国連外交
国連ビジネス・セミナーの開催(結果)
2019年5月21日(火曜日)及び22日(水曜日),外務省は,国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)において,日本企業を対象に,国連ビジネス・セミナーを開催しました。本セミナーには,国連事務局を含む14の国際機関等の調達担当者や駐日事務所長等が参加し,国連調達ビジネスの概要や,国連調達における日本企業の商機について説明を行うとともに,参加企業・団体との個別相談セッションを行いました。また,国連調達のプロセスにおいて企業を支援する機関・専門商社・コンサルティング会社等の民間企業によるイベントも平行開催されました。セミナーの冒頭では阿部外務副大臣が挨拶を行いました。
1 セミナー開催の背景
- (1)国連を始めとする国際機関は,途上国への支援等のために物品・サービスを各国企業から購入(調達)しています。国連システムの調達対象分野は輸送サービス,自動車,簡易住居,食料,燃料,医療関連製品,医薬品,建設機材,IT等,多岐にわたっています。国連でのビジネス参入には企業登録が必要となりますが,日本企業にも参入のチャンスは開かれており,国連側も日本企業に関心を有しています。
- (2)外務省では,日本企業の国連調達への参入を促進するため,国際機関等の調達関係者の参加を得て,2015年から国連ビジネス・セミナーを開催しています。今回のセミナーは,各国際機関等の調達制度について,調達部門の担当者からの説明を聞き,また,個別に国際機関等の担当者と直接コンタクトできる貴重な機会となっています。
2 今次セミナーの概要
(1)阿部俊子外務副大臣挨拶
阿部副大臣は,国連機関の調達における日本企業の現状を踏まえた上で,外務省としての企業支援の取組について紹介するとともに,本セミナーが国連調達における具体的な成果につながることへの期待感を述べました。
(2)プレゼン・セッション1「国連調達の現状と今後のトレンド」
国連活動支援局のサプライチェーン・マネジメント部チーフ三井清弘氏から,国連調達の概要や,国連調達における入札システムについて詳細に説明するとともに,AIの導入や企業とのパートナーシップと報奨制度の検討など,国連調達における今後のトレンドについても共有しました。
発表資料
(3)プレゼン・セッション2「国連調達における日本企業にとっての商機」
元国連開発計画調達部門長の沼田隆一氏から,日本企業に対して国連機関が持っている印象や,日本企業が国連調達に対応するために必要な体制を他国の事例を紹介しつつ説明しました。
発表資料
(4)プレゼン・セッション3「無償資金協力における国際機関連携,日本企業支援体制の整備」
外務省の山本文土開発協力総括課長から,国際機関と連携したODA(政府開発援助)事業についてその仕組みと実績などを紹介するとともに,今後日本企業や日本NGOの参画する案件をより一層重視していくと述べました。続いて,三宅浩史国連企画調整課長から,日本企業の国連調達参入を促すために外務省がどのような支援を行っているかについて説明しました。
発表資料
(5)プレゼン・セッション4「United Nations Procurement and Partnerships: Why, where and how should Japanese business leverage procurement with the United Nations」
デロイト・ミャンマーのリスクアドバイザリー・シニアマネージャーRui Figueiredo氏が,国連調達に参入するにあたり押さえるべきポイントや,国連機関とWin-winの関係を築くためにはどうしたらよいか等について説明しました。
発表資料
(6)個別相談セッション(5月21日(火)及び22日(水))
以下の14国際機関等の調達担当者や駐日事務所代表・スタッフとの個別相談セッションには,事前に登録した計71企業・団体が参加しました。
3 参加企業・国際機関
本セミナーには,計106社・団体210名が参加しました。
また,出席した国際機関等は以下のとおりです。
国連活動支援局(UN/DOS),国連開発計画(UNDP),国連児童基金(UNICEF),国連難民高等弁務官事務所(UNHCR),国際移住機関(IOM),赤十字国際委員会(ICRC),国連工業開発機関(UNIDO),国連薬物・犯罪事務所(UNODC),国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS),国連食糧農業機関(FAO),国連世界食糧計画(WFP),国連人間居住計画(UN-Habitat),アジア開発銀行(ADB)
資料配付のみ:包括的核実験禁止条約機関準備委員会(CTBTO)