外交青書・白書
第2章 地球儀を俯瞰する外交

第2節 北米

総論

日米両国は、基本的価値及び戦略的利益を共有する同盟国である。日米同盟は、日本の外交・安全保障の基軸であり、アジア太平洋地域のみならず世界の安定と繁栄にも大きな役割を果たしている。とりわけ今日、アジア太平洋地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中で、日米同盟の重要性はかつてなく高まっている。日本は、米国のアジア太平洋重視政策(リバランス)を地域の安定と繁栄に資するものとして歓迎しており、両国は秩序形成に主体的役割を果たすべく緊密に協力していく。

2013年においては、2月の安倍総理大臣及び岸田外務大臣の訪米や、ケリー国務長官、ヘーゲル国防長官を東京に迎えて行われた歴史的な10月の日米安全保障協議委員会(「2+2」)会合など、日米間で頻繁な要人往来が行われた。こうした機会も通じ、普天間飛行場移設の進展、日本のTPP協定交渉への参加など、同盟強化に向けた具体的な成果があがっている。また、アジア太平洋地域での協力のみならず、中東情勢や地球規模の課題への対応においても、米国との連携を強化している。人的交流促進の一環として、青少年交流事業(KAKEHASHI Project-the Bridge for Tomorrow-)が開始された。

日本とカナダは、基本的価値を共有するアジア太平洋地域におけるパートナーであると同時に、共にG8のメンバーであり、政治、経済、安全保障、文化など幅広い分野で密接に協力している。

2013年9月に安倍総理大臣はカナダを訪問し、日加首脳会談を実施した。その際、両首脳は、日加物品役務相互提供協定の実質合意、羽田空港の昼間の時間帯の就航開始に向けての協議の開始、北極に関する協議の強化、カナダからの低廉かつ安定的なLNG輸入の実現に向けた協議の推進などについて一致した。また、日加EPA交渉が、4月以降3回実施された。

日米首脳会談におけるオバマ米国大統領と安倍総理大臣(右)(9月5日、ロシア・サンクトペテルブルク 写真提供:内閣広報室)
日米首脳会談におけるオバマ米国大統領と安倍総理大臣(右)(9月5日、ロシア・サンクトペテルブルク 写真提供:内閣広報室)
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