グローカル外交ネット

令和8年7月23日

静岡県 焼津市役所 生きがい・交流部 国際交流課

1 はじめに:中野市長への「北極星勲章」授与という栄誉

 2026年5月25日、ウランバートル市内のモンゴル国外務省において、焼津市の中野弘道市長に対し、モンゴル国大統領命令による国家勲章「北極星勲章」が授与されました。この勲章は、国家の発展や国際友好に多大な貢献を果たした外国人に贈られる、大変名誉あるものです。
 今回の受章は、焼津市が2015年より一貫して積み重ねてきたモンゴル国との熱意ある交流成果が、国家レベルの最高の形で評価されたものと言えます。本稿では、この最高栄誉の背景となった、両自治体の「顔の見える草の根交流」の歩みをご紹介します。

中野弘道焼津市長の北極星勲章受章

2 交流の原点:東京2020大会から広がる「スポーツの絆」

 焼津市とモンゴル国との交流は、2015年に本市が東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会のホストタウンに名乗りを上げたことから始まりました。当時、モンゴル国の体育・スポーツ庁、オリンピック委員会、パラリンピック委員会と調印を交わし、本大会に向けてレスリング、3x3バスケットボール、パラ陸上、パラテコンドーの4競技の強化合宿・事前キャンプを受け入れました。

 特に、2020年のコロナ禍では、パラ陸上代表チームが市内で足止めされる事態となりましたが、4か月に及ぶ異例の長期強化合宿を焼津市民が全面的にサポートし、困難を共に乗り越えました。この経験が、現在の揺るぎない信頼関係の土台となっています。現在も、同国体育・スポーツ庁との市民スポーツ普及協力や、モンゴル国ソフトテニス連盟との「高校生によるソフトテニス交流」など、次世代の絆を育む活動を継続しています。

3 チンゲルテイ区との友好都市提携と深化する交流

 ホストタウン交流を永続的なレガシーとするため、焼津市は2018年よりウランバートル市チンゲルテイ区との交流をスタートしました。そして2024年に、正式な「友好都市」提携を締結いたしました。

 現在は小・中・高校生の青少年交流をはじめ、スポーツ、教育、行政、経済、防災など幅広い分野で「顔の見える、心と心が通じる自治体間交流」を展開しています。中でも、男子高校生バスケットボール国際親善試合は今年で6回目となり、スポーツによる青少年の交流の絆を深めました。また、友好の象徴として、焼津市内に「チンゲルテイ通り」が、チンゲルテイ区内にも「やいづ通り」がそれぞれ誕生し、両市民の身近な架け橋として親しまれています。

青少年交流高校男子バスケットボール親善試合
焼津市「チンゲルテイ通り」命名式

4 市民が主役となる多文化共生と草の根の活動

 こうした中、地域にモンゴル文化を根付かせ、市民が直接参画できる仕組みも強固なものとなっています。

モンゴル祭り「やいづナーダム」の定着

 市内で毎年開催されているこの祭りは、今年で6回目を迎えました。多くの焼津市民、そして在日モンゴル人同胞が一堂に会する地域の一大イベントとなっており、焼津の街にモンゴル文化が自然に溶け込んでいます。

「焼津モンゴル友好協会」の活動(2023年12月設立)

 個人・団体会員からなる同協会は、モンゴルからの訪日客への日本文化体験の提供や、現地モンゴルでの焼津市特産品のPR活動、各種イベントでのモンゴル紹介ブース設置などを主導しています。市民の皆様がモンゴルを身近に感じる機会を精力的に創出しています。

5 未来へつなぐ草の根外交の展望

 「北極星勲章」受章という大きな節目を迎えた焼津市とモンゴル国との交流は、未来へ向けてさらに加速しています。本年(2026年)秋に開催される「第20回アジア競技大会(愛知・名古屋)」では、モンゴル国パラ陸上代表チームの事前キャンプを再び焼津市で行うことが決定しています。

 東京2020大会のホストタウンに名乗りを上げてから始まった11年間の歩みは、単なる一過性のスポーツ交流を超え、国境を越えた強い絆と多文化共生社会を見据えた持続可能な自治体外交へと進化を遂げました。焼津市はこれからもモンゴル国との交流を推進し、市民の国際感覚を養うとともに、次世代へと続く素晴らしい交流の未来を紡いでまいります。

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