平成20年11月
(1)2006年2月、米国は、核燃料サイクルによる原子力エネルギーの供給を図りつつエネルギー需要、環境、開発、不拡散上の諸問題への対応を図ることを目的として、国際原子力エネルギー・パートナーシップ(GNEP)構想を提唱しました。米は、日、仏、露、中等にGNEPへの参加を呼びかけ、この5か国が中心となって、GNEP構想の実現に向けた意見交換を継続的に実施してきました。
(2)2007年5月、GNEP第1回閣僚級会合が開催され、米、日、仏、露、中の代表が参加。我が国よりは、高市内閣府特命担当大臣(当時)が出席。参加国は、GNEPの基本的な目標、参加国の拡大を含めた今後の展望等について意見交換を行うと共に、9月の第2回閣僚級会合に向けて検討を継続することに同意しました。
(3)2007年9月、第2回閣僚級会合が開催され、我が国を含む16か国がGNEPの「原則に関する声明」に署名して、GNEPの体制が国際的に確立しました。また、閣僚級が委員となる執行委員会の設置が決定され、さらに、今後、燃料供給保証サービス、新規原発導入国への基盤整備について引き続き検討が行われることとなりました。
(4)2007年12月、第1回運営グループ会合が開催され、米が議長、日、仏、中が副議長に選出されました。また、運営グループ行動計画、核燃料供給サービス及び基盤整備に関するワーキング・グループの委任事項(Terms of Reference)が採択されました。基盤整備ワーキング・グループは2008年3月及び7月に、核燃料サービス・ワーキング・グループは2008年3月及び9月にそれぞれ会合を開催しました。
(5)2008年10月、パリにおいて第2回執行委員会(第2回閣僚級会合が第1回執行委員会としてカウントされている)が開催され、我が国の提案による共同声明が発出されました。また、放射性廃棄物管理について焦点をあてることの必要性が唱えられ、今後議論を続けることとなりました。
(6)2008年11月現在、GNEPの参加国は我が国を含む25カ国。
「原則に関する声明」では、核不拡散、原子力安全、核セキュリティ等を確保しつつ原子力エネルギーの平和利用を拡大するため、以下に関する協力を追求することとされています。
(1)原子力発電所の安全及び廃棄物の安全な管理を確保しつつ原子力エネルギーを拡大すること。
(2)IAEAと協力し、強化された保障措置を引き続き開発すること。
(3)信頼性のある燃料供給の国際的な枠組みを創設し、機微な燃料サイクル技術の獲得に対する代替案を創出すること。
(4)リサイクルされた使用済燃料から抽出される超ウラン元素を消費するための先進高速炉を開発し、実証し、適切な時期に配備すること。
(5)発展途上国及び地域の電力網に適した先進的でより核拡散抵抗性の強い原子炉の開発を促進すること。
(6)使用済燃料をリサイクルするための先進技術を、純粋なプルトニウムを分離しない施設に配備するために開発し、実証すること。
(7)エネルギー及び天然資源を効率的かつ責任のある方法で利用するため、入手可能な最良の燃料サイクルのアプローチを利用すること。
Global Nuclear Energy Partnership(現International Framework for Nuclear Energy Cooperation)(外部サイト)