グローカル外交ネット
外務省での勤務
外交実務研究員 山岡 裕香
(岐阜県から派遣)
1 はじめに
2018年4月から,外交実務研修員として国際協力局国別開発協力第一課で勤務している山岡裕香と申します。外務省へ出向の打診を受けた時,私は責任のある仕事とは理解しつつも,外務省がどのような仕事をしているのか,正直,イメージすることが出来ませんでした。実際,外務省の業務は外交上のあらゆる分野,フィールドで展開されており,1年半近く勤務した今も確たるものとして説明することは簡単ではありませんが,このレポートでは,私が外務本省で実際に勤務した中で感じたことを中心に記載させていただきます。
2 国別開発協力第一課の業務
私が勤務している国別開発協力第一課は,東アジア,東南アジア及び大洋州地域に対するODA関連業務を行っています。
ODAとは,「Official Development Assistance(政府開発援助)」の略称で,開発途上地域の開発を主たる目的とする政府及び政府関係機関が開発途上国に行う資金や技術の協力の総称です。
ODAによって行われる活動には,主に開発途上国に対して保健や教育を含む様々な分野で必要な資金を贈与する「無償資金協力」,及び被援助国が将来返済することを前提として資金を供与する「有償資金協力(円借款)」,途上国が自立できるように日本の技術を伝える「技術協力」があります。一見分かりにくいかもしれませんが,ODAによる支援は被援助国の経済・社会状況を改善するのみならず,日本の高い技術力や誠実な仕事ぶりを被援助国の人々に知ってもらうことで,日本に対する信頼を得るとともに,その国で日本人や日系企業が活動する新たな機会を創出するとの側面もあります。
国別開発協力第一課において,私は主に中国・モンゴルのODA関連業務を担当しています。中国においては,対中ODA新規供与の終了という節目にODA関連業務に携わることができ,大変貴重な経験をさせていただきました。

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3 国別開発協力第一課の経験

(在モンゴル日本大使館HPより)
国別開発協力第一課での業務として,私が携わった事業の1つである「人材育成奨学計画(JDS)事業」を照会します。
JDSとは,将来,社会・経済開発に重要な役割な役割を果たすであろう若手行政官等を日本の大学院に受け入れ,帰国後に母国の開発のための中核的な役割をなすとともに,今後の日本との二国間関係の強化に貢献する人材となるよう育成することを目的とする無償資金協力事業です。モンゴルでは,2001年度から実施され,これまで約300名が日本に留学し,帰国後は,行政機関や大学,中央銀行など,様々な分野で活躍しています。昨年8月には,JDS事業で来日中のモンゴル人留学生の方が外務省にインターン生として来られ,短い期間ではあるものの机を並べて仕事をする機会もありました。JDS事業含むモンゴルに対するODA事業に対する感謝の言葉をいただくと共に,日本の生活になじみ,積極的に学ばれている様子を見て,日本とモンゴルの相互理解及び両国関係の更なる強化への貢献を感じることが出来る貴重な機会でした。
国別開発協力第一課での業務は,専門性が高く,自治体に戻っての活用を難しく感じることもありますが,業務の経験を蓄積して次の業務に活かすとの,仕事に向き合う姿勢は,国の業務であろうと,自治体の業務であろうと同じです。私自身も多くのことを学ばせていただきましたし,研修を通じて得た経験は自治体に戻り仕事を進める上で,必ず糧となると確信しています。
4 終わりに
国別開発協力第一課での勤務は,多忙ではあるものの,非常に恵まれた環境で本省研修を実施できていると感じています。この学びの機会を与えていただいた岐阜県,お世話になった国別開発協力第一課の上司・同僚をはじめ,外務省でお世話になった全ての人に改めて深く感謝いたします。多分にご迷惑をおかけしながらも,今も業務を行えるのは,皆様の温かく丁寧なご指導・ご配慮のおかげです。
外務省本省の残り時間も,この貴重な時間と経験に感謝しつつ,引き続き少しでも貢献できるよう精進したいと考えております。