文化の交流

令和6年7月25日

 海外における日本語教育は、日本との交流の担い手を育て、海外における日本理解と認識を深めることを通じて、諸外国との友好関係の基盤を作るために重要です。令和3(2021)年度国際交流基金「海外日本語教育機関調査」によれば、海外では141か国・地域において、約379万人が日本語を学習しています。日本語学習の目的として、就職・留学のような実利志向のものだけでなく、アニメ・マンガといったポップカルチャーなど日本文化への関心や異文化への興味もより多く挙げられています。

 外務省は、国際交流基金と連携して、日本語専門家の海外派遣、海外の日本語教師及び学習者の訪日研修、日本語教材の開発等を行っているほか、各国に所在する在外公館において日本語弁論大会を開催する等、海外における日本語の普及に努めています。また、海外のべ91か国・地域、268都市で日本語能力試験(JLPT)を実施しています(令和5年度実績。海外での応募者数は初めて100万人を突破)。また、令和元(2019)年度から在留資格「特定技能(1号)」の取得に必要な日本語能力を測定する試験として、「国際交流基金日本語基礎テスト」(JFT-Basic)を開始し、令和5(2023)年度には、特定技能に関する二国間の協力覚書作成国のうち11か国と、日本国内において、4月を除き毎月実施しています。

 平成28(2016)年度から、日本語eラーニングサイト「みなと」の運用を開始し、近くに日本語教育機関がない、或いは、日本語教育機関で学ぶ時間がない、といった日本語を学びたくても学ぶ機会がない方々のご要望にもお応えできるよう取り組んでいます。なお、前述の令和3年(2021)年度の海外日本語教育機関調査において、初めてオンライン授業の実施状況を調査したところ、全機関の63.1%(11,525機関)が実施していることが明らかになりました。

 さらに外務省は、国際交流基金を通じ、各国における日本語教育の中核機関である大学の日本語学科や日本語教師会等を「JFにほんごネットワーク(通称:さくらネットワーク)」として認定し、これらの機関と協力して効果的に日本語を普及する取組を行っています。令和6(2024)年1月現在、世界の355機関・団体を認定しています。

 平成24(2014)年度からは、国際交流基金を通じて、東南アジア諸国を中心に、日本から「日本語パートナーズ」を現地の中学や高校を中心に派遣しています。この「日本語パートナーズ」は、日本語の授業のアシスタントとして日本語学習を支援する他、日本文化を紹介する活動などを行っています。令和5(2023)年度までに3,158人が派遣されました。令和5(2023)年12月に日本ASEAN友好協力50周年特別首脳会議で発表された包括的な人的交流プログラム「次世代共創パートナーシップ 文化のWA2.0」の取組みの一環として、令和6(2024)年度から10年間に渡り、「日本語パートナーズ派遣事業」を拡充して実施していくこととなりました。「文化のWA2.0」の下で新たな取組みが始まっています。

 また、令和2(2020)年6月23日には、日本語教育の推進に関する法律(令和元年6月28日公布・施行)に基づき、「日本語教育の推進に関する施策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針」が閣議決定され、同方針に基づき、海外において日本語教育推進に向けた様々な取組を実施しています。


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