
(仮訳)
CTBTに関する閣僚共同声明
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)
2010年9月23日
ニューヨーク
- 本声明を発表した我々外務大臣は,世界から核兵器の実験的爆発をなくし,核軍縮と不拡散に貢献する包括的核実験禁止条約(CTBT)に対する強い支持を再確認する。
- CTBTの署名開放から14周年を迎える本年,我々は,CTBTが核軍縮・核不拡散分野における重要な手段であることを強調する。CTBTは,核兵器不拡散条約(NPT)の無期限延長が認められた同条約の締約国による1995年の合意の不可分の一部をなしている。2010年NPT運用検討会議は,国際的核軍縮・不拡散体制の中核的要素として,CTBTの早期発効が極めて重要であるということを再確認した。
- 我々は,閣僚レベルでかつてないほどの出席を得た2009年9月の包括的核実験禁止条約発効促進会議(第14条会議)が,フランス及びモロッコの共同議長による見事な采配の下,CTBTの署名及び批准を推奨するための国際法に合致する措置をまとめた宣言をコンセンサスによって採択したことを想起する。CTBTの発効は,多国間の核軍縮・不拡散の一層広範な枠組みにとって極めて重要である。我々はまた,2008年12月2日の国連総会決議64/35において,8月29日が「核実験反対の国際の日」として宣言されたことを想起する。
- 我々は,CTBTが,核兵器の拡散をそのすべての面で防止するだけではなく,核兵器の開発及び質的改良を阻止し,また,高度な新型核兵器の開発を終わらせることによって重要な貢献を果たすものであることを確認する。
- 我々は,CTBTが現在,182か国による署名及び153か国による批准を得て,ほぼ普遍的な支持を獲得していることを歓迎する。我々は,昨年の第14条会議以降に実現した,マーシャル諸島共和国,トリニダード・トバゴ及び中央アフリカ共和国による批准を歓迎する。CTBTの発効に批准が必要な44カ国のうち,9か国が未だ批准をしていない。
- 我々は,未だCTBTを署名及び批准していないすべての国,特にその発効に批准が必要な国に対して,ただちに署名及び批准するよう要請する。一部の発効要件国において,批准に向けた前向きな動きがあることを認めつつ,我々は,すべての発効要件国に対し,可及的速やかにCTBTを批准するよう強く奨励する。我々は,未署名国及び未批准国を励まし,支援する署名国及び批准国による広範な二国間及び多国間の働きかけの努力を評価する。我々は,2010年NPT運用検討会議最終文書において勧告されたように,CTBTに最も高い政治レベルの注目を向けさせ,また,署名及び批准プロセスを促進するための措置を講じることを,個別に及び共同で約束する。我々は,法的及び技術的な情報及び助言の提供によりそのようなプロセスを促進する包括的核実験禁止条約機関準備委員会の努力を支持する。
- 我々は,すべての国に対して,核兵器の実験的爆発及びその他すべての核爆発のモラトリアムを継続するよう要請する。このようなモラトリアムの自発的な遵守は歓迎される措置であるが,CTBTの発効と同様の永久的かつ法的な拘束力を有さない。我々は,CTBTの基本的な義務に関する我々のコミットメントを再確認するとともに,すべての国に対して,CTBTが発効するまでの間,条約の目標と目的を無効とするような行動を差し控えるよう要請する。
- 国連安保理決議第1718号(2006)及び第1874号(2009)において国際的に非難された,2006年10月9日及び2009年5月25日に北朝鮮が発表した核実験は,CTBTの可及的速やかな発効が緊急に必要なことを明らかにした。六者会合の枠組みで合意された共同声明の成功裡の実施を通じた核兵器の問題の平和的解決の必要性を強調し,また,国連安保理決議第1718号及び第1874号を含む国連安保理関連決議の完全な遵守の重要性を想起し,我々は北朝鮮に対し,更なる核実験を行わないよう,また共同声明に従って核兵器及び現存する核プログラムを完全かつ検証可能な形で放棄するとの約束を果たすよう要求する。我々は,CTBT検証体制が前述の核実験を成功裡に探知したことに留意する。
- 我々は,CTBTが発効した際に,条約の遵守を検証することができることとなる検証体制のすべての要素の構築が進展していることを歓迎する。我々は,最も効率的に,かつ費用対効果の良い方法で検証体制を完成するために必要な支援を引き続き提供する。我々はまた,CTBTの下での検証能力を高めるための技術的な協力を推進する。
- CTBT検証体制の国際監視制度は,その主要な機能に加え,波形及び放射性核種の技術やその他のデータ利用の民生及び科学的応用を通じて,すべての国,並びに津波警報システム及びその他の災害警報システムに対し,科学的及び民生上の利益を提供する。我々は,これらの利益がCTBTに合致する形で,国際社会によって広く共有されることを確実にするための方途を引き続き追求する。
- 我々は,すべての国に対し,CTBTの早期発効に向けて最大限の努力をするよう求める。我々は,この目標を達成するために専念する。