人権外交

Human Rights Council Advisory Committee

令和6年2月21日

 人権理事会諮問委員会は、18名の個人資格の専門家から構成される機関で、人権委員会の下部組織だった従来の人権小委員会を人権理事会の下部組織としてスリム化し、人権理事会への助言機能を明確にしました。

1 候補者の指名

  • 人権理事会に最も適切な専門家からの意見を提供することの確保が目的。
  • 国連加盟国がそれぞれの地域から候補者を提案可。
  • 候補者の技術的・客観的な要件として、人権分野における定評ある能力と経験を有すること、高潔な倫理観を有していること、独立性と公平性を有することが規定された。
  • 政府や他の機関における政策決定権を持つ立場にある人物は候補者として除外される。

2 委員の選出

  • 合意された要件に基づき提出された候補者リストから、人権理事会理事国(47か国)による秘密投票で選出。ジェンダーバランス及び異なる文明と法体系を適切に代表するべく考慮を払う。
    アフリカ5議席、アジア5議席、東欧2議席、ラ米3議席、西欧その他3議席の合計18名の委員から構成される(人権小委員会は26名)。任期は3年で、再選は1回まで。最初の任期は、委員の3分の1の任期が1年、3分の1の委員の任期が2年、残りの3分の1の委員の任期が3年とし、これらはくじ引きで決める。

3 機能

  • 人権理事会が要求する方法と形式で、人権理事会に専門的意見を提供する(研究の結果と調査に基づく助言を主に集める)。
  • 諮問委員会の助言の範囲は人権理事会の任務に関するテーマ別の問題に限定される。
  • 諮問委員会は決議や決定の採択をしない(助言機能のみ)。
  • 諮問委員会は、人権理事会が定めた任務の範囲内で、手続の効率向上や任務に関する更なる調査について提案を行うことができる。

4 作業方法

  • 年間最大2回、10日間開催。人権理事会の事前の承認があればさらに開催することも可能。
  • 諮問委員会は新たな作業部会の設立を自ら決定することができない(新たな作業部会の設立は人権理事会が決定)。
  • 諮問委員会は、その任務の実施にあたり人権理事会が採択する方法に従い、国家や国内人権機関、NGOや市民社会との対話を行う。
  • 国家、国内人権機構、NGOや市民社会は経済社会理事会決議1996/31を含む規則や人権委員会及び人権理事会の慣行に従い参加する。

5 日本の取組

  • 2008年4月から2013年9月まで、坂元茂樹神戸大学大学院法学研究科教授が人権理事会諮問委員会委員を務めました(2期)。
  • 2013年9月から2019年9月まで、小畑郁名古屋大学大学院法学研究科教授が同委員を務めました(2期)。
  • 2019年10月から2022年9月まで、中井伊都子甲南大学法学部教授が委員を務めました(1期)。現在の諮問委員会委員一覧はこちら。
  • 坂元委員が主導し、同委員会は、ハンセン病差別撤廃を目的とする原則及びガイドライン(P&G)の作成を進めました。また、小畑委員が主導し、同委員会は、我が国提出のハンセン病差別撤廃決議に基づき報告書を作成し、特別報告者の設置を勧告するなど、重要な役割を担いました。
  • 日本は、国・地域の人権状況及び人権上の諸問題の解決に向けて、引き続き人権理事会の活動に積極的に貢献していきます。
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