グローカル外交ネット
三重県とパラオ共和国の「トクベツ」な「キズナ」
三重県国際戦略・プロモーション推進課
1 はじめに
三重県とパラオ共和国は、1996年7月、同国のクニオ・ナカムラ初代大統領の来県時に友好提携を締結して以来、30年にわたり交流を重ねてきました。
日本から3,000キロメートル真南に位置する太平洋島嶼国のパラオと友好提携を締結することとなった背景には、クニオ・ナカムラ初代大統領の実父が三重県伊勢市出身であったこと、共に美しい海という豊かな自然に恵まれていること、そして、戦前に三重県鳥羽市の地場企業の真珠養殖場がパラオに存在したことなど、様々なつながりがあります。
今年、友好提携30周年という節目を迎え、さらなる関係強化を図るため、一見勝之知事が三重県知事として友好提携締結後初めてパラオを訪問しました。本訪問団は、服部三重県議会議長(当時)をはじめとする県議会議員、伊勢市役所、鳥羽水族館の関係者など総勢16名で構成されました。
2 大統領表敬訪問と合意書の締結
パラオのスランゲル・S・ウィップス・Jr大統領への表敬訪問では、当初の予定を大幅に超える約1時間にわたり、今後の交流・連携について活発な意見交換が行われました。
ウィップス大統領からは、昨年10月に就航したパラオと日本を結ぶ直行便により、移動時間が短縮されたことで、三重県との交流がさらに深まることへの期待が示されました。特に、ウィップス大統領は若い世代の交流を重視し、50年先を見据えて関係を強化していきたいと述べられました。
一見知事からは、5年前の友好提携25周年の際にはオンライン会談だったが、30周年という節目に直接お会いできたことを光栄に思うと述べるとともに、今回の訪問を通じて、パラオと日本の「トクベツ」な「キズナ」を一層強化したいとの意向を伝えました。また、大統領が日本を訪れる際には、ぜひ三重県にもお立ち寄りいただきたいと、今後のさらなる関係強化への期待を表明しました。ちなみに、「トクベツ」や「キズナ」は、日本語が元になったパラオ語で、日本語と意味も同じです。
この表敬訪問の後、両者の住民と文化への深い敬意に基づき、従来の交流分野に加え、より広範かつ重層的な連携を推進するため、友好提携30周年を契機とした「合意書」を締結しました。
合意書を締結したウィップス大統領と一見三重県知事
3 三重県PR・交流イベントの開催
三重県の魅力を紹介し、交流を深めるイベントでは、パラオ政府関係者、関係機関職員、パラオ高校の生徒やコロール小学校の児童など約90名が参加しました。
一見知事からは、三重県とパラオのこれまでの「トクベツ」な交流の歩みを振り返るとともに、観光や人材交流といった今後の新たな連携を通じて、美しい海がつなぐ「トクベツ」な「キズナ」を一層深めていきたいとのプレゼンテーションを行いました。
また、長年にわたり友好親善に貢献してきたパラオ高校とパラオ国際サンゴ礁センターには、三重県海外功労者表彰が授与され、受賞者からは感謝と今後の交流継続への意欲が示されました。さらに、コロール小学校、パラオ高校とそれぞれ姉妹校提携を結ぶ伊勢市立みなと小学校と県立水産高校からのビデオメッセージが披露され、生徒たちによる継続的な交流への期待が語られました。
会場に設けられた体験ブースでは、「伊勢うどん」の試食や伊賀の「かたやき」などの県産菓子の提供、「忍者衣装体験」、「手裏剣体験」、ポスター展示等を行いました。参加者からは、「伊勢うどんはパラオ人に好まれる味だと感じた」「忍者体験が楽しく、三重県をもっと知りたい」といった声が寄せられ、三重県への理解を深めるとともに、関心を高め、親しみを育む貴重な機会となりました。
海外功労者表彰の受章者を囲んで
4 ペリリュー島での慰霊・献花
パラオ南部に位置するペリリュー島では、先の大戦で犠牲となられた方々を慰霊し、平和を祈念しました。慰霊碑において献花と黙祷を捧げるとともに、本県出身の方も先の大戦で亡くなられていることから、一見知事が、三重県から持参した「伊勢市大湊海岸の砂」と県庁の「ツツジ」を手向けました。
また、日本国政府が設置した西太平洋戦没者の碑では、一見知事が三重県遺族会伊藤会長からお預かりした「追悼のお言葉」を代読し、遺族会の深い思いを捧げました。
さらに、第二次世界大戦記念博物館の見学を通じ、当時の戦闘の様子を伝える資料や写真に触れ、改めて戦争の悲惨さと平和の尊さを深く学びました。
併せて、友好提携締結の契機となった故クニオ・ナカムラ元大統領の墓所を訪れ、ご冥福を祈るとともに、その功績を礎として、今後も友好交流を一層発展させていくことを誓いました。
西太平洋戦没者の碑での慰霊
5 終わりに
三重県とパラオは、これまで教育分野や水産分野をはじめ、行政と民間による多岐にわたる交流を長年にわたり継続してきました。今回の知事訪問は、30年にわたる交流を振り返るとともに、次の50周年を見据えた新たな一歩となりました。引き続きパラオ側のニーズに応じた観光分野での交流深化などを通じて、「トクベツ」な「キズナ」をさらに深めていきたいと考えています。
これまで三重県とパラオとの交流に関わってこられた全ての皆さまに心より感謝申し上げます。また、今回のパラオ訪問にあたり多大なご支援を賜りました在パラオ日本国大使館の笠原大使をはじめ館員の皆さま、そして、駐日パラオ大使館のアデルバイ大使をはじめ館員の皆さまに、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。
