グローカル外交ネット

令和4年8月22日

 外務省地方連携推進室
 栃木県真岡市秘書広報課
 和歌山県すさみ町

 2022年6月に日本と海外の地方自治体の間に新たな絆が芽生えました。今回はそれぞれの姉妹都市・友好都市提携の背景、署名式の様子をご紹介します!

1 栃木県真岡市とオーストラリア ハーヴィー市との友好都市提携(2022年6月21日)

(1)背景・経緯

 ハーヴィー市とは、2003年に真岡中学校とオーストラリンド・シニア・ハイスクールが姉妹校となって以来、両市合わせて300名を超える生徒が交流し、互いの文化や伝統を理解し合い、素晴らしい関係を築いてきました。
 学校間交流を進めていく中で、学生間だけではなく、広く市民レベルでの友好的な交流を両市の間で継続していきたいと考え、ハーヴィー市へ都市間交流が可能か打診したところ、2019年10月に、「真岡市との友好都市協定を支持する」との書簡を受け取りました。
 その後、両市長によるオンライン会談により、友好都市提携の意思を確認し、本年2月に真岡市議会へ議案を上程し、全会一致により議決を得て提携に至りました。

(2)式典の概要

 2022年6月21日、オンライン形式により、市議会議場にて友好都市提携のための署名式が行われました。両市ともに、市長をはじめ、市議会議員や学校の代表者などが出席しました。また、当日は、来賓として、駐日オーストラリア大使館よりトム・ウィルソン広報文化担当参事官にお越しいただき、両国語であいさつをいただきました。
 署名式は、最初にハーヴィー市のヌンガー族長老のレズリー・ユーグル女史による「Welcome to Country」が披露され、厳かな雰囲気で始まりました。その後は、真岡市の石坂市長、ハーヴィー市のポール・ギレット市長による式辞、両市の学生のあいさつ、互いの市を紹介するショートフィルムが上映されるなど、終始、和やかなムードで進行し、両市長が友好都市提携書に署名し、記念品を交換いたしました。
 最後には、クロージングパフォーマンスとして、尊徳太鼓保存会による和太鼓の演奏動画を上映し、モニター越しに両市出席者の記念撮影をして、式典は終了しました。

(3)今後の交流にかける期待・展望

 今後は、できるだけ早い時期にハーヴィー市を訪問し、ハーヴィー市の皆様と様々な分野において相互に協力、交流を推進し、両市の友好関係の構築を図っていく予定です。特に、農業や商工業、観光などの経済分野においては、グローバル社会の進展を見据え、情報交換などを活発に行い、両市の発展につなげていくことを期待します。

  • (写真1)左:真岡市の石坂市長、右:ギレット市長
    石坂市長とギレット市長の署名式典出席

2 和歌山県すさみ町とボスニア・ヘルツェゴビナ イェゼロ市との姉妹都市提携(2022年6月30日)

(1)背景・経緯

 2022年6月30日、ボスニア・ヘルツェゴビナ(以下「BH」)イェゼロ市と和歌山県すさみ町が姉妹都市を提携いたしました。
 両自治体が姉妹都市となったきっかけは、シニシャ・ベリャン駐日BH大使が2022年1月にすさみ町を訪問された事によります。大使は、自然が豊かであり、水産業や林業が営まれ、今後観光都市としての可能性がある等、自国イェゼロ市とすさみ町との間に多くの共通点が見受けられたことから2月に書面で姉妹都市提携をご提案くださいました。
 すさみ町としましても一国の大使からこのようなご提案をいただけた事は非常に光栄なお話でしたので、快く受諾したところです。しかしながら、なにぶん日本とはあまり馴染みのない遠方の国・自治体の事ですので、イェゼロ市の理解を深めるとともに、この姉妹都市提携を広く周知することを目的として、5月31日にベリャン大使に再度ご来町いただき、「大使を囲む会」を開催いたしました。囲む会には、町議会議員や町主要団体の代表、和歌山県職員らも出席し、ベリャン大使からBH国やイェゼロ市がどのような所であるのかをご説明いただき、大使とも親睦を深めていただきました。

(2)式典の概要

 姉妹都市提携の式典は、2022年6月30日の日本時間午後5時(BH時間午前10時)から、すさみ町防災センターとイェゼロ市議会議場をオンラインにて結ぶ形で執り行いました。
 式典には、日本側から岩田すさみ町長、岡本同町議会議長、下和歌山県副知事、伊藤駐BH日本国大使らが出席し、BH側からはルジチッチ・イェゼロ市長、カラガ同市議会議長、ミチッチ・スルプスカ共和国大統領顧問、ベリャン駐日BH大使らが出席されました。
 署名式は、終始和やかなムードで執り行われ、両自治体の紹介動画や両首長の挨拶、来賓祝辞の後、最後に記念品の交換が行われました。イェゼロ市からは「グスレ」という、素晴らしい彫刻が施された民族楽器をすさみ町に贈呈いただきました。また、すさみ町からは大漁旗をイェゼロ市に贈呈いたしました。これは、すさみ町が太平洋に面し、古くから漁業が盛んであることにもよりますが、縁起物とされている大漁旗は船の進水式にも用いられることから、イェゼロ市とすさみ町が姉妹都市となり、これからの新しい船出が、より素晴らしいものとなるようにとの願いを込めたものでもあります。

(3)今後の交流にかける期待・展望

 今後どのような交流を行うのかは、これから両自治体間で協議を進めたいと考えていますが、この姉妹都市提携は、BHと日本との間で初めて提携されたものですので、「署名して終わり」ではなく、産業や観光も含めた様々な形で末永く交流を続け、互いの自治体にとって良いものとなるよう取り組んで参りたいと考えています。
 最後になりますが、この姉妹都市提携に伴い、ご尽力を賜りました関係者の皆さまに、この場をお借りしまして御礼申し上げます。ありがとうございました。

(写真2)協定書を披露するすさみ町長(後方右)とイェゼロ市長(画面内右)署名に立ち会ったベリャン大使(後方左)と伊藤大使(画面内左) 協定書を披露するすさみ町長
(後方右)とイェゼロ市長(画面内右)
署名に立ち会ったベリャン大使
(後方左)と伊藤大使(画面内左)
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