外交青書・白書
第2章 地域別に見た外交

4 中部アフリカ地域

(1)カメルーン

カメルーンでは、2020年4月に作成された「カメルーンの北西州及び南西州の再建及び開発に係る大統領計画」に基づいて、ビヤ大統領の指揮の下、北西州及び南西州の英語圏地域の安定に向けた取組を進めている。日本は、国際連合開発計画(UNDP)と連携し、保健センターなどの改修のために2.91億円の支援を実施し、同地域の復興に貢献している。

東京2020大会開催時には、カメルーン代表が大分県日田市で事前キャンプを行うなど、日・カメルーンはスポーツ交流を含め友好関係を維持・強化している。

(2)コンゴ民主共和国

チセケディ大統領は、5月にイツリ州及び北キブ州に戒厳令を発出し、民主同盟軍(ADF、ウガンダ系反政府組織)を始めとする武装勢力の活動により治安上の大きな課題が生じている東部地域の安定化に引き続き取り組んでいる。また、同大統領は、AU議長として、国際場裡(り)におけるアフリカに関する議論や、アフリカ域内の平和と安定に関する課題の解決に積極的に関与している。さらに、コンゴ民主共和国政府は、国際通貨基金(IMF)と協力しつつ、新型コロナにより打撃を被った国内経済の建て直しに尽力している。

また、同月、北キブ州ゴマ市近郊においてニーラゴンゴ火山が噴火し、溶岩流の流出により、死傷者を含む多数の被災民と物的被害が出たことから、日本は緊急援助物資の供与を行った。8月には、東京2020大会のため、ンコンデ・スポーツ・余暇相が訪日した。

(3)チャド

チャドでは4月、30年を超える長期政権を維持していたイドリス・デビー・イトゥノ大統領が、反政府武装勢力(FACT)との交戦での負傷が原因で逝去した。同月、デビー・イトゥノ前大統領の子息である、マハマト・イドリス・デビー・イトゥノ中将を議長とする軍事移行評議会(CMT)が設置され、18か月の移行期間の後、選挙を実施予定とされている。

日・チャドの二国間関係は友好であり、スポーツを通じた交流として、8月にンドンガ・クリスチャン青年・スポーツ・企業促進相が東京2020大会のために訪日した。

(4)中央アフリカ

中央アフリカでは、3月に再任したトゥアデラ大統領の下、武装勢力の攻撃的活動による治安上の問題を抱えながらも、7月までに国民議会議員選挙実施を終えた。また、同大統領は、10月に「一方的停戦宣言」を発表し、中央アフリカの平和と安定に向けた努力を継続している。

日本は、多数の難民・国内避難民などの人道危機に直面する中央アフリカに対し、食糧援助などの人道支援を実施しており、同国の平和と安定の強化に貢献している。

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