軍縮・不拡散

原子力供給国グループ(NSG)クライストチャーチ総会
(概要)

平成22年7月

 2010年6月24~25日,ニュージーランド・クライストチャーチにて開催された原子力供給国グループ(NSG)第20回総会の概要は以下のとおり((注)NSG参加国は46ヶ国で欧州委員会がオブザーバー参加)。

1.新議長の選出

 ニュージーランドが新議長国として選出された(新議長はマクミラン同国在ウィーン代表部大使)。ニュージーランド政府を代表してテ・ヘウヘウ軍縮・軍備管理担当大臣より開会の挨拶がなされた。その中で,同大臣より,ニュージーランドは,核不拡散及び核テロ撲滅のための国際的努力を支持することを再確認し,また,効果的かつ透明性のある輸出管理は核不拡散に実質的に貢献する旨述べた。また,同大臣は,NPT(核拡散防止条約)運用検討会議の成功理の開催を歓迎し,合意事項を言葉から行動に移す重要性を強調した。

2.今次総会内容

  1. (1) NSGは,NSG非参加国との関係の進展に関する一般的な報告について留意し,現在進行中の協議及び透明性の重要性について同意した。
  2. (2) NSGはインドに対する民生用原子力協力に関する声明の実施について協議し,インドによるNSGガイドラインの遵守及び自発的な約束に係る行動に留意した。
  3. (3) NSGの権限の枠内で,北朝鮮による核実験の公表及びイランの核計画がもたらす拡散上の懸念が共有された。NSGは,イラン及び北朝鮮の核問題の平和的方法による解決に向けた外交努力に対する長年の支持を繰り返した。
  4. (4) 参加国は,不拡散体制上の肯定的また否定的な動き及び特定の懸念国・地域に焦点をあてた情報交換を行った。
  5. (5) 参加国は,全ての国に対し,いかなる貨物又は技術の輸出も核兵器計画に寄与することがないよう警戒し,最大限努力するよう呼びかけた。民生用原子力発電に対する需要の増大にかんがみ,NSGは,合法的な貿易を阻害することなく拡散懸念に対処する必要性について言及し,また,NSGガイドライン及び同規制リストに基づいて審査・執行を行う重要性を再確認した。
  6. (6) NSGは,技術的進歩に応じ,規制リストを改訂する重要性を強調し,これらリストの総合的見直しのための技術部会の設置につき同意した。
  7. (7) 参加国は,濃縮・再処理の技術移転の規制に関するガイドライン強化のため,更なる方策を引き続き検討することで同意した。
  8. (8) NSGは,無形技術移転及び最終需要規制に関する課題に対処するため,参加国による慣行について協議した。
  9. (9) NSGは,NSGの活動について保秘及び透明性のバランスを保つためのガイドラインに同意した。
  10. (10) 参加国は,NSGの目的に関連する国連安保理決議の国内実施について意見交換を行った。
  11. (11) 総会は,NSG非参加国とのアウトリーチ活動に関する報告を受けた。
  12. (12) 将来のアウトリーチ活動の対象及び形式について議論が行われた。

3.次回NSG総会は,2011年6月にオランダにおいて行われることとなった。


(注)同総会にて発出されたパブリック・ステートメントについてはこちら(PDF)PDF他のサイトヘに掲載されている。


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