国連外交

令和4年4月12日
(写真1)陸奥宗光像の下で、記念写真を撮る学生たち
(写真2)参加学生の記念写真

 令和4年3月28日(月曜日)~31日(木曜日)、外務省は、日本国際連合協会との共催で、奥・井ノ上記念日本青少年国連訪問団(注1)事業を開催し、中高生14名(オンラインセッションのみ+1名)(注2)が参加しました。

 新型コロナウイルス感染症の状況をふまえて、直近の2回はオンライン形式で実施しましたが、本年は初めて東京にて事業を実施しました。参加者からは積極的に質問が寄せられ、各プログラムで充実した質疑応答が行われました。

各日程の概要は次のとおりです。

 (注1)「奥・井ノ上記念日本青少年国連訪問団」
 外務省は、日本と世界の将来を担う青少年の育成を目的として、平成13(2001年)年度から(公財)日本国際連合協会との共催により標記派遣事業を実施。本事業は国連訪問や国連関係者との意見交換を通じて、世界の平和と繁栄に貢献する国連の取組や、国連を活用した日本の取組について理解を深め、国際社会で活躍するために有益な経験を積むことを目指すもの。派遣対象者は、国際理解・国際協力のための全国中学生作文コンテスト受賞者と国際理解・国際協力のための高校生主張コンクール受賞者。
  本事業は、当時外務省国連政策課長であった故・奥克彦大使の発案により始められたことから、イラクの平和と復興を願いつつ殉職した奥大使及び井ノ上正盛書記官の功績を称えるとともに、日本の青少年に世界の平和と繁栄に貢献することの大切さを伝えるとの意義を踏まえて、日本の国連加盟50周年にあたる平成17年度(平成18年3月)より両名の名前を冠することとなった。

 (注2)令和3年度のプログラム参加者は下記のとおり。

第61回 国際理解・国際協力のための全国中学生作文コンテスト別ウィンドウで開く
外務大臣賞
保坂 歩花 さん (さいたま市立植竹中学校)
文部科学大臣賞
高橋 くらら さん (新潟大学付属新潟中学校)
公益社団法人 日本ユネスコ協会連盟会長賞 
小松 葵 さん (白百合学園中学校)
公益財団法人 日本国際連合協会会長賞
伊藤 凛香 さん (同志社中学校)
公益財団法人 安達峰一郎記念財団理事長賞
坂本 明優 さん (明治学園中学高等学校)
NHK会長賞
松枝 賢 さん (関西学院中学校)
国際連合広報センター賞
加藤 里桜 さん (広島大学付属福山中学校)
第68回 国際理解・国際協力のための高校生の主張コンクール別ウィンドウで開く
(注:第68回は作文形式で実施)
外務大臣賞
髙須 椛梨 さん (愛知県立中村高等学校)
文部科学大臣賞
齊藤 鈴 さん (岩手県立花巻北高等学校)
全国人権擁護委員連合会会長
吉野 悠太 さん (高水高等学校)(オンラインセッションのみ)
公益社団法人 日本ユネスコ協会連盟会長賞
酒井 彩花 さん (宮崎県立宮崎南高等学校)
日本ユネスコ国内委員会会長賞
石倉 要 さん (松江南高等学校)
公益財団法人 安達峰一郎記念財団理事長賞
畑 すみれ さん (第一学院高等学校養父校)
NHK会長賞
真﨑 雄大 さん (佐賀県立佐賀西高等学校)
国際連合広報センター賞
池田 直樹 さん (日本大学豊山高等学校)

1日目(3月28日)

  • 照内朗人・外務省総合外交政策局国連企画調整課首席事務官から、「国連外交」と題し、国連システムやグテーレス事務総長の提唱する我々のコモン・アジェンダなどの基礎知識を説明しました。

2日目(3月29日)

  • (1)国会議事堂(参議院)にて、会議場や前庭の「都道府県の木」などを見学し、国際条約締結の承認も含め各種審議が行われている立法府の現場である国会議事堂についての説明を受けました。
  • (2)遠藤和也・外務省総合外交政策局審議官から、自身が故奥大使と共に働いた経験から人との出会いの大切さや時代の流れと共に変化する国際情勢等についてのお話がありました。
  • (3)平原弘子・国連南スーダン共和国ミッション(UNMISS)ベンティウ事務所所長から、紛争解決・平和構築のために現地で行っている文民保護活動についてお話がありました。
  • (4)根本かおる・東京国連広報センター(UNIC)所長から、ウクライナ危機、多国間主義、気候変動などについてのお話がありました。
  • (5)栗原真由花・外務省国連機関人事センター別ウィンドウで開く課長補佐から、国際機関に就職する主な方法として、空席公募(随時)、ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)派遣制度、ヤング・プロフェッショナル・プログラム(YPP)試験の3つを紹介、また、国際機関で実際に勤務した経験について説明がありました。
  • (6)篠原辰治・国連児童基金(UNICEF)バングラデシュ事務所JPO、宮原萌・国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)ブルキナファソ事務所JPOから、各機関の取組、学生時代やJPOになる前にしたこと、国際機関で働くためのアドバイスなどについてのお話がありました。

3日目(3月30日)

  • (1)千玄室・日本国際連合協会会長(外務省参与、ユネスコ親善大使、日本・国連親善大使)より、「みんなで平和を創ろう」を演題として、対話、信頼の醸成、正しく情報を理解すること、自己研鑽を続けることの重要性や、戦中の自身・同僚にまつわる体験談についてのお話がありました。
  • (2)駐日米国大使館を訪問し、広報担当官から、外交官としてのキャリアや米国への留学についてのお話がありました。
  • (3)白波瀬佐和子・国連大学上級副学長を表敬し、国連大学の取組や役割などについてのお話を聞き、活発な質疑応答が行われました。参加者は、国連大学内を見学し、国連大学内に所在するUNICEFやWFPなどのパンフレットも受領しました。
  • (4)スカイツリーの防災や環境に配慮した取組を事前学習した上で、スカイツリーを訪問しました。1階には、企業のSDGsへの取組などが説明されたパネルもあり、SDGs達成への取組を包括的に学びました。

4日目(3月31日)

  • (1)江草恵子・国連開発計画(UNDP)駐日代表事務所副代表、保田由布子・同渉外・広報官、天野裕美・同ユース担当コンサルタントより、UNDPの概要やSDGsへの取組、若年層の起業支援プログラム「ユース・コーラボ別ウィンドウで開く」等についてのお話がありました。
  • (2)安藤重実・外務省総合外交政策局国連企画調整課長の同席のもと、成果発表会として、各人からプログラムに参加したことによる気づきの点や今後の展望について発表がありました。

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