グローカル外交ネット

令和7年12月15日

浜松市産業部産業振興課

1 シンガポールでの浜松フェアの実施と現地での反響

伊勢丹スコッツ店の販売ブースで、浜松市長(左)と市議会議長(右)が来場者に産品を紹介。
会場には多くの来場者が訪れ、浜松産品に関心を寄せる姿が見られた。

 浜松市では、地域企業の海外展開と浜松文化の発信を目的として、2025年8月にシンガポールで「浜松フェア in シンガポール 2025」を開催しました。また、本企画の一環として、在シンガポール日本大使館 Japan Creative Centre(以下、JCC)との共催で特別イベントも実施しました。食、伝統産業、音楽、観光を総合的に紹介し、現地の幅広い層に浜松の魅力を体験いただく機会となりました。
 浜松フェアは8月22日から26日まで、伊勢丹スコッツ店に特設直売ブースを設けて行いました。23日には浜松市長や市議会議長も来場し、浜松産品の魅力を直接アピールしました。来場者はシンガポールの老若男女さまざまな方が来場され、特に鰻やみかんジュースは初日から人気が高く、2日目には完売するなど、浜松の特産品の人気の高さを実感する結果となりました。浜松銘菓や日本酒、抹茶なども好評で、遠州織物の扇子やハンカチ等にも多くの関心が寄せられました。
 また、SNSを活用した情報発信が集客に大きな効果を生みました。具体的には、開催前や開催期間中のシンガポールの人気インフルエンサー等によるInstagram投稿、YouTube動画紹介などが来場につながり、現地の生活者に対して自然な形で浜松の情報が広がっていきました。

2 JCCとの共催イベントと官民連携による発信効果

JCCで開催した招待制イベントには幅広い分野の参加者が集まった。

 23日には、JCCとの共催による招待制の特別プロモーションイベントを、同センターにおいて午前・午後の二部構成で実施しました。現地のインフルエンサー、メディア、飲食店・バイヤーなど計100名程度を招待し、JCC所長の挨拶と浜松市長によるトップセールスのほか、浜松産品の試食・試飲、食文化紹介、観光プレゼンテーション、浜松発祥の音楽関連企業によるエレクトーン演奏、遠州織物を使用した地元アパレルブランドのプレゼンテーション、ワークショップなどを行いました。演奏では10代の学生が出演し、音楽の都・浜松の特色も感じていただくことができました。
 参加者からは、みかんジェラートや鰻、餃子が特に高い評価を得たほか、「食べ物がとても美味しく、工芸品も美しかったです。」「浜松の多様性が感じられて素晴らしかったです。」「運営やおもてなしが丁寧だった」といった感想が多く寄せられました。アンケートでは満足度が非常に高く、来場者の浜松市への関心が一層高まったことを実感しました。また、食品、アパレル、工芸品の分野で商談や新たな協働の可能性が生まれ、地域企業の海外展開の具体的な一歩につながる成果も得られました。
 今回の事業では、日本文化や日本の地域の取り組みに高い関心を持つ方々に対し、現地で効果的にアプローチすることができた点において、JCCと共催したことの意義が非常に大きかったと考えています。また、JCCの職員の皆さまには、準備段階から当日の運営まで大変丁寧にご協力いただき、イベント全体を円滑に進めることができました。
 さらに、JCCと伊勢丹スコッツ店は徒歩10分圏内という近さにあり、JCCで浜松市の魅力に触れた後、そのまま伊勢丹に立ち寄り商品を購入される方が多かったことも、今回の成功につながりました。在シンガポール日本国大使館関係者の皆さまにも多くの場面でお力添えをいただき、国の文化拠点と自治体が協力して発信したことで、事業の信頼性と発信力が大きく向上したと感じております。

3 得られた成果と今後の国際発信への展望

 今回のシンガポールでの取り組みを通じて、浜松市の食、伝統産業、音楽、観光が持つ力を改めて実感しました。現地での反応や事業者の手応えは、私たちにとって大きな励みとなりました。
 今後も、海外で得た経験やつながりを生かしながら、市内の事業者が継続して挑戦できる環境を整え、浜松市の魅力を丁寧に発信するなど、地域産業の発展と、浜松市のブランド価値向上につなげてまいります。

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