
国連軍縮フェローシップ・プログラム(訪日の概要)
平成24年10月5日
9月27日(木曜日)から10月4日(木曜日)まで,「国連軍縮フェローシップ・プログラム」により,ワン国連軍縮部上席政務担当官他25か国25名の外交官等が訪日したところ,概要以下のとおり。
1 事業概要
- (1)国連軍縮フェローシップは,特に開発途上国における軍縮専門家を育成するために,1978年の第1回国連軍縮特別総会において設置が決定され,1979年以来国連及びジュネーブ軍縮会議における研修,関係国への訪問等の形で毎年実施されてきている。
- (2)我が国は,1982年の第2回国連軍縮特別総会における鈴木善幸総理演説において本計画参加者の広島及び長崎招待の提案を行い,翌83年以来毎年約30名の各国若手外交官等の訪日を実現している。本年は30年目にあたり,本年を含めこれまでに786名の参加者が我が国政府の経費負担により本邦を訪問している。
2 訪日プログラム
- (1)9月28日(金曜日),外務省において,廣瀨行成外務省軍縮不拡散・科学部審議官により,日本の核軍縮・不拡散政策に関するブリーフ(標題:"Overview of Japan's efforts on Nuclear Disarmament")を実施した。
- (2)9月29日(土曜日),広島において原爆ドーム,原爆の子の像等を視察した後,広島平和都市記念碑を参拝し,献花を行った。また,原爆記録映画を視聴するとともに,被爆者による被爆体験の証言を聞き,原爆被害に対する理解を深めた。
- (3)9月30日(日曜日),長崎に移動し,原爆落下地点中心地において献花を行った後,原爆資料館を訪問するとともに,被爆者による証言を聞いた。また,翌10月1日(月曜日)は,今年4月に設立された長崎大学核兵器廃絶研究センターにて同センターの研究内容について講義を受け,午後は恵みの丘長崎原爆ホームを訪問した。
- (4)10月2日(火曜日),茨城県東海村の日本原子力研究開発機構(JAEA)を訪問。日本の核不拡散・核セキュリティへの取組や保障措置等に関する講義を受けるとともに,同機構の施設を視察した。
- (5)10月3日(水曜日),気象庁を訪問し,地震観測・津波警報システム等を見学した後,軍縮・不拡散促進センターを訪れ,研究員との意見交換を行った。さらに,外務省において,フェロー及び軍縮不拡散・科学部関係者との間で(1)核軍縮,(2)核不拡散(3)軍縮・不拡散教育についてグループ・ディスカッションを実施し,日本におけるプログラムを通じて学んだことについて,考えを深めた。また同日夜,外務省において,北野充軍縮・不拡散科学部長をはじめとする外務省職員及び国内の有識者の出席を得て歓迎レセプションが開催された。
- (6)プログラムの最後に実施したアンケートでは,日本におけるプログラムは総じて非常に充実しており,大変勉強になったとの感想が多く見られた。また,被爆地である広島と長崎を実際に訪れ,被爆者の方の貴重な証言を直接聞くことができたのは非常に有意義であり,今後軍縮・不拡散分野での仕事を続ける上で基礎となる大きな知見を得たとの声が多く聞かれた。