グローカル外交ネット

令和5年5月26日
在ラトビア日本国大使館

1. ルーイエナ町(現ヴァルミエラ郡)と北海道東川町

 1992年に北海道東川町でラトビアの写真展が開催されたことを契機に、ラトビア・ルーイエナ町と東川町との間で交流が開始されました。さまざまな交流が進む中、2008年に両町間で姉妹都市提携に係わる協定が結ばれ、毎年、東川町とルーイエナ町の高校生の相互派遣、町長や議員団の相互訪問等が行われている他、ラトビア民話絵本の日本語での発刊や高校生国際交流写真フェスティバルを通じた交流等、様々な交流が行われてきました。2010年からJETプログラムにより東川町役場に派遣されているルーイエナの国際交流員は、現在3代目です。コロナ禍中もオンラインでの相互交流が続けられ、2021年の行政区域改革によるルーイエナ町のヴァルミエラ郡への合併後も姉妹都市関係は継続されることとなりました。

2. 髙瀨大使のヴァルミエラ郡訪問

 姉妹都市提携15周年に当たる今年2月28日、髙瀨在ラトビア日本国特命全権大使はヴァルミエラ郡を訪問しました。
バイクス議長及び東川町の姉妹都市提携時代からルーイエナ町長として交流に携わっているグラドキンス副議長から、両町姉妹都市提携15周年という節目の年に髙瀨大使が訪問し、行政区域改革後初めての会談ができたことに歓迎の意が述べられました。髙瀨大使は、約30年に及ぶルーイエナ町と東川町との交流に敬意を表すとともに、ヴァルミエラ郡との間でも文化面、ビジネス面を含む幅広い交流が継続・発展するよう、引き続き協力していきたい旨述べました。
その後、髙瀨大使一行は、ルーイエナ町の展示ホールで職員から、1992年の交流開始のきっかけを作った西原義弘氏の説明を受けた他、「上を向いて歩こう」の弾き語りが演奏されるなど、歓迎を受けました。隣接する観光案内所内に併設されているジャパンルームでは、東川町から寄贈された日本の着物や雛人形等の品々を見せていただきました。また、東川町との姉妹都市提携調印を記念して設置されたポンプも視察しました。このポンプは、距離は遠くとも水で繋がっているという意味を持ち、両都市の友好の証としてとても重要な意味を持っているそうです。その後ルーイエナ民族センターで町の人々が作成する手工芸品などを見学し、ヴァルミエラ・ビール醸造所も視察しました。姉妹都市や日本ゆかりの地を巡り、現地の方との交流ができました。
訪問の翌日には、早速地元のウェブ記事にて訪問の様子(ラトビア語)別ウィンドウで開くが掲載されました。是非ご覧ください(ラトビア語ですが、交流の様子を伝える多くの写真も掲載されています)。
 
(写真1)ヴァルミエラ郡議会での意見交換 ヴァルミエラ郡議会での意見交換の様子
(写真2)姉妹都市提携調印を記念して設置されたポンプ前 姉妹都市提携調印を記念して設置されたポンプ前にて

3.東川町も訪問

 3月6日、髙瀨大使は日本帰国の機会を利用して東川町も訪問しました。東川町の日本語学校や国際交流施設、地域振興施設を、JETプログラムで東川町役場に勤務しているルーイエナ出身のアルタ国際交流員らと共に視察しました。その後、大使は東川町役場を訪問し、先日訪問したヴァルミエラ郡でのエピソードも交えながら、松岡町長(当時)らに15年間にわたる姉妹都市交流の継続に謝意を述べるとともに、菊池新町長(3月末就任)の下でも交流を継続・発展させていただくようお願いしました。また、コロナ禍中はオンラインの形で継続されていた高校生の相互訪問の再開を確認しました。6月にはヴァルミエラ郡の高校生4名が東川町に約2週間滞在し交流が行われる予定です。

4.ヴァルミエラにて「日本センター」がオープン

 去る4月初旬には東川町が賛助会員となっている日本ウズベキスタン・シルクロード財団の視察団(東川町からも2名参加)が、日ラトビア間の経済、教育、観光など多面的な交流の現状の視察を目的として、ラトビア・リガ市及びヴァルミエラ郡を訪問しました。ヴァルミエラ郡への訪問に際しては、ヴァルミエラと日本の間の協力促進とヴァルミエラの人々に日本文化に親しんでもらうことを目的として、着物や工芸品などを展示し、様々な日本関連イベントを実施する「日本センター」が財団の支援を得てオープンしました。このように、ヴァルミエラ郡・東川町間の交流はますます発展していくものと思われます。在ラトビア大使館としてもこうした交流を引き続き支援してまいります。
 
(写真3)東川町役場 東川町役場にて
グローカル外交ネットへ戻る