国連外交

平成30年10月3日
平成30年9月23日(日曜日)から27日(木曜日)まで,安倍総理夫人は国連総会に出席するためニューヨークを訪問した安倍総理に同行し,滞在中のニューヨークにおいて,様々な交流活動を行いました。

1 9月24日

(1)Women's Prison Association訪問

安倍総理夫人は,滞在中のニューヨークにおいて,「Women's Prison Association(WPA)」を訪問しました。WPAは,犯罪の他,様々な事情で刑事司法に関わることとなった女性及びその家族をサポートする全米最初の団体で,1845年に設立されました。
安倍総理夫人は,WPAがホームレス女性らに提供している寮を視察するとともに,同団体代表であるジョージア・ラーナー氏と懇談しました。同代表からは,同団体が支援の対象としている女性のバックグラウンドには,しばしば貧困やDVなどの社会経済的・環境的要因が存在しており,社会復帰のためには,法的支援のみならず,メンタルヘルスケアや就業支援等を通じた包括的で女性に特化した支援が重要である旨説明がありました。

(2)ニューヨーク日本人学校訪問

安倍総理夫人は,コネチカット州グリニッチに所在するニューヨーク日本人学校を訪問しました。
ニューヨーク日本人学校は,1975年に設立された北米で最も古い日本人学校で,初・中等部及び特別学級合わせて約130名の生徒が在籍しています。
安倍総理夫人は,小島昇校長と懇談し,日本語での教育の充実及びグローバル人材の育成に注力している同校の教育の特色について説明を受けた後,特別支援学級の生徒たちと一緒にお手玉をしたり,小学生を対象に絵本を朗読をするなどして交流を深めました。
全校生徒による歓迎を受けた安倍総理夫人は,海外での生活は大変なこともあると思うが,恵まれた環境の中で多くのことを学び,国籍を問わず多くの友人をつくって欲しいと生徒たちを激励しました。

(3)アジア・太平洋系のLGBT・エイズ患者への支援団体訪問

安倍総理夫人は,滞在中のニューヨークにおいて,アジア・太平洋系のLGBT・エイズ患者への支援を行っている団体「HIV/AIDSに関するアジア・太平洋諸島系連合(APICHA)」が運営するアピチャ・コミュニティー・ヘルス・センター(APICHA CHC)を訪問しました。
APICHAは,米国において対策が遅れていたアジア・太平洋諸島系のHIV・エイズ患者への検査・診療などの支援を目的として,日系米国人のスキ・ポーツ氏らにより設立された団体で,日系人社会の福祉向上に貢献してきました。また,近年はLGBT支援にも注力しています。
安倍総理夫人は,APICHA CHC代表のテリース・ロドリゲス氏や創設者の一人であるスキ・ポーツ氏らと懇談し,ヘルスケアや啓発活動を始めとする同センターの様々な取組について説明を受けました。安倍総理夫人は,多くの人がLGBTやHIV・エイズに対して正しい知識を持ち,受け入れることができる社会になってほしいと述べました。

2 9月25日

(1)防災教育ワークショップへの参加

安倍総理夫人は,滞在中のニューヨークにおいて,ブルックリンにある公立小学校で行われた防災教育ワークショップに参加しました。
本ワークショップは,防災の知識や技を「分かりやすいデザイン」を通じて国境を越えて共有する交流事業である「Earth Manual Project」の一環として国際交流基金によって主催されました。
安倍総理夫人は,生徒たちが,NPO法人プラス・アーツの永田宏和氏から,防災の心構えやハンカチを利用した止血方法など,身近なものを利用した防災対策について説明を受ける様子や防災体操をする様子を視察しました。
最後に安倍総理夫人は,災害などが起きた際には,今回のワークショップで紹介された防災の知恵を役立てて欲しいと述べるとともに,日頃から色々な人と繋がりを持ち助け合ってもらいたいと述べました。

(注)防災の知識や技を「分かりやすいデザイン」を通じて国境を越えて共有する交流事業。

(2)日本語教育関係者との昼食会

安倍総理夫人は,滞在中のニューヨークにおいて,様々な日本語教育現場で活躍している日本語教育関係者との昼食を兼ねた懇談会を実施しました。米国における日本語教育の現状や,日本語の普及に向けた取組やアイディア等について意見交換を行いました。

(3)「平和の鐘」視察

安倍総理夫人は,滞在中のニューヨークにおいて,国連本部の「平和の鐘」を視察しました。
「平和の鐘」は,1954年に日本国際連合協会から国連本部に寄贈されたもので,平和への願いを込めて世界60か国以上の人々から受け取った硬貨やメダルを入れて鋳造されたものです。
安倍総理夫人は,国連広報局職員の案内により「平和の鐘」を視察するとともに,「平和の鐘」の由来や込められた思いについて説明を受けました。

3 9月26日

(1)マーブルヒル国際高校訪問

安倍総理夫人は,滞在中のニューヨーク(ブロンクス)において,マーブルヒル国際高校を訪問しました。
マーブルヒル国際高校は,35か国以上の言語が飛び交う国際色豊かな公立高校で,外国語教育に熱心な同校は,2003年から日本語教育を取り入れています。また,同校は,キャロライン・ケネディ前駐日米大使が立ち上げた「国際ポエトリー交流プログラム」(注)に米国代表として参加しています。
安倍総理夫人は,カースティン・ラーソン校長や同校の教員から,日本語教育について説明を受けるとともに,日本語を学ぶ生徒や,本年10月に「国際ポエトリー交流プログラム」に参加するため訪日予定の生徒達との交流を持ちました。この訪問には,同プログラムの創始者であるケネディ前駐日米大使も同行し,安倍総理夫人と共に教員や生徒達と交流しました。
安倍総理夫人からは,多くの生徒が日本語を学んでいることを嬉しく思うと述べ,また,「国際ポエトリー交流プログラム」のような若い世代の交流は,相互理解を促進し,良好な関係を築く上で非常に重要な取組であると述べました。

(注)異なる国の学生たちが,自ら作成した詩の朗読を通じ,相互理解を深め,良好な関係を築くことを目的としたプログラム。

(2)海洋汚染防止のための沿岸保全活動団体訪問

安倍総理夫人は,滞在中のニューヨーク(ジャマイカ湾)において,海洋汚染防止のための沿岸保全活動を行う「アメリカン・リトラル・ソサイエティ」を訪問しました。
同団体は,1961年から,海洋生物とその生息地の研究・保全活動を行うとともに,市民の参加を得ながらジャマイカ湾のほか,ニュージャージー州やデラウェア州等の沿岸部において清掃活動等を実施することで,市民の環境意識の向上にも努めています。
安倍総理夫人は,ティム・ディリングハム事務局長等から,同団体の活動状況やジャマイカ湾における保全活動について説明を受けた後,ボランティアと共に清掃活動に参加しました。

国連外交へ戻る