グローカル外交ネット

　山梨県とミナス・ジェライス（MG）州の姉妹提携は2023年に50年目を迎えます。当地赴任前には、同姉妹提携が50年目を迎えるという事実を知らず、昨年、初めてMG州へ出張した際に同州政府関係者からその話題に触れられ、初めて知った次第です。50年以上前の経緯について、その際には、即座にわからないところもあり、いずれも海に面していない内陸県・州とか、姉妹提携が決定した50年前に首都はリオデジャネイロからブラジリアに移っていたものの、首都に隣接する県・州といった要素もあったのかもしれないと勝手に想像していました。
　その後、姉妹提携の経緯について調べてみると、1968年及び1971年に山梨県知事がブラジルを訪問した際に、発展性のあるブラジルと経済及び文化の面での関係性を構築する必要性を感じたことがきっかけと知りました。また、MG州が水晶原石の輸出を通じて長年同県と深い繋がりがあること（同県は研磨宝飾の県として有名）、そして、富士山を有する同県と同じく自然豊かで風光明媚な景色を多く有していることに鑑み、こうした共通点の多い山梨県とMG州は姉妹提携に至ったとのことでした 。やはり、姉妹提携の多くは各自治体の特徴的な共通点が大きな理由になっているのだと、改めて感じさせられました。
　出張の際には、MG州政府関係者から、2023年が姉妹提携50周年という記念すべき年でもあり、山梨県との更なる交流を深めたいとの期待表明がありました。2022年にブラジルは大統領選挙に加え、全州において知事選も行われました。選挙で知事が変わることになれば、姉妹提携に少なからず影響があるかと心配していましたが、ロメウ・ゼマ知事は無事に再選され、2023年1月から更に4年間知事を務めることになりました。今後も、MG州政府が山梨県との交流に強い関心を持ち続けてくれることに私も期待しています。

　2023年3月3日から5日にかけて、MG州の州都ベロオリゾンテ市において、「ミナス日本祭」が開催されました。ここ2年間は、パンデミックの影響でオンライン開催でしたので、2021年4月に着任した私も初めての参加となりました。本年は職員2名と上記の交際交流員の計3名が来伯し、同祭りへの出席、そしてMG州政府関係者との意見交換を実施しました。MG州政府から山梨県への派遣職員も、同祭りの開催直前に帰国していたこともあり、MG州で彼らと再会を果たしました。
　地方連携推進の一環として、MG州政府関係者との意見交換に私もご一緒させていただきました。同意見交換では、山梨県庁関係者の姉妹提携50周年に向けた記念事業開催に向けた強い期待が表明され、MG州政府関係者からは、長年の同提携に対する山梨県側の努力（研修プログラムを通じたMG州政府職員の受け入れ等）に感謝が伝えられつつ、記念事業開催に向けては努力を惜しまない旨の表明がありました。今後、山梨県からもMG州からも、知事等のハイレベルの相互訪問が実現すれば交流は一層深まりますので、その実現に向けて私も努力したいと思います。