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パンダが結ぶ友好都市(和歌山県と中国四川省の交流)
和歌山県企画部企画政策局国際課
川口喜寛
1 背景・経緯
和歌山県と四川省は、2020年3月に友好交流関係の発展のための覚書を取り交わし、より一層の友好協力関係を推進するため、コロナ禍においても積極的にオンラインを活用した交流を重ねてきました。
両県省における交流の歴史は、1994年に四川省から和歌山県へジャイアントパンダのペアが搬入され、和歌山県白浜のアドベンチャーワールドと四川省成都市のジャイアントパンダ繁殖研究基地が、「ジャイアントパンダ日中共同繁殖研究」を開始したことが端緒となっています。
今般、こうした官民による交流が実を結び、両県省間の友好都市提携に係る議定書に署名するに至りました。
2 四川省の概要
成都市を省都とする四川省は中国西南部の内陸に位置し、面積は48.5万平方キロメートル(日本の1.3倍)、人口は8367万人(2020年)、電子情報産業、製造業、食品加工業などが盛んです。
古くは3000年以上前の長江文明や三国志の蜀が栄えた歴史ある地域であり、九寨溝(きゅうさいこう)や峨眉山(がびさん)等の世界遺産に登録されている景勝地が有名です。
3 署名式典の概要
2022年1月26日、両県省間の友好都市提携に係る議定書署名式典が、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、オンラインにて行われました。署名式典には、和歌山県からは仁坂吉伸知事、四川省からは黄強(こう きょう)省長が出席し、議定書に署名しました。
また、垂秀夫駐中国日本国特命全権大使、孔鉉佑(こう げんゆう)駐日中国特命全権大使及び和歌山県選出の二階俊博衆議院議員からお祝いのメッセージが寄せられるとともに、立会人として、貴島善子在中国日本国大使館公使、髙田真里在重慶日本国総領事、張漪波(ちょう いは)駐日中国大使館公使参事官、劉磊(りゅう らい)在大阪中国総領事館副総領事がオンライン出席しました。
署名式典にあたり、黄強省長は、「今回の友好提携により、両県省の友好関係が新たな段階へ引き上げられた。今後、青少年の交流を強化するとともに、経済貿易、農業、観光、防災・減災などの分野において実務的な協力を全面的に推し進める」と述べ、仁坂知事は「両県省の文化や自然を双方の住民が享受できるようにしたい。両県省の友好関係が千年万年続くよう努力する」と述べました。
4 今後の予定
議定書では、青少年、防災・減災、観光、教育等の交流分野が盛り込まれており、今後両県省が協議を重ね、具体的な交流を実施していく予定です。一日も早く新型コロナウイルス感染症が収束して、オンライン交流だけでなく直接の対面による相互交流が実現することを期待されます。