グローカル外交ネット

令和8年3月27日

埼玉県三郷市 企画政策課

1 はじめに

 2025年12月、埼玉県三郷市は、ギリシャ共和国サラミナ市と姉妹都市提携を締結しました。本稿では、これまでのギリシャ共和国との交流と、提携に至った経緯や今後の展望についてご紹介いたします。

2 三郷市とギリシャ共和国の交流

マラソン大会における交流

 三郷市は、埼玉県の東南端、都心まで約20キロメールに位置し、生活の利便性と自然が共存する、人口約14万人のまちです。ギリシャ共和国との交流は、2014年2月に開催した、みさとシティハーフマラソンから始まりました。きっかけは、ギリシャ共和国との交流につながりのある市内在住の青年から、「マラソン競技発祥の地としても知られるギリシャ共和国と、市として交流しては」との提案があったことです。
 また当時、駐日ギリシャ大使館でもギリシャ共和国との交流を望む自治体を探していたことや、2020年のオリンピックの開催地が東京に決まったことなどから、交流への期待が大きく膨らみ、みさとシティハーフマラソンにおいて、勝者の証であるオリーブ冠を大使館職員から上位入賞者に授与していただくという象徴的なセレモニーが行われました。
 その後、「未来を担うこどもたちのために」という市の想いがさらに深まり、駐日ギリシャ大使館職員をお招きして小中学生に講演をしていただく文化交流プログラムや、公立保育所・小中学校でギリシャ食文化に親しむ給食の提供、共立女子大学の木戸雅子名誉教授(以下、木戸教授)による中学生向けのギリシャ語講座といった、こどもたちに向けた交流事業が定期的に行われることとなりました。他にもギリシャの特産品を集めたギリシャ物産展や、東京2020オリンピックの際にはギリシャ陸上選手団の事前キャンプなどを実施し、市民が多様な価値観に触れ、国際理解を推進する機会を創出してきました。
 交流12年目となった2025年9月には、東京2025世界陸上に向けたギリシャ陸上選手団の事前キャンプを再び受け入れ、オリンピックの際にはコロナ禍で叶わなかった、市民との心温まる交流を実現することができました。
 このような経緯と気運の高まりを受けて、同年12月には、今後さらに市民の国際意識の向上を図り、魅力的で活力のあるまちづくりを進めるため、サラミナ市と姉妹都市提携を締結いたしました。三郷市は国内において長野県安曇野市、奈良県三郷町と友好都市提携を結んでいますが、海外の自治体との姉妹都市提携は初となります。

3 サラミナ市との姉妹都市提携の締結

左上から時計回りに、伊藤康一 駐ギリシャ日本国大使、ニコラオス・アルギロス 駐日ギリシャ大使、ヨルゴス・パナゴプロス サラミナ市長、木津雅晟 三郷市長

 三郷市と姉妹都市となったサラミナ市は、エーゲ海にあるサラミナ島全体を市域とする自治体で、首都アテネからは西に約23キロメートルに位置しています。同地は紀元前480年に起こったサラミスの海戦の舞台であり、2024年5月、佳子内親王殿下がギリシャを公式訪問された際に、島内のファネロメニ修道院を訪問され、その様子は多くのメディアでも取り上げられました。
 ファネロメニ修道院は、木戸教授が修復研究事業を行い、美しく蘇った聖堂壁画があることでもよく知られ、その功績から、木戸教授はサラミナ市の名誉市民となっています。
 姉妹都市提携に至るまでには、ニコラオス・アルギロス駐日ギリシャ大使(当時)からサラミナ市長に、三郷市の取り組みや想いをお伝えいただき、橋渡しをしていただきました。
 協定の締結式は、2025年12月5日(金曜日)、オンラインで開催し、木津雅晟 三郷市長とヨルゴス・パナゴプロス サラミナ市長が協定書への署名を行いました。
 当日は、提携に向けてご支援をいただいたニコラオス・アルギロス 駐日ギリシャ大使と、伊藤康一 駐ギリシャ日本国大使にもオンラインでご臨席いただき、温かなお祝いの言葉をいただきました。
 締結式は和やかな雰囲気で進行し、ヨルゴス・パナゴプロス サラミナ市長からは、「我々の二国は地理的には遠く離れていますが、豊かな文明と文化を有するなど、多くの共通点があります。この共通点を基に、これから三郷市と良好な関係を築いていけることを心から楽しみにしています。サラミナ市民と三郷市民の交流の発展は、双方にとって非常に大きな意義を持つものと確信しています」と期待あふれる様子でお話しいただきました。
 本提携は、文化交流をはじめ、教育及び青少年の協力、スポーツや産業の発展など幅広い分野で連携し、協力交流を通じて、相互理解と友好を深めるとともに、互いの発展と振興を図ることを目的としています。
 実際に市民が相互訪問するといった交流はこれからになりますが、現在、児童・生徒を中心とした交流の企画が進行中であり、地域の未来を形づくる大きな力となることが期待されます。

4 おわりに

市内小学校における交流

 国際化が年々進む中、この度の姉妹都市提携により、未来に向けて新たな一歩を踏み出すことができました。三郷市とサラミナ市は、地理的には距離は遠く離れていますが、心は一つ。新たな絆をもとに、地域同士がつながり、互いに理解し合うことで、市の国際化を推進し、地域の活性化につなげていきたいと思います。市の交流事業つきましては、下記でご覧いただけます。

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