第2節 北米
日米両国は、基本的価値及び戦略的利益を共有する同盟国である。日米同盟は、日本の外交・安全保障の基軸であり、アジア太平洋地域のみならず世界の安定と繁栄にも大きな役割を果たしている。日本は、米国のアジア太平洋重視政策(リバランス)を地域の安定と繁栄に資するものとして歓迎しており、両国は秩序形成に主体的役割を果たすべく緊密に協力していく。
2014年4月に、米国大統領としては18年ぶりとなるオバマ大統領の国賓としての訪日が実施された。この訪問に際して、日米両首脳は「日米共同声明」を発出し、日本の「積極的平和主義」と米国のアジア太平洋重視政策を、共に地域の平和と安定に資するものとして相互に評価・歓迎し、平和で繁栄するアジア太平洋を確実にするための日米同盟の主導的役割を確認した。また、共同声明の付属書である「日米二国間交流における首脳文書」において、日米間の幅広い人的交流を日米同盟の支柱とした。
2014年には、オバマ大統領の訪日に加え、G20サミットにおける日米首脳会談、4度にわたる日米外相会談など、日米要人間で緊密な意思疎通が行われた。こうした機会を通じ、日米両国は、アジア太平洋地域での協力とともに、イラクとレバントのイスラム国(ISIL)やエボラ出血熱の流行といった地球規模の課題への対応においても緊密に協力し、国際社会の喫緊の課題に日米が連携して対処する姿を強く印象付けた。

日本とカナダは、基本的価値を共有するアジア太平洋地域におけるパートナーであると同時に、共にG7のメンバーであり、政治、経済、安全保障、文化など幅広い分野で密接に協力している。
2014年3月と11月に、安倍総理大臣はハーパー首相と首脳会談を実施し、日加EPAやカナダからの対日LNG輸出計画を含む二国間関係や国際情勢について意見交換を行った。また、7月にはベアード外相が訪日し、岸田外務大臣と外相会談を実施するとともに、菅官房長官を表敬し、政治・安全保障・経済・人的交流を含む幅広い分野での協力促進の重要性を確認した。