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3年ぶりの姉妹都市交流再開、地方レベルでの連携強化に向けて
在メルボルン総領事館
総領事 島田 順二
1 はじめに
日本とオーストラリアの関係は今や「特別な戦略的パートナーシップ」として最良の関係にあります。日本と価値観を共有するオーストラリアは、アジア大洋州の中で最も重要な友人でありパートナーであると言えます。そのような政府レベルでの安定した関係は、地方都市レベルの交流にも前向きな影響を与えることになると思います。
たとえばメルボルン市のあるビクトリア州は愛知県と、メルボルン市は大阪市とそれぞれ姉妹・友好提携関係にあります。
2022年10月、ビクトリア州のダソウ総督は東京で3年ぶりに対面で開催された日豪経済合同会議(AJBCC)出席のために訪日しました。その機会に、在メルボルン総領事として一時帰国して総督と一緒に愛知県を訪問しました。さらに、岐阜、大阪も回ってきました。地方レベルでの連携強化の例としてご紹介します。
2 訪問内容
2022年10月11日、大村愛知県知事主催のダソウ総督歓迎夕食会が名古屋市内で行われました。非常に打ち解けた雰囲気の中で、コロナの影響で滞っていた愛知県とビクトリア州の姉妹関係交流の再開が確認されました。また、スポーツの話題にも話が及び、活発な意見交換が行われました。2026年に愛知県は次回アジア大会の開催、ビクトリア州は次回のコモンウェルス大会の開催を予定しており、それぞれの準備状況につき情報交換し連携していくこととなりました。
翌日は、2022年11月1日にオープンした、ジブリパーク(愛知県と株式会社スタジオジブリの共同事業)でダソウ総督の内覧視察、大村知事・星野株式会社ジブリパーク社長による開幕式展が行われました。
ダソウ総督は、ご自身のご令孫がジブリのファンであるとしつつ、パークの中に一歩入るとテンションは急上昇。非常に素晴らしいパーク、11月1日のオープン後に多くのオーストラリア人が訪れることは間違いないと絶賛されていました。また、開幕式典では、大村知事より、愛知のジブリパークではなく、日本のジブリパークとしてジブリを世界に発信していくことが表明されました。
10月12日、名古屋市にいる間に、外務省の大先輩である古田岐阜県知事を訪問しようと岐阜に行ってきました。古田知事はメルボルンにおける岐阜県農産品(飛騨牛、いちご等)の普及に尽力されています。2019年にメルボルンを訪れてから3年になるので機会を見て再び訪問したいとのことでした。総領事館としても、知事の訪問は大歓迎ですし、また、天皇誕生日祝賀レセプションなどを通じて引き続きPRに協力していきたいと思います。
10月13日、大阪遠征中のメルボルン・ラグビー関係者との意見交換を行いました。メルボルン・レベルスはメルボルンを本拠地とするプロのラグビーチームです。近鉄ライナーズとパートナーシップ協定を結び3年前に大阪で交流試合を実施しました。コロナ禍で交流が中断していたところ今般ようやく交流再開となり、在メルボルン総領事として激励のために宿泊先を訪問しコーチ陣と意見交換しました。多くのコーチは日本のラクビーチームで選手として3~5年間活躍した経験があり、皆、日本語も堪能なのには驚きました。近鉄ライナーズとの間で選手育成の観点から選手交換プログラムを進めたいとのことでした。。当方からは、日豪の架け橋としてのラクビー関係者の協力を得て、日豪のスポーツ交を推進していきたいと応答しました。
10月13日、大阪にて、2025年日本国際博覧会が開催されることを受けて協会関係者から、現在の準備状況について説明を受けました。オーストラリアは重点国の一つであり、豪州パビリオンにも期待している、メルボルン市は大阪市と姉妹都市関係にあり、メルボルン市からの協力を得ていきたいとのことでした。
2023年はメルボルン市と大阪市は姉妹都市45周年ということで関連の行事が予定されています。また、2025年の同博覧会に合わせて、メルボルン大阪ダブルハンドヨットレースも予定されています。それらと連携して相乗効果を出していきたいです。総領事館も積極的に協力します。