グローカル外交ネット

令和6年3月25日

外務省地方連携推進室

研修生を歓迎する駐日インドネシア大使館職員

 令和6年2月7日、「令和5年度外交実務研修員研修」として、15名の外交実務研修員が駐日インドネシア大使館を訪問し、冒頭、インドネシアの概要について説明を受けた後、インドネシアと日本との二国間関係、インドネシアと日本の地方との間の連携等についての講義を受けました。

二国間関係について

研修風景

 2023年は我が国とインドネシアの国交が樹立されてから65周年で、同年6月17~23日には、天皇皇后両陛下がインドネシアをご訪問され、両国にとって記念すべき年となったということでした。
 また、インドネシアにとって、我が国は戦略的パートナー国の一つであり、同国に対し最も多くの投資を行っている国の一つであると同時に、インドネシアは日本に対し、低炭素発電、EV化、バイオエネルギー等の先端技術に欠かせない天然資源を供給している等、経済的にも強いつながりを持っているとの説明がありました。
 さらに、近年日本国内におけるインドネシア人居住者は、都市部、地方に関わらず幅広い地域で増加傾向にあり、在日インドネシア人の人数は、2023年時点で合計約12万人にのぼるとのことでした。

インドネシアと日本の地方との連携について

 インドネシアと日本の地方との間で行われている幅広い分野での連携の事例(宮城県庁及びインドネシア労働省間の宮城県の産業を支える人材確保に関する覚書への署名、インドネシアから札幌市円山動物園へのボルネオオランウータンのブリーディングローン供与、九州地方 におけるインドネシア政府によるビジネスフォーラムの開催等)についても説明がありました。
 中でも印象的だった事例は、インドネシアと宮城県気仙沼市との交流です。宮城県気仙沼市内には、現在500人を超えるインドネシア人が在住しています。2003年に、市内在住のインドネシア人を対象に、気仙沼みなとまつりにおいて、「バリパレード」が開催されたことをきっかけとして、インドネシアと気仙沼市の交流が始まりました。 インドネシアは2004年のスマトラ島沖地震の際にアチェ州の津波の被害からの復興に際し日本から支援を受けました。その後2011年の東日本大震災の際に、ユドヨノ大統領(当時)夫妻が気仙沼市を訪れ、被災者を激励し、復興資金として200万ドル(約1億6千万円)を寄付しました。その寄付金は、地震被害によって建て替えが必要だった気仙沼図書館の建設費の一部に充てられ、2018年3月に開館した施設内にある児童図書エリアは、「ユドヨノ友好こども館」と名付けられたとのことでした。
 また、愛知県は、インドネシア人が最も多く居住している県で、インドネシアは世界有数の自動車関連産業の集積地である愛知県において、自動車産業関係者、県庁関係者との密接な連携を図っている旨説明がありました。連携の具体例として、愛知県内の自動車産業関係者のインドネシアへの出張支援、愛知県庁と協力した、インドネシア人材と愛知県内企業のマッチングイベントやビジネスフォーラムの開催等について説明がありました。

最後に

駐日インドネシア大使館前での記念撮影

 研修の中で、駐日インドネシア大使館側から、「二国間の関係を発展させるには、政府間の交流だけでなく、地方政府や個人レベルでの交流が不可欠である。本日の研修を通してインドネシア及びインドネシアと日本の地方との交流について知っていただき、今後是非インドネシアを訪れていただきたい。」とのお話があり、多くの研修参加者が、時折頷きながら、聞き入っていました。
 今回の講義によって、インドネシアという国への理解を深めるとともに、日本とインドネシアの二国間関係やインドネシアと日本の地方との連携における様々な取組の重要性を改めて実感しました。有意義な研修を実施していただいた駐日インドネシア大使館関係者の皆様に改めて厚く御礼申し上げます。

グローカル外交ネットへ戻る