地球環境

(Sustainable Development)

平成27年2月4日

1 「持続可能な開発」とは

 「環境と開発に関する世界委員会」(委員長:ブルントラント・ノルウェー首相(当時))が1987年に公表した報告書「Our Common Future」の中心的な考え方として取り上げた概念で,「将来の世代の欲求を満たしつつ,現在の世代の欲求も満足させるような開発」のことを言う。この概念は,環境と開発を互いに反するものではなく共存し得るものとしてとらえ,環境保全を考慮した節度ある開発が重要であるという考えに立つものである。

2 「地球サミット」から「リオ+20」へ

(1)「国連環境開発会議」(「地球サミット」)(1992年)

 1970年代始め頃から人間環境について様々な決定がなされるようになり,その後,オゾン層の破壊,地球温暖化,熱帯林の破壊や生物多様性の喪失など地球環境問題が極めて深刻化し,世界的規模での早急な対策の必要性が指摘された。その結果,1992年に,リオデジャネイロ(ブラジル)において「国連環境開発会議」(UNCED,「地球サミット」)が開催され,環境分野での国際的な取組みに関する行動計画である「アジェンダ21」が採択された。同会議には,182か国及びEC,その他多数の国際機関,NGO代表などが参加した。

(2)「国連環境開発特別総会」(1997年)

 「地球サミット」から5年を経た1997年6月,ニューヨークの国連本部において国連環境開発特別総会(UNGASS)が開催され,「アジェンダ21の一層の実施のための計画」が採択された。

(3)「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(「ヨハネスブルグ・サミット」)(2002年)

 2002年9月,アジェンダ21の見直しや新たに生じた課題などについて議論を行うため,ヨハネスブルグ(南アフリカ)において,「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(WSSD,「ヨハネスブルグ・サミット」)が開催され,世界の政府代表や国際機関の代表,産業界やNGO等2万人以上が参加し,21世紀初頭を飾るに相応しい地球環境問題を考える大規模な会議となった。また,成果文書として「持続可能な開発に関するヨハネスブルグ宣言」と「ヨハネスブルグ実施計画」が採択された。

(4)国連持続可能な開発会議(「リオ+20」)(2012年)

 2012年6月,「地球サミット」から20周年となる機会に,同会議のフォローアップを行うため,リオデジャネイロ(ブラジル)において,国連持続可能な開発会議(「リオ+20」)が開催され,国連加盟188か国及び3オブザーバー(EU,パレスチナ,バチカン)から97名の首脳及び多数の閣僚級(政府代表としての閣僚は78名)が参加したほか,各国政府関係者,国会議員,地方自治体,国際機関,企業及び市民社会から約3万人が参加した。また,成果文書として「我々の求める未来」が採択された。

3 持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム

 2012年6月の「リオ+20」において,持続可能な開発に関する国際社会の取組をフォローし,また牽引する枠組として,ハイレベル政治フォーラムを創設することに合意し,2013年9月の第68回国連総会において設立会合が開催された(同フォーラムは,1993年に設立された持続可能な開発委員会に代わるもの)。ハイレベル政治フォーラムは,毎年閣僚級会合が開催され,4年に1回国連総会開会時に首脳級会合が開催される。

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