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令和4年3月2日
(動画)第3回東京グローバル・ダイアログにおける林外務大臣の基調講演
この基調講演は2月17日に収録されたものです。

3月2日午後、日本国際問題研究所主催の「第3回東京グローバル・ダイアログ」(テーマは「価値、技術、海洋を巡るせめぎ合い:激化する米中競争と国際社会の対応」。オンライン開催)に、岸田総理大臣及び林外務大臣がそれぞれ、ビデオメッセージの形式(2月中旬に事前収録したもの)で参加したところ、概要は以下のとおりです。

  1. 岸田総理大臣は、会議冒頭に挨拶を行い、厳しさと複雑さを増す国際情勢の中で、普遍的価値を重視しながら、未来への理想の旗をしっかりと掲げつつ、したたかで、徹底的な現実主義を貫く「新時代リアリズム外交」を展開していく決意を述べました。その上で、日米同盟の一層の強化、「自由で開かれたインド太平洋」の実現、経済安全保障を始めとする国際的なルール作りに取り組むとともに、「核兵器のない世界」の実現や気候変動、国際保健についても主導的な役割を果たしていくと述べました。
  2. また、林外務大臣から、「分断と対立を深める国際社会の中での日本外交の展望:「楕円の外交」」をテーマに基調講演を行いました。
  • (1)林大臣は、まず、現代国際社会の2つの転換期として、冷戦の終結と現在を挙げ、米国が主導する自由・民主主義の下でグローバル化が世界に繁栄をもたらすという冷戦後の国際秩序が、今日様々な挑戦にさらされていると指摘し、日本を取り巻くものも含め、安全保障、経済分野での新たな脅威や課題が生じ、懸念が高まっている旨述べました。
  • (2)その上で、こうした新たな歴史の転換期に、日本が取るべき外交のアプローチとして、「楕円の外交」を提唱しました。すなわち、妥協してはならないものとして普遍的価値・原則を挙げた上で日本の平和と安定を守り抜くという政府の使命に言及しつつ、その実現に向けたアプローチにおいては、国際情勢を冷静に評価したうえで、現実と時間軸を見据えた漸進主義の下、一見矛盾するような立場も1つの楕円の中に包含するような外交を展開していくと述べました。
  • (3)そして、「楕円の外交」に基づくアプローチの具体的な適用例として、「安全保障」、「ルールに基づく国際秩序」、「経済」、「人権」の4つの分野を挙げ、問題の真の解決に資する、日本らしい外交のあり方を説明しました。
  1. 更に、これらのビデオメッセージがいずれも、2月中旬に事前収録したものであったことから、その後の情勢の変化を踏まえて、ウクライナ情勢及び日露関係並びに在中国日本大使館員の一時拘束事案について、日本政府の立場(別添3 別ウィンドウで開く)が読み上げられました。

[参考1]第3回東京グローバル・ダイアログ

  • (公財)日本国際問題研究所が主催し、3月2日から3日にかけて開催する国際シンポジウム(オンライン開催)。世界16か国・1地域から有識者等37名が登壇(視聴登録者は約1300名)。テーマは「価値、技術、海洋を巡るせめぎ合い:激化する米中競争と国際社会の対応」。

[参考2]
 別添1:岸田総理大臣挨拶全文(日本語(PDF) 別ウィンドウで開く英語(PDF) 別ウィンドウで開く
 別添2:林外務大臣基調講演全文(日本語(PDF) 別ウィンドウで開く英語(PDF) 別ウィンドウで開く
 (注)双方とも2月中旬に事前収録したもの。
 別添3:ウクライナ情勢及び日露関係並びに在中国日本大使館員の一時拘束事案に係る日本政府の立場(日本語(PDF) 別ウィンドウで開く英語(PDF) 別ウィンドウで開く

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