広報文化外交

令和4年6月6日

 開発途上国では、経済・社会の発展と共に、その国固有の文化の維持・振興に対する関心が高まる傾向があり、多くの国で経済・社会インフラ整備だけでなく文化の側面も含めた国造りの努力がなされています。文化に関する無償資金協力は、こうした各国の努力に対する支援を通じて、我が国とこれら諸国の相互理解及び友好親善を深めるため、政府開発援助(ODA)の一環として昭和50年度に創設されました。
 文化に関する無償資金協力では、精神的な豊かさをもたらす文化・スポーツ分野の開発を推進することにより、人間中心の開発を進め、「『質の高い成長』とそれを通じた貧困削減」を実現することを目的に、開発途上国に対し、文化・高等教育振興に使用される資機材の購入や施設の整備を支援しています。
 また、文化・スポーツ分野は、日本のソフトパワー等の日本の強みを活かした支援を行うことにより、親日感情の醸成や対日理解促進に特に高い効果が期待できる分野であり、このような外交政策上の観点も踏まえつつ実施しています。

(写真1)コスタリカ:「コスタリカ・オリンピック委員会スポーツ器材整備計画」 コスタリカ:「コスタリカ・オリンピック委員会スポーツ器材整備計画」
(写真2)ヨルダン: 「ペトラ博物館建設計画」 ヨルダン: 「ペトラ博物館建設計画」

 文化に関する無償資金協力には、「一般文化無償資金協力」、「草の根文化無償資金協力」の2つがあります。

一般文化無償資金協力

 一般文化無償資金協力は、途上国の政府機関に対し、文化・高等教育振興に使用される資機材の購入や施設の整備を支援することを通じて、開発途上国の文化・教育の発展及び日本とこれら諸国との文化交流を促進し、友好関係及び相互理解を増進させることを目的としています。創設時の昭和50年度から令和3年度までに1445件、総額約702.3億円(令和3年度は2件、約2.4億円)の協力を実施しています。(注:一般文化無償資金協力は、昭和50年度に創設された文化無償資金協力と平成12年度に創設された文化遺産無償資金協力を統廃合する形で平成17年度に発足したものです。)

 ODAの一層戦略的・効果的な実施に向けて、「見える化リスト」の作成を行っています。

草の根文化無償資金協力

 草の根文化無償資金協力は、途上国の地方公共団体、NGO等草の根レベルで活動する非営利団体を被供与団体とすることにより、よりきめ細やかな援助の実施を目指したもので、平成12年度に導入されて以来、令和3年度までに100か国以上に対し、合計539件、約39億円(令和3年度は19件、約1.6億円)にのぼる援助を実施してきました。

  ODAの一層戦略的・効果的な実施に向けて、「見える化リスト」の作成を行っています。

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