
国連気候変動枠組条約第17回締約国会議
閣僚級非公式準備会合(プレCOP)
における日本のメッセージ
平成23年10月21日
【長期的な大幅削減の必要性】
- 2℃目標を認識しつつ,世界全体で2050年半減を目指すべき。
【将来枠組みの構築】
- すべての主要国が参加する公平かつ実効性のある国際的枠組みを構築する,新しい一つの包括的な法的文書の速やかな採択が我々の目指す最終目標。
- これを直ちに実現することは困難な状況であるが,ダーバンCOP17ではこの将来枠組みに向けて前進しなければならない。
【将来枠組みを見据えたダーバンの成果】
- 具体的には,
- (1) カンクン合意の着実な実施
- (2) 将来の包括的枠組みに向かう道筋を明らかにし,必要な作
業に着手
- (3) 将来枠組みに至るまでの「移行時期」における排出削減努力と適応 努力の推進
の3点をダーバンの重要な成果とすべき。
【移行時期の対応】
- カンクン合意の実施をさらに推し進めることが重要。具体的には,
- 各国がそれぞれの削減目標・行動をプレッジし,それを着実に実施。
- 国際的にMRV(測定・報告・検証)を通じて実施状況の透明性を確保。
- 将来的な法的枠組みの構築に向けて,カンクン合意に位置づけられた2013/2015年レビューを実施。
- なお,京都議定書第二約束期間については,我が国はこれに加わらないとの立場に変わりはないが,CDMなど議定書の一部の要素は必要な改善を加えた上で,今後も活用可能。
【我が国の取組】
- 今,我が国は,地震・津波と原発事故という国難を乗り越えるべく最大限の努力をしているところ。今夏,昨年に比べ,東京・東北電力管内で15%超の節電を実現。
- 我が国が地球温暖化対策に積極的に取り組むという姿勢は,震災後も変わらない。今後,原発の安全性を高めつつ依存度を下げていくこととしており,新しいエネルギーベストミックス戦略・計画策定に向けた検討と今後の温暖化対策の検討を表裏一体で進めている。その中で,再生可能エネルギーの固定価格買取制度など大胆に省エネ,再生可能エネルギーを推進していく。
【技術・市場・資金】
- 地球温暖化対策に効果的に取り組むためには,国際的な枠組みの構築に加え,先進国,途上国が連携して技術,市場,資金を総動員する必要。具体的には,
- 1) 長期的な視野に立った更なる排出削減のための技術革新
- 2) 低炭素技術の移転・普及促進,新たな市場メカニズムの構築
- 3) 途上国,とりわけ脆弱国に対する切れ目無い支援の実施
- (ア) 2012年までの短期支援の着実な実施
- (イ) 緑の気候基金の早期設立を含め2013年以降も支援を継続
- (ウ) アフリカ,小島嶼国など脆弱国に対する支援を最重視(適応分野に対する十分な配慮,官民連携の強化,低炭素成長に向けた支援(含,アフリカ低炭素成長戦略の策定)及び脆弱国との政策対話の強化,人材育成の重視)
- こうした必要性に世界全体が向き合い,具体策を講じていくことが必要。我が国も各国と連携して取り組む所存。
(参考資料)気候変動問題における我が国のイニシアティブ(案)(PDF)
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