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姉妹友好提携が生んだカーリング交流を中心に

令和4年2月28日

北海道総合政策部国際局国際課

1 はじめに

 2022年北京オリンピック競技大会が開催され、カーリング女子日本代表が史上初の銀メダルを獲得するなど、カーリング競技が盛り上がりを見せました。こうしたオリンピックや世界選手権といった世界の舞台におけるカーリング競技での北海道出身選手の活躍は、北海道、中国・黒竜江省、カナダ・アルバータ州との姉妹友好提携におけるカーリング交流をきっかけに生まれたものです。

2 アルバータ州から北海道、そして黒竜江省へ

(写真1)左:白黒写真、 右:カラー写真 左:ミニ樽とほうきでの練習風景(1980年、常呂町)
右:カーリング交流の様子

 カーリング交流は、北海道とアルバータ州との間で始まりました。北海道とアルバータ州が姉妹提携を結んだ1980年に、スポーツ交流の一環として来道したアルバータ州のコーチが、カーリングを見たこともなかった道民に対して講習会を開きました。1981年には、カナダから元世界チャンピオンが招かれ、指導者講習会を開催、以後、全道各地で講習会が開催されました。この講習会をきっかけに、道内各地域にカーリング協会が次々と設立され、1982年には「第1回北海道カーリング選手権大会兼アルバータ杯カーリング大会」(注)が開催されるなど、カーリングは一気に北海道内に普及していきました。
(注)同大会は今でも開催されており、2022年1月の大会で第41回を数えています。
 1981年にアルバータ州と黒竜江省が、1986年に北海道と黒竜江省がそれぞれ友好提携を結び、気候や風土が似ている3地域はスポーツなどで交流し合うことで合意しました。そして、1993年の3地域会議において、黒竜江省へのカーリング普及が合意に至り、北海道が指導者を、アルバータ州が用具を提供する形で、黒竜江省ともカーリング交流を行うようになりました。今では、中国全土にカーリングが普及すると共に黒竜江省出身者が中国代表チームの多数を占め、世界大会で優秀な成績を収めるまでになっています。

3 姉妹友好提携周年を迎えて

(写真2)オンライン記念事業を開催し覚書に署名の様子 黒竜江省との覚書署名
(写真3)オンライン調印式の様子 道議会・アルバータ議会オンライン調印

 北海道とアルバータ州は2020年に姉妹提携40周年、北海道と黒竜江省は、2021年に友好提携35周年を迎えました。北海道は両地域とカーリング交流などのスポーツを通じた交流のほかにも、経済、文化、教育など幅広い分野で交流を進めてきましたが、最近は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、人の往来による交流はできていません。しかしながら、黒竜江省とは、2021年11月にオンライン記念事業を開催し、「これまで進めてきたスポーツ交流のほか、文化、大学生同士の交流の拡大に向けて、インターネットによる交流の場を活用するなど、工夫を凝らして新たな形による交流を推進し、両地域の橋渡し役となる人材の育成に努める」といった内容の覚書に署名したところです。また、アルバータ州とは、同年3月に両地域の議会が交流に関する合意書に署名しており、これに基づく協力関係の強化が進められることとなっています。

4 おわりに

 北海道は両地域のほかにも、韓国・ソウル特別市、慶尚南道、釜山広域市、済州特別自治道、タイ・チェンマイ県、米国・マサチューセッツ州、ハワイ州、ロシア・サハリン州(順不同)の計6か国10地域と姉妹友好関係にあります。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、人の往来は大きく制限されていますが、こうした状況だからこそ、これまで培ってきたネットワークを活用しながら、様々な工夫をこらし、各地域と絆を深める交流を進めていきたいと考えています。

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