
3 両市町をつなぐ共通点
ローテンブルク市にあるシュピタール門には「PAX INTRANTIBVS SALVS EXEVNTIBVS(訪れる者に安らぎを、去り行く者に幸せを)」と刻まれています。この言葉は内子町の人々にも共通するおもてなしの心です。40年前に内子町を訪れた当時の市長シューバルト氏はそのことを感じてくださったのかもしれません。先般、内子町は光栄にも The Japan Times社から、持続可能な地域を実現するためにさまざまな取り組みを展開している自治体として「The Japan Times Destination Region 2026」に選定されました。アドバイザーの藻谷浩介氏は、内子町について「本物の日本に出会える場所」と評してくださいました。
内子町には、歴史的景観である町並みをはじめとする様々な伝統、文化、暮らしとともに、訪れる方への温かいおもてなしの心という魅力があります。これらの魅力を受け継ぎ、今後の末永い姉妹都市交流と両市町の発展を願っています。
11月には内子町で記念式典を執り行います。ローテンブルク市の皆さんをお迎えできることが今から楽しみです。
確認書を持つ小野植町長とレッシュ市長
