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釧路市、カナダ・バーナビー市との姉妹都市提携60周年に寄せて
釧路市市民協働推進課
1 はじめに
釧路市とほぼ同緯度に位置するカナダ・バーナビー市は、カナダ西海岸沿いのバンクーバー市の隣街で、都市の規模や形態が釧路市と類似していることから、1963年(昭和38年)に駐日カナダ大使の仲介を受け、1965年(昭和40年)9月に釧路市長がバーナビー市を訪問し、お互いの最初の海外姉妹都市として提携を結びました。
2 釧路市訪問団のバーナビー市訪問

今年、姉妹都市提携60周年を迎え、両市で様々な記念行事が行われました。まず、7月10日から15日の日程で、釧路市長、釧路市議会議長をはじめ釧路公立大学学長を含む10名の公式訪問団がバーナビー市を訪問し、髙橋在バンクーバー日本国総領事や釧路市長賞(バーナビー市名誉市民賞)の歴代受賞者にもお立ち合いいただき、バーナビー市庁舎において、姉妹都市提携書の更新を行いました。


また、釧路公立大学と姉妹校提携を結んでいるサイモンフレーザー大学とキャピラノ大学を表敬訪問したほか、釧路市阿寒地区のアイヌ民族の彫刻家、床ヌブリ氏と床州生氏(床ヌブリ氏のご子息)による作品が展示されているバーナビーマウンテンを訪問しました。
「カムイミンタラ」(アイヌ語で神々の遊ぶ庭)と名付けられている、姉妹都市提携25周年を記念し、2年の制作期間をかけてアイヌの神々が彫られた木製彫刻群は、格調高く神秘的な空気をまとう芸術作品として、バーナビー市街地が見渡せるバーナビーマウンテンの「釧路パーク」の丘に設置されており、バーナビー市のシンボル的な場所として多くの市民に親しまれています。
さらに、記念行事の一環として、ブリティッシュ・コロンビア州最大の日系コミュニティー施設である、日系文化センター博物館で記念式典に参加したほか、「Kushiro Lane(釧路の小道)」と改名されたセンター敷地内の小道において、小道の制作に携わった地元の人々とともに、開通式にも参加しました。
3 バーナビー市訪問団の釧路市訪問


一方、9月12日から16日にかけては、バーナビー市から11名の公式訪問団と髙橋総領事を釧路市にお迎えしました。バーナビー市の「Kushiro Lane」と対をなす新たな釧路市の名所として、釧路川河口にある公園内の通りの一部を「バーナビーのこみち(Burnaby Path)」と命名し、ひがし北海道最大級の花火大会が催される「くしろ大漁どんぱく」祭りの初日である9月13日に、地元出身の大臣や地元選出の国会議員、北海道議会議員、髙橋総領事とともに看板の除幕式を行いました。
両市に新たに設けられた二つの小道は、これからも、末永くお互いの友好関係をつなぐ道となることが期待されています。
続く、姉妹都市提携60周年記念レセプションでは、7月の釧路市訪問団の公式行事の様子がバーナビー市制作のビデオにて紹介されたほか、同じく7月に釧路市で行われた両市の高校生のアイスホッケー交流事業について、主催者であるNPO法人東北海道スポーツコミッションによるスライド紹介が行われました。
両市ではアイスホッケーが盛んであることから、2008年(平成20年)から民間団体が主体となって、日系カナダ人と釧路市の高校生が親善試合やホームスティ、学校訪問などを行う親善交流が行われてきました。
コロナ禍による延期を経て、7年ぶり7回目となる今年の事業では、選手17名、スタッフ3名、家族10名、総勢30名が1週間釧路に滞在し、スポーツなどを通じた交流が行われました。
4 おわりに
60年間にわたる姉妹都市交流では、周年ごとの相互訪問や学生の相互交流事業のほか、コロナ禍で往来が困難な時期であっても陶芸愛好家らによる湯呑交換プロジェクト(You Know Me Project)を実施するなど、交流を深めてまいりました。
姉妹都市交流の継続と発展には、市民団体や民間団体との協力が不可欠です。今後も、60年の交流の歴史を大切に、釧路市姉妹都市協議会の構成団体の皆様や、NPO法人東北海道スポーツコミッションをはじめとする市民団体、民間団体、大学関係者の皆様とも連携し次世代につながる取り組みを進めてまいります。