地球環境

国連気候変動枠組条約第17回締約国会議
閣僚級非公式準備会合(プレCOP)
(概要)

平成23年10月21日

1.会合の概要

(1)日程・場所

10月20~21日 於:南アフリカ共和国・ケープタウン

(2)出席者等

  • 参加国:約40の国及び地域
  • 議長:マシャバネ・南アフリカ国際関係・協力大臣
  • 日本:横光環境副大臣,寺田環境省地球環境審議官,平松外務省地球規模課題審議官,菅原経済産業省産業技術環境局長 他

2.議論の概要

(1)総論

  • 本年末に南アフリカ・ダーバンで行われる国連気候変動枠組条約第17回締約国会議(COP17)で目指すべき成果について閣僚レベルで率直な意見交換が行われた。
  • 具体的には,気候変動に関する将来の枠組みと京都議定書の在り方,温室効果ガス排出削減における各国の取組,資金供与や技術移転を通じた途上国支援等,幅広い分野に関して議論が行われた。

(2)COP17の成果

  • COP17に向けて,バランスの取れた公平かつ信頼性のある成果を目指すべきとの認識が共有され,カンクンで合意された事項を着実に実施することが具体的な成果になるとの点で意見の一致が見られた。また,気候変動の枠組みに関する議論においては,ルールに則った多国間の仕組みを維持することの重要性が確認され,多くの国から,COP17では将来の包括的な枠組みと京都議定書の双方についての進展が必要であることが指摘された。
  • 我が国は,京都議定書の第二約束期間には参加しない意思を明らかにした上で,将来の包括的枠組みに向かうための道筋として,COP17において以下の6点について合意することを各国に提案した。
    • カンクンで合意した事項を将来の枠組みの基礎とすること。
    • 包括的な枠組みができるまでの間も全ての主要国が目標等を掲げて排出削減努力をすること。
    • カンクン合意に基づく国際的MRV(測定・報告・検証)の実施に必要な事項について合意すること。
    • 京都議定書の一部の要素は改善を加え今後も活用すべきことを念頭に,2013年以降もルールに則った枠組みを維持すること。
    • カンクン合意に位置づけられた2013/2015レビューを踏まえつつ,新たな枠組み構築のための国際的議論を行い,合意すること。
    • 技術,例えば二国間メカニズムなどの新たな市場メカニズム及び途上国への資金支援の総動員が必要であること。

(3)排出削減における取組と透明性確保

  • 多くの国から,各国の排出削減の取組をさらに野心的なものにする必要があることが指摘され,その方策について意見交換が行われた。また,各国の取組の透明性を高めることが重要であるとの認識が共有された。
  • 我が国からは,各国がそれぞれの削減目標・行動をプレッジし,それを各国内で着実に実施するとともに,国際的に透明性を高めることが重要であると主張した。また,我が国の国内における取組を紹介するとともに,温暖化対策に効果的に取り組むためには,更なる排出削減のための技術革新,低炭素技術の移転・促進とそれに資する新たな市場メカニズムの構築,及び,途上国に対する切れ目ない支援の実施が必要であり,我が国としても各国と連携して取り組んでいくとの決意を表明した。

(4)途上国支援

  • 世界全体で排出削減に取り組むためには,技術移転や資金供与を通じた途上国における削減を強化するための支援や,適応のための支援が重要であるとの点で一致し,その在り方について意見交換が行われた。
  • 我が国からは,まずは2012年末までの短期支援を着実に実施することが重要であること,我が国は官民あわせて150億ドルの短期支援のうちすでに113億ドルを実施したこと,脆弱国に対する切れ目ない支援を実施することが重要なこと,アフリカや小島嶼国といった脆弱国への支援を最も重視すべきことを主張した。

(5)その他

  • 南アフリカ,中国,米国,メキシコとそれぞれ二国間会談を行い,交渉の現状,COP17の成果,気候変動分野における二国間協力などについて意見交換を行った。
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