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世界最新モデルとなる、人中心のストリートへ
大阪市建設局企画部企画課道路空間再編担当
大阪市と米国シカゴ市は、1973年11月の姉妹都市提携をきっかけとして、文化・スポーツ・経済等様々な交流を行っており、2023年に姉妹都市提携50周年を迎えます。また本市とオーストラリアのメルボルン市は、1978年4月の姉妹都市提携のほか、ビジネスパートナー都市提携(BPC)、姉妹港提携と多面的な交流を行っています。
2017年に本市のメインストリートである御堂筋が完成80周年を迎えたことを契機として、御堂筋完成80周年記念事業を実施し、シンポジウムやワークショップ、御堂筋を華やかに演出する取組を行いました。こうした取組を一過性のイベントに終わらせるのではなく、80周年以降も将来の御堂筋のあり方を官・民で検討し、新しい御堂筋づくりを進めていくために取り組んでいるところです。
そうした中で、道路を通じて魅力的なまちづくりを展開するために、御堂筋の魅力や取組を世界に向けて情報発信することや、御堂筋と同様のメインストリートを持つ海外の大都市と多様な知識と経験を共有することを目的として、姉妹ストリート協定の締結に向けた取組を行いました。2018年3月に大阪市と姉妹都市提携40周年であったメルボルン市と、また、同年6月に姉妹都市提携45周年であったシカゴ市と姉妹ストリート協定を締結し交流連携を進めています。
メルボルン市のメインストリートである「スワンストンストリート」では、2013年に自動車の通行が制限されるとともに、歩行者と自転車の利便性と安全性の向上をめざした空間再編が行われました。また、シカゴ市のメインストリートである「ザ・マグニフィセント・マイル」は、美しい住宅、一流のブランドショップが軒を連ね、ライトフェスティバルなど、官・民が連携して、ストリートを利用した賑わい創出を実現しています。
姉妹ストリート協定を締結しているこれら2都市とは、年に1~2回のWEB会議などを通じて、道路空間における賑わいを創出するためのインフラ設備や、道路における緑化などの技術交流を行っています。
2022年6月には、シカゴ市において姉妹ストリートの記念碑を設置するセレモニーが行われ、大阪市と御堂筋沿道の民間事業者が参加しました。
12月には、シカゴ市からワールド・ビジネス・シカゴ、ザ・マグニフィセント・マイル協会を大阪に招聘し、両団体による講演会を実施するとともに、大阪市・メルボルン市・シカゴ市の姉妹ストリート連携3都市会議を開催しました。それぞれの都市が培った技術、経験の共有は、メインストリートを活かした賑わいの創出、都市魅力の向上・活性化に貢献しています。
今後、シカゴ市、メルボルン市をはじめ、メインストリートを活かした都市の魅力向上に取り組む世界の都市による、世界ストリート国際会議の開催をめざしています。各都市が思い描く「みちの将来像」について議論し、得られた成果を2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)開催期間に「御堂筋」に具現化し、来場する方々に「みちの将来像」を体験してもらいたいと考えています。