グローカル外交ネット

令和8年2月19日

多摩市 文化・生涯学習推進課

1 交流のきっかけ

 東京都多摩市とアイスランドの交流は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会を契機として、多摩市が同国オリンピック選手団の事前キャンプ地に決定したことから始まりました。多摩市が事前キャンプ地として立候補した発端は、2018年11月に東京都内で開催されたANOC(国内オリンピック委員会連合)総会の事前キャンプ誘致ブースにおいて、アイスランド国立オリンピック・スポーツ協会の事務総長と多摩市の誘致担当者が名刺交換をした出会いにあります。その後、同年12月27日に全国の自治体で初めてアイスランドのホストタウンとして登録されました。
 事前キャンプは、2021年7月18日から開始し、アイスランドオリンピック選手団総勢8名が多摩市で練習を行いました。続いて、8月16日からはアイスランドパラリンピック選手団総勢16名が多摩市で練習を行いました。緊急事態宣言下ではありましたが、感染防止対策を行いながら、オンライン交流会や公開練習見学等の市民との交流、選手達に向けて日本文化を体験するレクリエーション等、様々なホストタウン交流事業が実施されました。

2 東京2020大会後の交流継続について

 ホストタウン交流事業を通して、駐日アイスランド大使館と、現在及び将来に向けて様々な交流を育て、両者の良好な関係と友好を深めることを目指して、2021年12月13日に「駐日アイスランド大使館と多摩市との友好協力関係に関する覚書」を締結しました。覚書において、より具体的なホストタウン事業の内容が示され、現在もこの覚書に基づいた交流が継続しています。
 多摩市では2021年以降継続的に、アイスランドの独立記念日である6月17日の前後9日間を「アイスランドウィーク」と定め、アイスランドについて学ぶ機会を提供するための事業を市内各所で実施しています。アイスランドウィーク中の主な事業として、市内の小中学校全校の給食でアイスランドの伝統料理にちなんだ「アイスランド給食」の提供や、市内各所でアイスランドに関する情報や風景写真の展示、市内商業施設の協力によるアイスランドに関するブースの出店、キッチンカーや駐日アイスランド大使館とコラボレーションしたアパレル販売、大使館職員による市内訪問など、市民がアイスランドを感じる多様な事業が行われています。
 2022年12月3日には、オリンピック・パラリンピック選手団の受入のお礼として、当時のグズニ・ヨハネソン大統領が多摩市を訪問し、歓迎会を実施したほか、市内にある株式会社サンリオエンターテイメント代表取締役社長の小巻亜矢氏とによる、女性活躍をテーマとしたトークセッションが行われました。

アイスランド大統領歓迎会

3 交流事業の拡大・レイキャビク市との関わり

 2023年6月18日には、駐日アイスランド大使館のアイスランド出身職員を講師として「アイスランド家庭料理教室」が実施されました。料理教室では、大使館職員考案のアイスランド国旗をあしらったデザートや、アイスランド産ラムを使った「キョートスーパ(羊と野菜のスープ)」などを作ったほか、市民から大使館職員にアイスランドに関する質問などを行う交流を行いました。また、多摩市国際交流センターの主催により、子ども達に向けて駐日アイスランド大使館訪問イベントの取組が行われました。
 このほか同年からは、多摩ニュータウン内でアイスランドの絵本等を翻訳出版する事業を営むゆぎ書房と、多摩市の連携が開始したことで、絵本をきっかけとしたアイスランドを理解する事業の展開が始まりました。ゆぎ書房の前田君江氏とアイスランド文学の翻訳者である朱位昌併氏の講演会や、市内にスタジオを有する日本アニメーション株式会社と「かいぶつ絵本シリーズ」のアニメーションがゆぎ書房と共同作成され、広く市民に向けて上映されました。これらの取組により、「かいぶつ絵本シリーズ」の原作者の1人であるアウスロイグ・ヨウンスドッティル氏が自身のブログで多摩市の取組を紹介し、多摩市の子どもに宛てたメッセージや直筆サインの入った絵本が贈られました。
 2024年6月19日には、駐日アイスランド大使が市内の小学校で児童たちと「アイスランド給食」を試食し、児童たちはアイスランドについて調べた成果を映像にまとめ大使に披露する交流が行われました。このほか、中学校などで講演会等を行い、子ども達がアイスランドについて触れ、学ぶ機会が提供されました。6月23日には、駐日アイスランド大使館のアイスランド出身職員と朱位氏が登壇し、アイスランド語でのトークセッションにより、市民がアイスランド語を体験する機会を提供しました。
 2023年度からは、産学官民が連携して設立した「多摩市観光まちづくり交流協議会」が、食で魅力をつくり来訪・滞在・再訪を促すため、「多摩市食プロジェクト」に取り組み、「アイスランド風メニュー」を飲食店とともに提供する取組を開始しました。2023、2024年度はアイスランドウィークをはじめとする市内イベントや市外イベントでの販売、2025年度には市内飲食店での「アイスランド風まちバル」を実施し、食を通したアイスランドの魅力により来街者を増やす取組を継続して実施しています。
 これら様々な交流事業を実施してきたことを踏まえ、レイキャビク市より姉妹都市提携の打診が多摩市になされ、2025年5月28日には、レイキャビク市長が多摩市を訪問し、「レイキャビク市と多摩市の友好関係構築に関する覚書」が締結されました。その後、11月14日には、レイキャビク市と初のコラボ企画によるアイスランド映画「女性の休日」や絵本に関するトークセッションのほかに、レイキャビク市職員もオンラインで登壇し、アイスランドの首都レイキャビク市での「女性の休日」50周年記念行事が市民に向けて紹介されました。参加者からは、レイキャビク市職員に直に質疑応答ができることなど、好意的な感想をいただきました。

駐日アイスランド大使の給食試食
レイキャビク市長訪問

 そして、アイスランドと日本の友好関係に尽力した功績が称えられ、阿部市長が「アイスランド外務省名誉勲章」を受章しました。同年12月12日に市役所にて伝達式が行われ、勲章と記念品のアイスランド絵本『本当にやる!できる!必ずやる!アイスランドの「女性の休日」』が市内公立小学校全校に贈られました。
現在、多摩市はレイキャビク市との姉妹都市提携に向けた準備を進めており、姉妹都市提携後は多岐にわたる分野において持続的な交流を推進していく予定です。

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