外交青書・白書
JPO(Junior Professional Officer)派遣制度とは

JPO(Junior Professional Officer)派遣制度とは

「国連職員になりたい」と考えたことはありますか? 外務省国際機関人事センターでは、国連を始めとする国際機関を志す日本人の方々を支援しています。

日本人が国際機関の専門職員を目指すには、主に三つの方法があります。

・国際機関への直接応募(空席公募)

・ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)派遣制度への応募

・国連事務局ヤング・プロフェッショナル・プログラム(YPP)への応募

ここでは、JPO派遣制度について紹介します。

JPO派遣制度は、外務省が国際機関に若手の日本人を派遣する制度です。任期は原則として2年で、派遣先の国際機関で職員として勤務しながら、正規採用を目指します。派遣者の選考は基本的に年1回のJPO派遣候補者選考試験(JPO試験)を通じて行われます。2019年は、2月1日(金)から3月4日(月)までを応募受付期間としました。

応募資格は、(1)35歳以下、(2)修士号を取得又は取得見込みかつ2年以上の職務経験があり、(3)英語で仕事ができ、(4)将来も国際機関で働く意思を有する、(5)日本国籍を有する方です。応募に当たり、TOEFL又はIELTSのスコアが必要です。応募資格の詳細は、外務省国際機関人事センターのウェブサイト(下記)で最新の募集要項を参照ください。

第一次審査は書類審査で、書類審査通過者は面接審査等から成る第二次審査に進みます。

JPOは毎年50人から60人程度派遣され、就職活動の結果、約7割の方が国際機関で採用されています。国連関係機関では、約850人の日本人職員(専門職以上)のうち4割以上がJPO出身者となっており、多くの日本人の先輩が、JPOから国際機関のキャリアを始めています。

JPOを始め、多くの日本人国際機関職員の方が、外務省の代表部・大使館のウェブサイトや、国際機関のウェブサイト等で体験談を書かれています。外務省国際機関人事センターのウェブサイトに体験談ページへのリンクを掲載しておりますので、関心をお持ちの方は、是非ご覧ください。

外務省国際機関人事センター ウェブサイト

https://www.mofa-irc.go.jp/

外務省国際機関人事センター ウェブサイトQRコード
〈JPO経験者の声〉
川端 真理子
国連世界食糧計画(WFP)タジキスタン国事務所副所長

スーダンで仕事がしたい。

大学在学中フィールドワークで訪れたスーダンで、広大な景色と温かい人々に魅了されて以来、ぼんやりと抱いていた想(おも)いがJPOを通じて実現しました。数ある国連組織の中でWFPを選んだのは、「食」という、人として共感できるテーマに特化した機関であること、そして現場重視で直接受益者と向き合って仕事ができる職場だと理解したからです。

JPO時代から一貫して、食料事情の調査・分析を実施する部署において、アフリカ、アジア、中近東諸国で12年間勤務しました。2017年夏から職種を変更し、タジキスタンで副所長の任に着いています。WFPでは常に自分に挑戦できるポストでのびのびと仕事をする機会に恵まれ、日々勉強の毎日です。「食」を取り巻く世界の情勢が刻々と変化する中で、WFPにできる意義のある価値提案を、これからも模索・実現していきたいと考えています。

タジキスタン中東部にあるラシュト郡。WFPが支援する学校菜園・給食の現場視察に訪れた際の一コマ。写真左端が筆者
タジキスタン中東部にあるラシュト郡。WFPが支援する学校菜園・給食の現場視察に訪れた際の一コマ。写真左端が筆者
村田 あす香
国連女性機関(UN Women)バングラデシュ国事務所 女性・平和・安全保障専門官

NGOのインターンとしてアフガニスタンにいた私は、自由に外出することさえ許されないという女性の置かれている過酷な状況を目の当たりにし、「女性のエンパワーメント」を生涯のテーマにすることを決意しました。それから10年後、JPOとしてUN Womenエジプト国事務所で経験を積んだ後、現在UN Womenバングラデシュ国事務所で女性・平和・安全保障専門官として勤務しています。主には、テロ及び暴力的過激主義の防止を目的として、コミュニティにおける女性や若者の能力強化や、市民社会団体と協力しながら国の政策に女性の声を反映するためのメカニズムの構築を支援しています。今後も国連職員として、また恒久の平和を願う国民の一人として、女性の地位向上と平和及び安全の維持に貢献したいと思います。

バングラデシュにおける社会起業家育成研修を通じて、リーダーシップや平和な社会、社会的結束について学ぶ女子学生たちと一緒に
バングラデシュにおける社会起業家育成研修を通じて、リーダーシップや平和な社会、社会的結束について学ぶ女子学生たちと一緒に
渋井 優
国連児童基金(UNICEF)タンザニア国事務所 保健・栄養専門官

ケニア・ナイロビにあるユニセフ東南アフリカ部地域事務所において、JPOとして3年間勤務した後、現在はタンザニア国事務所にて保健・栄養専門官として仕事をしています。JPO派遣制度のおかげで、自分の専門分野である公衆衛生の職務経験の幅を日本国外に広げることが叶(かな)いました。子供の権利を守る、という志を共にする世界各国から集まった様々なバックグラウンドを持つ同僚たちと共に、タンザニア国内を飛び回りながら、時には大臣と、時には子育て中の過疎部のお母さんたちと会話を重ねながら、この国における現状での最適解を探りながら、現地政府の方々と共に切磋琢磨(せっさたくま)する日々は難しくもやりがいがあります。目の前の一つひとつの仕事を大事にしながら、経験を積み重ねて、専門家として技術的にも人としても成長して、子供たちの権利を守るために、これからも研鑽(けんさん)を重ねていきたいと思います。

UNICEFタンザニア国事務所の同僚たち(筆者中央)
UNICEFタンザニア国事務所の同僚たち
(筆者中央)
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